
独立して初めて迎える確定申告は、「何から手をつければいいのか分からない」という人がほとんどです。会社員のときは会社が年末調整で済ませてくれていた税金の手続きを、フリーランスは自分で行う必要があります。結論から言うと、初めての確定申告は「書類をそろえる → 集計する → 申告書を作る → e-Taxで出す → 納税する」の5ステップで、会計ソフトを使えば簿記の知識がなくても終えられます。申告が必要な人の条件、必要書類、2026年分の期限、やりがちな失敗まで順に解説します。
【結論】初めての確定申告は5ステップで終わる
初めての確定申告で押さえることは、次の3つです。
- 2026年分の申告期間は2027年2月16日〜3月15日2026年1月〜12月の所得を申告します。納税の期限も3月15日です
- 進め方は5ステップ書類をそろえる、売上と経費を集計する、申告書を作る、e-Taxで提出する、納税または還付を受ける
- 青色申告とe-Taxで控除を最大にする青色申告の承認を受けていれば、e-Taxでの申告で最大65万円の控除。2027年分からは紙で出すと上限が原則10万円になります
確定申告の内容は、所得税だけでなく住民税・国民健康保険料・各種給付の判定にもそのまま使われます。正しく申告することが、その後1年間の負担額を決めると考えてください。
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確定申告とは?売上と所得の違い
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得と税額を自分で計算し、税務署に申告して納税する手続きです。フリーランスには年末調整がないため、自分で1年分の売上と経費を集計して申告します。
税金は「売上」ではなく「所得」にかかる
| 売上(収入) | 取引先から受け取った報酬の合計 |
|---|---|
| 経費 | 仕事のために使ったお金(通信費・機材・交通費など) |
| 所得 | 売上−経費(青色申告なら、さらに特別控除を引く) |
| 課税される所得 | 所得−所得控除(基礎控除・社会保険料控除など) |
| 所得税 | 課税される所得×税率(5〜45%)。源泉徴収や予定納税で払った分を差し引いて精算 |
たとえば売上600万円・経費150万円なら所得は450万円で、青色申告の65万円控除を使えば385万円になります。ここから所得控除を引いた額に税率がかかります。
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確定申告が必要な人・不要な人
| ケース | 所得税の確定申告 | ポイント |
|---|---|---|
| 事業の所得が所得控除の合計を超える | 必要 | 税金が発生するため、申告と納税が必要 |
| 報酬から源泉徴収されている | 義務がなくても、したほうがよい | 払いすぎた源泉徴収税が還付されることが多い |
| 年の途中で退職して独立した | 必要(還付になることも多い) | 会社の給与と事業の所得をまとめて申告する |
| 会社員の副業で、給与以外の所得が20万円以下 | 原則不要 | 住民税の申告は別に必要 |
| 事業が赤字、または所得が所得控除以下 | 義務はない | 赤字の繰り越しや、国保の軽減のために申告がおすすめ |
所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。確定申告をすれば住民税の申告も済んだ扱いになるため、迷ったら確定申告をしておくのが確実です。
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青色申告と白色申告、初めてならどっち?
初めてでも青色申告がおすすめです。白色申告でも記帳と帳簿の保存は義務なので、同じ記帳をするなら控除の大きい青色申告のほうが有利です。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事前の届け出 | 青色申告承認申請書が必要 | 不要 |
| 特別控除 | 最大65万円(e-Tax) | なし |
| 赤字の繰り越し | 3年間できる | 原則できない |
| 提出する決算書 | 青色申告決算書 | 収支内訳書 |
青色申告承認申請書は、青色申告をしたい年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内)に出します。出していなければ、その年は白色申告になります。
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初めての確定申告で準備する書類
- 売上の記録請求書の控え、入金が分かる通帳やネットバンキングの明細
- 経費の記録領収書・レシート、カードの明細。電子で受け取ったものは電子データのまま保存
- 源泉徴収の資料支払調書や請求書の控えなど、源泉徴収された税額が分かるもの
- 会社員時代の源泉徴収票年の途中で退職して独立した場合
- 社会保険料の証明国民年金の控除証明書、国民健康保険料の納付額が分かるもの
- そのほかの控除の証明書iDeCo・小規模企業共済・生命保険料・ふるさと納税・医療費など
- マイナンバーカードと読み取りに対応したスマホe-Taxで申告するために必要です
e-TaxのID・パスワード方式は、2025年10月1日に新規発行が停止されました。これから初めてe-Taxを使う人は、マイナンバーカード方式で申告します。カードの電子証明書の期限と、2つの暗証番号を早めに確認しておきましょう。
確定申告の進め方5ステップ
書類をそろえる(1月)
売上・経費の記録と、控除の証明書を集めます。控除証明書は、10月から翌年1月ごろに届くものが多くあります。
1年分の売上と経費を集計する(1〜2月)
会計ソフトに口座とカードを連携していれば、集計はほぼ自動で終わります。家事按分や減価償却もここで整えます。
決算書と確定申告書を作る(2月)
会計ソフトか、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成します。源泉徴収税額や予定納税額の入力を忘れずに。
e-Taxで提出する(3月15日まで)
マイナンバーカードで本人確認をして送信し、受付結果を確認します。郵送や持参もできますが、青色申告の65万円控除にはe-Taxが必要です。
納税する、または還付を受ける
納める税金は3月15日までに納付します(振替納税なら4月下旬ごろに引き落とし)。払いすぎていれば、指定した口座に還付金が振り込まれます。
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経費と消費税の基本
経費にできるものは?
事業に関係する支出なら、金額の上限なく経費にできます。通信費・機材・交通費・書籍・打ち合わせの飲食代などが代表的です。自宅で働く人は、家賃や光熱費を仕事で使った割合だけ経費にできます(家事按分)。所得税・住民税・社会保険料は経費になりません。
インボイス登録をしている人の消費税は?
| 申告と納付の期限 | 2026年分は2027年3月31日まで(所得税とは別の手続き) |
|---|---|
| 2割特例 | 免税事業者からインボイス登録で課税事業者になった個人は、2026年分まで納付税額を売上の消費税額の2割にできる |
| 3割特例 | 令和8年度税制改正により、2027年分と2028年分は納付税額を売上の消費税額の3割にできる |
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初めてでやりがちな7つの失敗
- 申告の期限に遅れる無申告加算税や延滞税がかかり、青色申告特別控除も10万円に下がります
- 源泉徴収税額を入力し忘れる差し引ける税金を差し引かず、払いすぎになります
- 売上を入金ベースで集計してしまう12月に請求して1月に入金された分も、原則その年の売上です
- 私用の支出を経費に混ぜる兼用の支出は按分し、根拠を残します
- 控除の申告を忘れる国民年金・国民健康保険・iDeCo・ふるさと納税などは、申告しないと税金が減りません
- 翌年の支払いを考えていない確定申告の後に、住民税・国民健康保険料、所得が大きければ予定納税の通知が届きます
- 書類を捨ててしまう帳簿や領収書は原則7年間(白色申告は一部5年間)保存します
確定申告の後に届く支払い
| 時期の目安 | 支払うもの | ポイント |
|---|---|---|
| 3月15日・4月下旬 | 所得税 | 振替納税なら4月下旬に引き落とし |
| 3月31日 | 消費税 | 課税事業者のみ |
| 6月〜翌1月 | 住民税 | 多くの自治体で年4回 |
| 6月〜翌3月ごろ | 国民健康保険料 | 回数や時期は自治体によって異なる |
| 7月・11月 | 予定納税 | 前年の所得税が一定額以上の人 |
| 8月・11月 | 個人事業税 | 対象業種で所得が一定額を超える人 |
申告の要否や控除の適用は、所得や家族の状況によって変わります。本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。迷う場合は、税務署の窓口や税理士などの専門家に相談してください。
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よくある質問(FAQ)
● 2026年分は2027年2月16日〜3月15日。書類 → 集計 → 作成 → e-Tax提出 → 納税の5ステップ
● 初めてでも青色申告+e-Taxで最大65万円控除。マイナンバーカードを早めに準備する
● 源泉徴収税額や控除の入力漏れに注意し、申告後の住民税・国保・予定納税に備える

