フリーランスの単価設定の方法|目標の手取りからの逆算と相場の調べ方

フリーランスの単価設定の方法|目標年収からの逆算と相場の考え方

フリーランスにとって、単価の設定は収入を大きく左右する最重要テーマです。安すぎれば働いても手元にお金が残らず、高すぎれば案件が取れません。結論から言えば、単価は「目標の手取りから逆算した最低ライン」と「職種の相場」の2つを出し、その間から実績と提供価値に合わせて決めるのが基本です。会社員時代の年収をそのまま目標にすると、社会保険料や経費、案件の空白期間の分だけ手取りが足りなくなります。逆算の計算式と計算例、単価の種類、相場の調べ方、値上げのタイミングまでまとめました。

目次

【結論】逆算の最低ラインと相場の間で、実績と価値に合わせて決める

フリーランスの単価は、次の3ステップで決めます。

  1. 目標の手取りから最低ラインを逆算する手取りは売上の5割強が目安です。手取り400万円なら売上は約750万円、月単価は約68万円が必要です
  2. 自分の職種・経験の相場を調べるエージェントの公開案件や同業者の情報から、実際に出ている単価の幅をつかみます
  3. 実績と提供価値で位置を決める上流工程の経験や専門性があれば相場の上側、実績づくりの段階なら下側から始めて段階的に上げます

最低ラインが相場を上回るなら、単価を下げるのではなく、担える工程を広げるか、商流の浅い案件を探すのが正解です。

単価は年収に直結する最も大きな要素です。単価を上げることは、年収を上げるいちばん確実な方法でもあります。

単価の種類と、向いている仕事

単価の種類決め方向いている仕事
月額(月単価)月の稼働時間や日数を決めて、月ごとに支払われる常駐・リモートの準委任案件、運用や顧問の契約
人日・時間単価1日または1時間あたりの金額×稼働した量スポットの支援、作業量が読みにくい仕事
成果物ごとの固定額見積もった工数や提供価値から1件の金額を決めるWeb制作、デザイン、記事制作などの請負

どの種類でも、根っこは「1時間あたりにいくら稼ぎたいか」です。固定額の仕事でも、見積もった工数で割ると時間単価が出るため、逆算の結果と比べて判断できます。

目標の手取りから単価を逆算する計算式と計算例

1

目標の手取りを決める

生活費に、貯蓄や老後の備えを足します。例:月約33万円×12か月=年400万円。

2

必要な売上に直す

経費を売上の30%とすると、手取りは売上の5割強が目安です。400万円÷0.53=約750万円。

3

稼働できる月数で割る

案件の切れ目や休みを考え、稼働は11か月とします。750万円÷11か月=月約68万円。

4

1日・1時間あたりに直す

月20日稼働なら1日約3.4万円、1日8時間なら時間単価は約4,300円です。

目標の手取り年300万円売上約550万円 → 月約50万円 → 1日約2.5万円 → 時間単価約3,100円
目標の手取り年400万円売上約750万円 → 月約68万円 → 1日約3.4万円 → 時間単価約4,300円
目標の手取り年500万円売上約990万円 → 月約90万円 → 1日約4.5万円 → 時間単価約5,600円
※ 2026年分の税制・独身・39歳以下・経費30%・青色申告65万円控除・国民健康保険料は東京23区の料率をもとにした概算。稼働は年11か月・月20日・1日8時間で計算
営業や事務の時間も時間単価に含まれる

フリーランスは、営業・見積もり・請求・経理など、報酬が出ない仕事にも時間を使います。実際に報酬を得られる時間は、働く時間の7〜8割程度と考え、時間単価に余裕を持たせましょう。

会社員時代の年収から考えるなら?

会社員の額面年収と同じ生活水準を保つには、1.2〜1.3倍程度の売上が必要という見方が一般的です。会社員時代の額面には社会保険料や税金も含まれていますが、フリーランスは社会保険料の会社負担分や賞与、有給休暇、退職金がない分を自分で稼ぐ必要があるためです。年収500万円の会社員なら、売上600万〜650万円が目安です。

相場の調べ方と、実績による調整

  • エージェントの公開案件を見る職種・スキル・稼働日数ごとの月単価の幅が分かります
  • 複数のエージェントに相談する自分の経歴でどのくらいの単価が狙えるか、具体的な目安を聞けます
  • 同業者に聞く勉強会やコミュニティで、実際の取引の単価を知ることができます
  • クラウドソーシングの募集を見る成果物ごとの単価の目安をつかめます。ただし安めに出やすい点に注意します
あなたの状況相場の中の位置上げていく方法
実績づくりの段階相場の下側から数件の実績ができたら、次の契約から上げる
会社員時代の実務経験が3年以上相場の中央実績を具体的な数字で示して交渉する
上流工程・専門性がある相場の上側成果や事業への貢献で価値を示す

単価を決めるときに見落としがちな税金のこと

  • 税抜か税込かを必ず明記する見積書や契約書で、消費税を含むかどうかをはっきりさせます
  • インボイス登録の有無で取引先の負担が変わる免税事業者の請求分は、取引先が消費税の控除を受けられる割合が段階的に下がるため、価格の相談を受けることがあります
  • 源泉徴収される仕事は入金額が減るデザインや原稿料などは、報酬が100万円以下の部分に10.21%が源泉徴収されます。確定申告で精算されますが、入金時の手取りは少なくなります

安すぎ・高すぎを避ける方法と、値上げのタイミング

状態起きること避け方
安すぎる長時間働いてもお金が残らず、あとから値上げもしにくい逆算した最低ラインを下回る仕事は、条件を見直すか断る
高すぎる案件が決まらず、収入の空白期間ができる相場と実績を見比べ、提供する範囲を調整する

値上げはいつ、どう伝える?

  • 契約更新の2〜3か月前に伝える取引先が予算を調整できるよう、早めに相談します
  • 根拠を具体的に示す担当範囲の拡大、成果の数字、相場との比較などを添えます
  • 新しい取引先から上げる既存の取引先より、新規の契約のほうが新しい単価を提示しやすくなります
  • 定期的に見直す年に1回はスキルと相場を確認し、単価が見合っているか点検します

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスの単価はどうやって決めればいいですか?
A目標の手取りから最低ラインを逆算し、職種の相場を調べて、その間から実績と提供価値に合わせて決めます。最低ラインが相場を上回るなら、担える工程を広げるか商流の浅い案件を探しましょう。
Q手取り400万円に必要な単価はいくらですか?
A経費30%などの前提で、売上は約750万円必要です。年11か月稼働なら月約68万円、月20日なら1日約3.4万円、1日8時間なら時間単価は約4,300円が目安です。
Q会社員時代の年収からどう単価を決めればいいですか?
A同じ生活水準を保つには、会社員の額面年収の1.2〜1.3倍程度の売上が必要とされます。年収500万円なら売上600万〜650万円が目安で、これを稼働月数で割って月単価を出します。
Q時間単価はどう考えればいいですか?
A営業や事務など報酬が出ない時間もあるため、報酬を得られるのは働く時間の7〜8割程度と考えます。固定額の仕事も、見積もった工数で割って時間単価を確かめましょう。
Q単価の相場はどうやって調べますか?
Aエージェントの公開案件、エージェントへの相談、同業者の情報、クラウドソーシングの募集などで調べます。複数の情報源を比べて、自分の職種と経験に近い幅をつかみましょう。
Q実績がないうちは安く受けるべきですか?
A相場の下側から始めるのは現実的ですが、逆算した最低ラインを大きく下回る仕事を続けるのは避けましょう。数件の実績ができたら、次の契約から段階的に上げます。
Q単価の値上げはいつ伝えればいいですか?
A契約更新の2〜3か月前が目安です。担当範囲の拡大や成果の数字、相場との比較など、具体的な根拠を添えて相談しましょう。
Q単価は税抜と税込のどちらで提示すべきですか?
Aどちらでも構いませんが、見積書や契約書で税抜か税込かを必ず明記しましょう。あいまいなままだと、あとで消費税の扱いでもめる原因になります。
Qインボイス登録をしていないと単価を下げられますか?
A免税事業者の請求分は、取引先が消費税の控除を受けられる割合が段階的に下がるため、価格の相談を受けることがあります。一方的に大きく引き下げられる場合は、独占禁止法やフリーランス新法の観点から問題になることもあります。
Q単価を上げるにはどうすればいいですか?
A担える工程を広げる、専門性を掛け合わせる、商流の浅い案件を選ぶ、成果を数字で示して交渉するなどの方法があります。新しい取引先から新しい単価で契約していくのも効果的です。
この記事のまとめ

● 単価は、目標の手取りから逆算した最低ラインと職種の相場の間で、実績と価値に合わせて決める

● 手取り400万円には売上約750万円、月約68万円・時間単価約4,300円が目安。営業や事務の時間も考える

● 税抜か税込かを明記し、契約更新の2〜3か月前に根拠を添えて値上げを相談する

この記事を書いた人

フリーランスマップ運営者。Webディレクター・マーケターとして10年以上、業務委託で案件を受けて働いてきました。エージェントの選び方や独立の手続きを解説しています。

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