
- 全職種を対象にしたフリーランス白書2026では、年収400万円以上が49.5%。中央値は400万円前後とみられます
- 職種によって月30万円以上の差があります
- 2つの数字の差は「対象の職種」と「稼働時間」の違い。平均値ではなく、自分に提示される単価で判断します
- フリーランスの年収は経費や社会保険料を引く前の売上。手取りは売上の約7割が目安です
- 年収を上げる近道は、複数社で提示額を比べること。次に単価交渉、商流の見直し、上流工程への移行の順です
「フリーランスエージェントを使うとどのくらいの年収になるのか」「会社員より稼げるの?」と気になっていませんか。結論から言うと、フリーランス全体の調査では年収400万円以上が約半数である一方、IT案件の単価から計算すると年900万円前後という水準になります。この差は、対象となる職種と稼働量の違いから生まれます。この記事では、2つのデータの読み分け方、年収帯の分布、職種別・言語別の単価、エージェントが公表している平均年収、会社員と比べるときの注意点、年収別に必要な単価、年収を上げる方法までを、フリーランス歴10年以上の運営者の視点で1ページにまとめました。
フリーランスの平均年収はいくら?
結論:見ているデータによって金額が大きく変わります。全職種を対象にした調査と、IT案件の単価を集計したデータでは、そもそも母集団が違うためです。会社員の平均給与とあわせて、3つの数字を並べて確認しましょう。
| データ | 数値 | 何を表しているか |
|---|---|---|
| フリーランス白書2026 | 年収400万円以上が49.5% | 全職種のフリーランスの回答。副業や短時間の稼働も含む |
| (参考)会社員の平均給与 | 478万円(正社員は545万円) | 1年を通じて勤務した給与所得者の平均。賞与を含む額面 |
出典:一般社団法人フリーランス協会「フリーランス白書2026」(2025年11月調査・2026年6月公開)、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2025年9月公表)。年約905万円は月額平均を12倍した単純計算で、税金・社会保険料・経費を差し引く前の売上です。
なぜこれほど差があるの?
結論:対象が違うからです。白書の調査には、ライターやデザイナー、軽貨物の配送など幅広い職種と、副業として短時間だけ働く人も含まれます。一方、案件単価のデータはIT案件が対象で、週5日の常勤に近い稼働が前提の案件が中心です。「フリーランスの平均年収」と一括りにされた数字を見たら、まず対象と前提を確かめてください。
| 比べる点 | フリーランス白書 | 案件単価のデータ |
|---|---|---|
| 対象の職種 | 全職種(IT以外も含む) | IT・Web系の案件 |
| 稼働時間 | 副業・短時間の人も含む | 週5日前後の案件が中心 |
| 数字の性質 | 回答者の申告による年収 | 募集されている案件の単価(実際の収入ではない) |
| 向いている使い方 | フリーランス全体の実態を知る | IT職種の自分の相場を知る |
平均年収は全体をならした目安にすぎません。同じ職種でも、スキル・実績・稼働日数・案件の商流によって年収は倍近く変わります。判断に使うなら、平均値ではなく「自分のスキルで、今どのくらいの単価が提示されるか」を確かめるほうが確実です。エージェントの面談で聞けば、その日のうちに分かります。
👉 高単価の案件を扱っているかは会社によって差があります。各社の特徴はフリーランスエージェントおすすめ比較で確認できます。
高単価案件に強いフリーランスエージェントを比較する マージン・支払いサイト・保障を一覧でチェック(登録・相談は無料) ›年収の分布はどうなっている?
結論:平均だけでなく分布を見ると、現実的なイメージがつかめます。フリーランス白書2026では、年収400万円以上が全体の49.5%で、ほぼ半数が400万円を境に分かれています。前年の白書2025(47.7%)から1.8ポイント増えました。
| 項目 | 白書2026 | 白書2025 | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| 200〜400万円未満 | 27.7% | 26.5% | 最も多い層。副業や短時間の稼働を含む |
| 400〜600万円未満 | 19.9% | 21.0% | フルタイムに近い稼働で働く層 |
| 400万円以上(合計) | 49.5% | 47.7% | およそ半数がこの水準に達している |
| 月間140時間以上の稼働 | 48.5% | 47.1% | フルタイム相当で働く人の割合 |
| 自分の収入が世帯収入の8割以上 | 51.0% | 45.7% | フリーランス収入が生計の柱になっている人 |
出典:フリーランス協会「フリーランス白書2026」(2025年11月調査)、「フリーランス白書2025」。回答者は同協会の関係者などが中心で、日本のフリーランス全体の分布とは異なる可能性があります。
この分布から何が読み取れる?
結論:年収は稼働時間と強く連動しているということです。フルタイム相当で働く人の割合(48.5%)と、年収400万円以上の割合(49.5%)がほぼ同じである点がそれを示しています。つまり「フリーランスの年収が低い」というより、短時間で働く人が一定数いるために全体の数字が下がっていると読むほうが実態に近いといえます。
同じ調査では、自分の収入が世帯収入の8割以上を占める人が51.0%でした。裏を返せば、半数近くは主たる収入が別にあるか、世帯の収入を分け合っているということです。統計を読むときは、この構成を頭に入れておきましょう。
職種によって年収はどれくらい違う?
結論:IT案件のなかでも、職種によって月30万円以上、年間で約380万円の差があります。上流工程やマネジメント、AI関連の職種ほど単価が高くなる傾向です。
開発言語によって単価は変わる?
結論:変わります。Rust・Scala・Go言語などは80万円台、JavaやJavaScriptは70万円台前半と、言語によって月10万円以上の差があります。ただし単価の低めな言語は案件数が多い傾向もあるため、単価と案件数の両方で判断しましょう。
エージェントが公表している平均年収は?
結論:大手エージェントは利用者の平均年収を800万円台と公表しています。ただし集計の時期や条件が会社ごとに違うため、横並びで比べず、条件を確認したうえで目安として使ってください。
| エージェント | 公表している平均年収 | 集計の条件 |
|---|---|---|
| レバテックフリーランス | 881万円 | 2023年5月の実績。首都圏のWeb系案件・週5日稼働の場合 |
| Midworks | 840万円以上 | 2022年5月に参画が決まった案件で12か月稼働した場合。週3・4日の案件は週5日に換算 |
※各社の公式サイトの表記にもとづきます(2026年9月確認)。集計条件は変更されることがあります。
非IT職の場合はどうなる?
結論:上の表はIT案件の数字であり、ライターやデザイナーなどの非IT職はこの水準とは異なります。エージェントが扱う案件はIT・Web系に偏っているため、非IT職ではクラウドソーシングや直接取引が主な経路になり、単価の決まり方も変わります。自分の職種の相場は、公開されている案件情報で確認するのが確実です。
高単価案件に強いエージェントを比較してみる 同じスキルでも、提示される報酬は会社によって差が出ます ›会社員の年収と比べるときの注意点
結論:額面の年収どうしを比べても意味がありません。フリーランスの「年収」は経費を引く前の売上であり、会社員の年収(給与)とは中身が違うためです。会社員の平均給与は478万円(正社員は545万円)ですが、比べるときは次の5点を差し引いて考えてください。
| 差し引くもの | 会社員の場合 | フリーランスの場合 |
|---|---|---|
| 社会保険料 | 厚生年金・健康保険は会社と折半 | 国民健康保険・国民年金を全額自己負担 |
| 経費 | 会社が負担(給与から引かれない) | 機材・通信費・交通費などを自分で負担 |
| マージン | 関係しない | エージェント経由の場合、発注額から差し引かれる |
| 有給休暇 | 取得しても給与は減らない | 休んだ分は原則として報酬が減る |
| 賞与・退職金 | 制度があれば支給される | ない。自分で積み立てる |
当サイトの試算では、フリーランスの手取りは売上のおおむね7割程度が目安です(経費や控除の状況によって変わります)。年900万円の売上でも、手元に残るのは600万円台という計算になります。会社員の年収と比べるなら、この水準で並べるのが公平です。また、会社員の年収にはない「将来の年金の差(厚生年金の有無)」も考慮しておきましょう。
フリーランスの年収は売上ベースで語られることが多く、会社員の年収(給与)とは意味が異なります。売上1,000万円は、手取りにすると700万円前後になることもあります。また、課税売上高が1,000万円を超えると、原則として2年後に消費税の課税事業者になるなど、税務上の扱いも変わります(インボイスの登録事業者はすでに課税事業者です)。具体的な計算は、税理士や税務署にご確認ください。この記事は一般的な情報提供であり、税務の助言ではありません。
目標年収に必要な単価はいくら?
結論:目標の年収を12で割れば、必要な月額報酬がすぐ出ます。平均値を眺めるより、この逆算のほうが行動につながります。
| 目標年収(売上) | 必要な月額報酬 | 手取りの目安(約7割) | 現実的な狙い方 |
|---|---|---|---|
| 600万円 | 月50万円 | 約420万円 | 実務経験3年程度から。週5日で十分に届く水準 |
| 1,000万円 | 月83.3万円 | 約700万円 | 上流工程・マネジメント・AI関連など、単価の高い領域が中心 |
| 1,200万円 | 月100万円 | 約840万円 | FDEやITコンサルタントなど、平均が100万円を超える職種が候補 |
※手取りは売上の約7割として計算した目安で、経費・控除・扶養の状況によって変わります。稼働が週5日・年12か月継続する前提の単純計算です。実際には案件の切り替え時に空白期間が生じることもあります。
空白期間はどう見込む?
結論:年10〜11か月の稼働で計算しておくと安全です。案件の終了から次の参画まで、探し始めても数週間はかかることが多いためです。12か月フル稼働を前提に生活費を設計すると、1か月空いただけで計画が崩れます。目標年収は12で割り、生活費は10か月分の収入で組む——この二段構えにしておくと余裕が生まれます。
| 月額報酬 | 12か月稼働 | 11か月稼働 | 10か月稼働 |
|---|---|---|---|
| 月60万円 | 720万円 | 660万円 | 600万円 |
| 月75万円 | 900万円 | 825万円 | 750万円 |
| 月90万円 | 1,080万円 | 990万円 | 900万円 |
※売上の単純計算です。
エージェントを使うと年収は上がる?
結論:上がることもあれば、下がることもあります。エージェント経由ではマージンが差し引かれる一方、個人では届かない案件に参画できます。どちらが大きいかで結果が決まります。
| 年収が上がる要因 | 年収が下がる要因 |
|---|---|
| 個人では出会えない非公開案件を紹介してもらえる | クライアントの発注額からマージンが差し引かれる |
| 個人では契約が難しい規模の企業にも参画できる | 間に入る会社が多い案件(商流の深い案件)だと報酬が下がる |
| 相場を踏まえた単価交渉を代行してもらえる | 希望条件を伝えないと、低めの案件が届く |
| 案件が途切れにくく、年間の稼働月数が増える | 1社に依存すると、比較の基準を持てない |
見落とされがちなのが「稼働月数」です。単価が同じでも、年12か月稼働できるか10か月かで、年収は2か月分違います。案件が途切れにくいこと自体が、年収を押し上げる要因になります。
マージンで報酬はどれくらい変わる?
結論:クライアントの発注額が同じでも、マージンが10ポイント違えば、年間の売上は発注額の約1か月分以上変わります。マージン率の相場と、手取りの計算方法はフリーランスエージェントのマージン率の相場と手取りの考え方で詳しく解説しています。
| クライアントの発注額 | マージン10%の場合 | マージン20%の場合 | 年間の差 |
|---|---|---|---|
| 月80万円 | 月72万円(年864万円) | 月64万円(年768万円) | 96万円 |
| 月100万円 | 月90万円(年1,080万円) | 月80万円(年960万円) | 120万円 |
※編集部による単純計算。マージン率は比較用の仮定で、特定の会社の数値ではありません。
マージン率の高低より、実際に自分に提示される報酬額を複数社で比べるほうが確実です。同じスキルシートで2〜3社に相談すれば、その差がそのまま自分の相場の幅になります。マージン率を公開していない会社が多いため、率だけで比べるのは現実的ではありません。
年収を上げる5つの方法
結論:効果が出るまでの時間が短い順に取り組むのが効率的です。スキルを増やす前に、今の単価が相場と合っているかを確認するほうが先です。
- 複数社で提示額を比べる(数週間):同じスキルシートで2〜3社に相談します。今の単価が相場より低いなら、案件を変えるだけで上がります
- 契約更新時に単価交渉をする(1〜2か月):担当範囲の変化と成果をまとめ、更新の1〜2か月前に相談します
- 商流の浅い案件に移る(数か月):間に入る会社が少ないほど、同じ発注額でも報酬が多く残ります
- 上流工程やマネジメントに関わる(半年〜):要件整理や設計、レビュー、チームのまとめ役に関わると、任される範囲が変わり単価も変わります
- 需要の高い領域を1つ深める(半年〜):AI・機械学習など、単価が伸びている領域や、案件の応募条件に繰り返し出てくる技術から選ぶのが確実です
この順序が重要なのは、1と2は今のスキルのままでも実行できるからです。学習から始めると成果が出るまで半年かかりますが、提示額の比較と交渉は数週間で結果が分かります。
手取りを増やす方法も忘れずに
結論:売上を上げるだけでなく、経費の計上と控除の活用で手取りは変わります。青色申告特別控除や、掛金が全額所得控除になる小規模企業共済・iDeCoは、税負担を軽くできる制度です。売上が同じでも、手元に残る額に差が出ます。具体的な有利不利は、税理士に相談して確認してください。
フリーランスの年収についてのよくある質問
結論:年収まわりで迷いやすい10の疑問に、判断の基準が分かる形で回答します。
まとめ:平均値ではなく、自分の提示額で判断する
結論:フリーランスの平均年収は、対象と前提で数字が変わります。平均に一喜一憂するより、複数社に相談して「今の自分にいくら提示されるか」を確かめるほうが、年収を上げる行動に直結します。
• フリーランス白書2026では年収400万円以上が49.5%(前年47.7%)。会社員の平均給与は478万円
• 差が生まれるのは対象が違うから。白書は全職種・副業を含み、単価データはIT案件のフルタイム稼働が中心
• 年収は稼働時間と強く連動する。フルタイム相当は48.5%で、年収400万円以上の割合とほぼ一致
• 職種別ではFDE 108.1万円、ITコンサルタント 106.6万円が上位。バックエンドエンジニア(76.5万円)とは年間で約380万円の差がある
• 言語別ではRust・Scala・Go言語が84万円台。大手エージェントは利用者の平均年収を800万円台と公表している(集計条件に注意)
• 会社員と比べるときは、社会保険料の全額負担・経費・マージン・有給なしを差し引く。手取りは売上の約7割が目安
• 目標年収は12で割って必要な月額を出す。生活費は10か月分の収入で組むと空白期間に耐えられる
• 年収を上げる順番は、提示額の比較、単価交渉、商流の見直し、上流工程やマネジメント、専門領域を深める
フリーランスの年収は、スキルと案件選びしだいで大きく変わります。まずは高単価案件に強いエージェントを含む2〜3社に相談し、今の自分に提示される報酬を確かめるところから始めてみてください。

