
「フリーランスになったらいくら稼げるのか」は、独立を考えるときに誰もが最初にぶつかる疑問です。結論から言えば、フリーランスの年収は「職種×単価×稼働」で決まり、ITエンジニアなら月50〜100万円前後の案件も多い一方、本当に見るべきは売上ではなく手取りです。売上500万円でも、経費と税金・社会保険料を引いた手取りは約270万円になります。職種別の単価の目安、2026年分の税制での手取り早見表、生活していくのに必要な最低ライン、独立1年目の落とし穴までまとめました。
【結論】年収は「職種×単価×稼働」で決まり、手取りは売上の5〜6割
フリーランスの年収を考えるときは、次の3点を押さえます。
- 職種による差が最も大きいITエンジニアや上流工程は単価が高く、ライターやデザイナーは実績によって幅が大きくなります
- 手取りは売上の5〜6割が目安経費を売上の30%とした場合、売上500万円で手取りは約271万円(月約22.6万円)です
- 会社員と同じ生活水準には、額面の1.2〜1.3倍の売上が必要社会保険料の会社負担分、賞与、有給、退職金がない分を自分で稼ぐ必要があります
「平均年収」は分布の幅が広く、実感とずれがちです。自分の職種とスキルで、いくらの案件が実際に出ているかを見るのが、いちばん確かな目安です。
今の年収がどれくらいの位置にあり、どうすれば上げられるかを知ることが大切です。年収を上げる具体的な方法は、別の記事でロードマップとして詳しく解説しています。
あわせて読みたい(年収を上げる)
職種別の月単価の目安
| 職種 | 月単価の目安(週5日) | 年収換算 |
|---|---|---|
| 機械学習・データサイエンス | 80〜120万円 | 960万〜1,440万円 |
| プロジェクトマネージャー・上流工程 | 70〜110万円 | 840万〜1,320万円 |
| クラウド・インフラエンジニア | 65〜100万円 | 780万〜1,200万円 |
| バックエンドエンジニア | 60〜90万円 | 720万〜1,080万円 |
| フロントエンドエンジニア | 50〜85万円 | 600万〜1,020万円 |
| Webディレクター | 50〜80万円 | 600万〜960万円 |
| マーケター・広告運用 | 40〜80万円 | 480万〜960万円 |
| Webデザイナー | 35〜60万円 | 420万〜720万円 |
| コピーライター・編集 | 30〜60万円 | 360万〜720万円 |
同じ職種でも、上流の工程を担えるか、専門性を掛け合わせられるかで単価は大きく変わります。また、週5日の常駐型と、成果物ごとの受託型でも収入の形が異なります。
あわせて読みたい(単価と実績)
売上別の手取り早見表(2026年分の税制)
| 売上 | 事業所得 | 税・社会保険料 | 手取り(月あたり) |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 75万円 | 約32万円 | 約108万円(約9.0万円) |
| 300万円 | 145万円 | 約45万円 | 約165万円(約13.7万円) |
| 500万円 | 285万円 | 約79万円 | 約271万円(約22.6万円) |
| 700万円 | 425万円 | 約115万円 | 約375万円(約31.2万円) |
| 1,000万円 | 635万円 | 約194万円 | 約506万円(約42.1万円) |
所得税の基礎控除は、2026年分と2027年分に限り、合計所得489万円以下なら最大104万円、489万円超655万円以下なら67万円です。この2年間は所得税の負担が軽くなり、手取りが増えやすくなっています。住民税の基礎控除は43万円のままです。
あわせて読みたい(手取りと税金)
生活していくのに必要な最低ラインと、会社員との比較
最低いくら稼げばいい?
| 考え方 | 毎月の生活費+貯蓄に回す額から、必要な手取りを逆算する |
|---|---|
| 例|生活費月20万円 | 必要な手取りは年240万円。経費30%なら売上450万円前後が目安 |
| 例|生活費20万円+貯蓄5万円 | 必要な手取りは年300万円。売上550万円前後が目安 |
| 稼働に換算すると | 売上550万円なら、月約46万円。週5日稼働で1日あたり約2.3万円 |
会社員と比べるとどう違う?
| 項目 | フリーランス | 会社員 |
|---|---|---|
| 社会保険料 | 全額自己負担 | 会社と折半 |
| 年金 | 国民年金のみ | 国民年金+厚生年金 |
| 働けないとき | 傷病手当金は原則なし | 傷病手当金(最長1年6か月) |
| 失業したとき | 雇用保険なし | 失業給付 |
| 有給・退職金 | なし(小規模企業共済で代わりに備える) | あり(企業による) |
| 経費 | 事業に必要な支出を計上できる | 原則なし(給与所得控除で代替) |
| 収入の上限 | 実質的に上限なし | 給与の規定による |
会社員の額面と同じ生活水準を保つには、フリーランスは1.2〜1.3倍程度の売上が必要という見方が一般的です。年収500万円の会社員なら、売上600〜650万円が目安になります。この水準を超える単価を取れるかが、独立の経済的な判断の軸です。
独立1年目のお金の落とし穴
- 1年目の住民税と国民健康保険料は前年の給与で決まる会社員から独立した人は、収入が少ない1年目に負担が最も重くなります。安くなるのは2年目以降です
- 入金は仕事の1〜2か月後独立直後は、案件が決まっても最初の入金まで手元のお金が減り続けます
- 2年目に予定納税が始まることがある前年の所得税が15万円以上なら、7月と11月に前払いが必要になります
- 国民年金は所得に関係なく定額2026年度は月1万7,920円。払えないときは免除を申請します
あわせて読みたい(1年目の備え)
年収を上げるための考え方
- 単価を上げる上流工程やスキルの掛け算で、同じ時間で得られる額を増やします
- 取引先を増やして稼働を安定させる案件の空白期間が減ると、年収が安定します
- 商流の浅い案件を選ぶ間に入る会社が少ないほど、同じ仕事でも単価が上がりやすくなります
- 手取りを増やす制度を使う青色申告、小規模企業共済、iDeCoなどで税金を適正に減らします
あわせて読みたい(収入と手取りを増やす)
よくある質問(FAQ)
本記事の手取りや単価は2026年9月時点の情報にもとづく概算で、国民健康保険料や住民税は住んでいる市区町村によって変わります。正確な税額や保険料は、税務署・市区町村・税理士に確認してください。
● 年収は職種×単価×稼働で決まる。平均より自分の職種で実際に出ている単価を見る
● 手取りは売上の5〜6割。売上500万円で約271万円、生活費月20万円なら売上450万円前後が最低ライン
● 会社員と同じ水準には額面の1.2〜1.3倍が必要。1年目は前年の給与にかかる住民税・国保に注意

