
フリーランスになると、住民税は給与から天引きされず、6月ごろに届く納付書で自分で納めます。「いつ・いくら払うのか」「なぜ独立した翌年が高いのか」と戸惑う人は少なくありません。結論から言えば、住民税は前年の所得をもとに自治体が計算し、6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて自分で納める税金です。所得の約10%が目安なので、確定申告が終わった時点で資金を取り分けておけば慌てずに済みます。
【結論】前年所得の約10%を、6月から年4回に分けて自分で納める
フリーランスの住民税は、次の3点を押さえれば迷いません。
- 金額は前年の所得で決まる所得割(課税所得の約10%)と均等割(多くの地域で年5,000円)の合計。確定申告の内容をもとに自治体が計算します
- 納めるのは6月・8月・10月・翌年1月の4回6月ごろに届く税額決定通知書と納付書で納めます。1回目にまとめて全額を払うこともできます
- 払い方は口座振替・スマホ決済・カード・窓口から選べる納め忘れを防ぐなら口座振替が確実です
確定申告をしていれば、住民税の申告は別に必要ありません。申告データが税務署から市区町村に送られるためです。
注意したいのは、所得税より住民税のほうが高くなる人が多いことです。住民税の基礎控除は43万円で、所得税(2026年分は最大104万円)より小さいためです。確定申告が終わったら、住民税の見込み額を別口座に移しておくのが、6月以降に資金繰りで困らないいちばんの対策です。
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フリーランスの住民税は「普通徴収」で自分で納める
住民税の納め方には、自分で納める「普通徴収」と、給与から天引きされる「特別徴収」があります。給与のないフリーランスは普通徴収です。
| 納め方 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 普通徴収 | 自治体から届く納付書などで自分で納める | フリーランス・個人事業主 |
| 特別徴収 | 勤務先が毎月の給与から天引きして納める | 会社員などの給与所得者 |
所得税とはどう違う?
| 項目 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 誰が計算する | 自分(確定申告) | 住んでいる市区町村 |
| もとになる所得 | その年の所得 | 前年の所得 |
| 税率 | 5〜45%の累進課税 | 所得割は一律約10% |
| 基礎控除 | 最大104万円(2026年分) | 43万円 |
| 納める時期 | 3月15日まで(振替納税は4月下旬) | 6月・8月・10月・翌年1月 |
| 課税する年の基準 | 1月1日〜12月31日 | 1月1日に住んでいた市区町村が課税 |
住民税はいつ払う?納付のスケジュール
確定申告から住民税の納付まで、1年は次の流れで進みます。2026年6月から2027年1月に納める住民税は、2025年の所得にかかるものです。
2月16日〜3月15日|確定申告
前年の所得を申告します。この申告データが市区町村に送られます。
6月ごろ|税額決定通知書と納付書が届く
年税額と各回の金額・納期限を確認します。
6月末・8月末・10月末・翌年1月末|4回に分けて納付
納期限は自治体ごとに異なるため、通知書の日付で確認します。1回目に全額を納めることもできます。
年税額を4回に分けるときの端数は、多くの自治体で1回目にまとめられます。1回目だけ金額が違っても、計算の誤りではありません。
住民税はいくら?計算方法と計算例
計算式は?
| 課税所得 | 前年の所得-住民税の所得控除(基礎控除43万円・社会保険料控除など) |
|---|---|
| 所得割 | 課税所得×10%(市町村民税6%+道府県民税4%)-調整控除などの税額控除 |
| 均等割 | 多くの地域で年5,000円(市町村民税3,000円+道府県民税1,000円+森林環境税1,000円) |
| 年税額 | 所得割+均等割 |
青色申告特別控除は所得を計算する段階で引くため、住民税も安くなります。一方で、住民税の所得控除は所得税と金額が異なるものがあり、所得税が0円でも住民税がかかる人がいます。
売上600万円だといくら?
売上600万円・経費150万円・社会保険料70万円・青色申告65万円控除の独身の人で計算しました。
| 所得 | 600万円-150万円-65万円=385万円 |
|---|---|
| 課税所得 | 385万円-基礎控除43万円-社会保険料70万円=272万円 |
| 所得割 | 272万円×10%-調整控除2,500円=26万9,500円 |
| 均等割 | 5,000円 |
| 年税額 | 約27万4,500円(1回あたり約6.9万円) |
所得別の目安は?
| 所得(売上-経費-青色控除) | 住民税の年額の目安 |
|---|---|
| 200万円 | 約13万円 |
| 300万円 | 約21万円 |
| 400万円 | 約30万円 |
| 600万円 | 約47万円 |
| 800万円 | 約64万円 |
住民税がかからないのはいくらから?
独身の人なら、所得がおおむね38万〜45万円以下で住民税がかからないのが一般的です。非課税になる所得の基準は、住んでいる地域の区分(級地)や扶養の人数によって変わります。
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住民税の払い方|5つの方法と選び方
| 払い方 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 口座振替 | 納期限に自動で引き落とし。納め忘れがない | 申し込みから開始まで1〜2か月かかることがある |
| スマホ決済アプリ | 納付書のバーコードやQRコードを読み取って自宅で納付 | 使えるアプリは自治体ごとに異なる。領収書は発行されない |
| クレジットカード | 地方税お支払サイトなどで納付。ポイントがつく場合も | 決済手数料がかかる |
| コンビニ・金融機関の窓口 | 納付書を持っていけば現金で払える | 納付書の金額やバーコードの期限を確認する |
| インターネットバンキング・ペイジー | 納付書の番号を入力して納付 | 対応していない自治体もある |
納付書には、全国共通の「地方税統一QRコード(eL-QR)」が印字されている場合があります。このQRコードがあれば、対応するスマホ決済や地方税お支払サイトから納められます。
住民税で損をしないための4つのポイント
- 確定申告の後に、住民税の見込み額を取り分ける所得の約10%を目安に、6月までに別口座に移しておきます
- 所得が大きく増えた翌年は特に注意する住民税は前年の所得で決まるため、売上が伸びた翌年に負担が一気に増えます
- 控除を漏れなく申告する社会保険料控除、小規模企業共済やiDeCoの掛金、ふるさと納税の寄附金控除は住民税も減らします
- 住民税は経費にならない所得税と同じく、本人に課される住民税は経費に入れられません
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払えないとき・独立した年・副業の場合
払えないときはどうする?
納期限の前に、市区町村の税務課に相談してください。事情によっては分割納付や徴収猶予を認めてもらえることがあります。放置すると延滞金がかかり、督促のあと財産の差し押さえに進むことがあります。
| 納期限の翌日から1か月 | 年2.8%(2026年) |
|---|---|
| 1か月を過ぎた後 | 年9.1%(2026年) |
| かからない場合 | 税額が2,000円未満、または延滞金が1,000円未満のとき |
会社を辞めて独立した年はどうなる?
独立した年に払う住民税は、会社員だったときの前年の所得にかかります。収入が不安定な独立1年目に、会社員時代の所得にもとづく住民税を自分で払うことになるため、資金の準備が欠かせません。
- 1月1日〜4月30日に退職した場合5月までの残りの住民税が、最後の給与や退職金からまとめて天引きされます
- 6月1日〜12月31日に退職した場合残りを最後の給与からまとめて天引きするか、普通徴収に切り替えて自分で納めるかを選べます
副業の住民税はどうなる?
確定申告書の第二表で、給与以外の所得の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に選べます。選ばないと、副業分も給与の天引き額に合算され、勤務先が住民税の増加に気づくきっかけになることがあります。ただし自治体によっては普通徴収にできない場合もあります。副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合も、住民税の申告は必要です。
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よくある質問(FAQ)
本記事は2026年9月時点の情報にもとづく一般的な内容です。住民税の税率・均等割・非課税の基準・納期限は自治体によって異なります。具体的な金額や手続きは、お住まいの市区町村や税理士に確認してください。
● 住民税は前年所得の約10%+均等割。自治体が計算し、6月・8月・10月・翌年1月の4回で自分で納める
● 売上600万円・青色申告なら年約27.4万円。基礎控除が43万円のため所得税より高くなりやすい
● 払えないときは納期限前に相談。独立した年は会社員時代の所得にかかるので資金を取り分ける

