
- 在宅と週3日から始められます。エージェント選びはリモート比率で決まります
- 扶養の判定は健康保険組合ごとに違います。必ず配偶者の組合に確認します
- 「178万円の壁」は給与の話。フリーランスは売上から経費を引いた所得で判定します
「子育て中でも在宅で稼ぎたい」「扶養を超えないように収入を調整したい」——主婦・ママからよく聞く悩みです。結論から言うと、リモート可の案件を多く扱うエージェントを選べば、週3日・在宅からの参画は十分に現実的です。一方で、よく語られる「年収の壁」は給与で働く人向けの話が多く、フリーランスには当てはまらない部分があります。この記事では、主婦・ママがエージェントを使うメリット、2026年分の税制改正を踏まえたフリーランスの扶養の考え方、扶養内で働く実務、向いているエージェントと職種、登録から受注までの流れを、フリーランス歴10年以上の運営者の視点で1ページにまとめました。
主婦・ママがフリーランスエージェントを使うメリットは?
結論:在宅で、稼働日数を抑えた案件を探せることが最大の価値です。求人サイトで在宅の仕事を一つずつ探すより、条件を伝えて絞り込んでもらうほうが早く、条件交渉も任せられます。
- リモート案件から選べる:リモート可の比率を公表しているエージェントもあり、在宅前提で案件を絞り込めます
- 稼働日数を調整できる:週3〜4日の案件を扱う会社なら、送り迎えや家事の時間を確保しながら働けます
- 条件交渉を任せられる:「稼働時間帯を午前中にしたい」といった希望も、担当者を通して伝えられます
- ブランクを職歴だけで判断されにくい:評価されるのは担える業務です。出産や育児で離れた期間があっても、経験と成果物で判断されます
- 実績が次につながる:参画した案件が実績になり、次はより条件のよい案件を狙えます
エージェントが扱う案件はIT・Web系が中心で、実務経験を条件にするものがほとんどです。その職種の実務経験がまったくない状態では、紹介できる案件が限られます。未経験から始める場合は、クラウドソーシングで実績を作ってから登録するほうが現実的です。この記事も、その前提で読み進めてください。
エンジニア職の場合は、担当している職種や技術によって在宅案件の見つけやすさが変わります。職種別の選び方はエンジニア向けエージェントの選び方で詳しく解説しています。
在宅・週3日から相談できるエージェントを比較する リモート比率・稼働日数・支払いサイトを一覧で確認できます(登録・相談は無料) ›「年収の壁」はフリーランスにどう関係する?
結論:よく話題になる「160万円」「178万円」といった壁は、給与で働く人の話です。フリーランス(個人事業主)には給与所得控除が適用されないため、同じ数字は当てはまりません。混同すると、思わぬ税や保険料が発生します。
| よく聞く壁 | 誰の話か | フリーランスの場合 |
|---|---|---|
| 103万円・160万円・178万円の壁(所得税) | 給与で働く人(2026年分は178万円) | 当てはまらない。給与所得控除がないため、「売上−経費」の所得で考える |
| 123万円・136万円の壁(配偶者控除) | 給与で働く配偶者(2026年分は136万円) | 当てはまらない。所得(2026年分は62万円以下)で判定する |
| 106万円の壁(社会保険の加入) | 一定の条件を満たす勤務先で働く人。賃金要件は2026年10月に撤廃予定 | フリーランスの収入だけなら原則として関係しない |
| 130万円の壁(社会保険の扶養) | 扶養に入っている人全般 | 関係する。ただし判定の方法は健康保険組合によって異なる |
※令和8年度税制改正の内容にもとづく2026年分の目安です(2026年9月確認)。所得税の改正は2026年分から適用され、個人事業主は2027年に行う確定申告から反映されます。
フリーランスの場合、税と扶養の目安は?
結論:フリーランスは「売上−必要経費−青色申告特別控除」で計算した所得で判定します。2026年分の主な目安は次のとおりです。
| 判定するもの | 2026年分の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 本人の所得税 | 所得が基礎控除以下なら課税されない(合計所得489万円以下の人は基礎控除104万円) | 基礎控除104万円のうち42万円は2026・2027年分の特例 |
| 本人の住民税 | 所得税より低い所得で課税されることがある | 住民税の基礎控除は所得税と金額が違う。非課税の基準は自治体の案内で確認する |
| 配偶者控除(配偶者の税金) | 本人の所得が62万円以下 | 2025年分は58万円以下だった |
| 配偶者特別控除(配偶者の税金) | 本人の所得が62万円超133万円以下で、段階的に控除 | 配偶者本人の所得によっても控除額が変わる |
| 社会保険の扶養 | 年間収入130万円未満(60歳以上などは180万円未満)が基本 | 事業収入の見方(経費をどこまで引くか)は健康保険組合ごとに違う |
※例:青色申告特別控除65万円の要件を満たす場合、「売上−経費」が127万円以下なら所得は62万円以下になり、配偶者控除の所得要件を満たす計算です(62万円+65万円)。青色申告特別控除は2027年分から見直される予定です。計算は一例で、実際の判定は他の所得の有無などで変わります。
重要なのは、税の判定(所得)と社会保険の扶養の判定(収入)は別物だということです。社会保険の扶養では、フリーランスの収入を売上から必要経費を差し引いた額で見る組合もあれば、経費の一部しか認めない組合もあります。「経費を引けば大丈夫」と自己判断せず、配偶者が加入する組合に必ず確認してください。
2026年4月から、社会保険の扶養の認定で、労働契約(労働条件通知書など)に書かれた賃金から年間収入を見込んで判定する取り扱いが始まりました。ただしこれは給与収入の人を想定した取り扱いで、フリーランスの事業収入の判定方法が変わったわけではありません。また、いわゆる106万円の壁のうち賃金要件は2026年10月に撤廃される予定ですが、これも勤務先で働く人の話です。
所得税の基礎控除や配偶者控除の所得要件は、年分によって金額が変わります。自分の場合にいくらになるかは国税庁の情報を確認するか、税理士に相談してください。この記事は一般的な情報提供であり、税務や社会保険の助言ではありません。
扶養内で働くときの実務は?
結論:「いくらまで働けるか」を先に確定させてから、案件を選ぶのが順序です。稼いでから調整しようとすると、年末に慌てることになります。
- 配偶者の健康保険組合に確認する:フリーランスの収入をどう見るか(経費を引くか、いつの時点で判定するか)を電話で確認します。ここが出発点です
- 年間の上限額を決める:組合の基準と、配偶者控除・配偶者特別控除の所得要件を踏まえて、売上または所得の上限を決めます
- 月あたりの上限に割り戻す:年間の上限を12で割り、1か月に受けられる案件の規模を把握します
- 担当者に上限を伝える:「年間◯◯万円以内に収めたい」と最初に共有すれば、その範囲の案件を提案してもらえます
- 毎月の売上と経費を記録する:入金と支払いのつど記録し、年の後半で調整できる状態にしておきます
扶養を外れると国民健康保険料と国民年金保険料の負担が発生するため、少しだけ超える状態が最も手取りの効率が悪くなります。超えるなら、その負担を上回るところまで働くほうが結果的に手元に残ります。稼働日数を増やすか、扶養内に抑えるかは、途中で決めるより先に決めておきましょう。
主婦・ママに向いているフリーランスエージェント4社
結論:選ぶ基準は「リモート比率」「稼働日数の柔軟さ」「入金の早さ」の3点です。各社の情報は2026年9月時点で公式サイト・公開資料を確認したものです。
クラウドワークス テックリモート案件90%
上場企業の株式会社クラウドワークスが運営するエージェントで、リモート案件90%(2025年1月末時点)を公表しています。週3日からの案件も扱い、初めて稼働する人への3か月間のフォローもあるため、在宅と稼働日数の両方を調整したい人と相性がよい1社です。支払いサイトは15日と早く、生活費の管理もしやすくなります。
- 向いている人
- 在宅中心で、稼働日数も抑えたい人
- リモート
- リモート案件90%(2025年1月末時点)
- 支払いサイト
- 15日
ギークスジョブリモート可88%以上
上場企業のギークス株式会社が運営する、20年以上の支援実績を持つエージェントです。取引社数3,810社、公開案件7,000件以上、リモート可の案件は88%以上(いずれも前年度実績として公表)。条件を細かく相談しながら案件を探したい人に向いています。福利厚生プログラム「フリノベ」も利用できます。支払いサイトは25日です。
- 向いている人
- 条件を丁寧にすり合わせたい人
- リモート
- リモート可88%以上(前年度実績)
- 支払いサイト
- 25日
Midworks(ミッドワークス)保障・福利厚生
案件が途切れたときの給与保障制度(保障率60%・条件と審査あり)や福利厚生を備えたエージェントです。エンド企業またはSIerから直接受注した案件が全体の約70%、非公開案件が80%と公表しています。扶養を外れて本格的に働く段階で、収入が途切れる不安を減らしたい人に向いています。支払いサイトは20日です。
- 向いている人
- 扶養を外れて働く段階の人
- 特徴
- 給与保障60%(条件・審査あり)と福利厚生
- 支払いサイト
- 20日
レバテックフリーランス案件の母数が大きい
IT・Web系に特化した大手エージェントで、取引企業数は10,000社以上と公表しています。案件の母数が大きいため、「在宅・週3〜4日」と条件を絞っても候補が残りやすいのが強みです。支払いサイトは15日(参画する現場により変動あり)です。実務経験が一定以上ある人向けの案件が中心である点は押さえておきましょう。
- 向いている人
- 経験があり、単価も上げたい人
- 案件
- IT/Web系に特化・取引企業数10,000社以上
- 支払いサイト
- 15日
※各社の公式サイト・公開資料に記載された内容を2026年9月に編集部が確認しました。週3日以下の案件数や扶養内調整への対応は公表されていないため、初回面談で直接確認してください。
どんな職種が在宅で働きやすい?
結論:成果物が明確で、非同期で進められる職種ほど、育児との両立がしやすくなります。エージェント経由で案件が多いのはIT・Web系、それ以外はクラウドソーシングや直接取引が中心です。
| 職種 | 主な経路 | 両立のしやすさ |
|---|---|---|
| フロントエンドエンジニア | エージェント | 担当範囲を分けやすく、在宅と相性がよい |
| バックエンドエンジニア | エージェント | 案件数が多い。実務経験が評価に直結する |
| Webデザイナー | エージェント・直接取引 | 制作物単位の依頼なら時間の調整がしやすい |
| Webライター・編集 | クラウドソーシング・直接取引 | 納品型で進めやすいが、単価は経験と分野による |
| 経理・バックオフィス | 直接取引・専門サービス | 月次で作業が集中する。前職の経験が活きる |
IT案件の単価と在宅の割合はどのくらい?
完全在宅にこだわるほど選択肢は絞られるため、「週1日程度の出社なら可」など条件に幅を持たせると、候補が広がります。
週3日ならいくらになる?
結論:週5日の単価をおおむね6割にした金額が目安です。ここからマージンや税金、経費を差し引いた額が手元に残ります。扶養内に収めたい場合は、この金額から逆算して稼働日数や稼働時間を決めてください。
※単純な比例計算による目安です。実際の単価は職種・経験・案件によって大きく変わり、経験が浅いうちは平均より低くなることが一般的です。
扶養内でも使いやすいエージェントを比較する 稼働日数の相談ができるかは、登録前に確認しておきたい点です ›主婦・ママがエージェントを選ぶ5つのポイントは?
結論:主婦・ママが確認すべき点は、一般的な選び方とは優先順位が違います。単価より先に、在宅と稼働日数の条件が通るかを確かめてください。
- 「在宅・週◯日」で絞り込めるか:登録時と面談で明確に伝えます。条件で案件を絞ってくれるかどうかが最初の分かれ目です
- 稼働時間帯を相談できるか:「打ち合わせは10〜15時に集めたい」といった希望が通るかを確認します
- 収入の上限を相談できるか:扶養内に収めたい場合、その前提で案件を選んでもらえるかを聞いておきます
- 支払いサイトの長さ:初回の入金までの期間は、家計の管理に直結します
- マージンと提示額:率を公開している会社は多くありません。複数社の提示額を比べるほうが確実です
マージンで手取りはどれくらい変わる?
結論:発注額が同じでも、率が15ポイント違えば月額の15%分が変わります。稼働を抑えるほど1件の重みが増すため、率の差は無視できません。
| 発注額(月) | マージン10% | マージン15% | マージン20% | マージン25% |
|---|---|---|---|---|
| 30万円 | 27.0万円 | 25.5万円 | 24.0万円 | 22.5万円 |
| 45万円 | 40.5万円 | 38.25万円 | 36.0万円 | 33.75万円 |
| 60万円 | 54.0万円 | 51.0万円 | 48.0万円 | 45.0万円 |
※税金・社会保険料・経費を差し引く前の金額です。マージン率には公的な統計がなく、PE-BANKのように8〜12%と公開している会社もあれば、非公開の会社もあります。実務では、提示される報酬額を複数社で比べるのが確実です。
登録から案件参画までの流れは?
結論:登録から稼働開始まではおおむね2〜4週間が目安です。さらに、稼働を始めてから最初の報酬が入るまで1か月半〜2か月ほどかかることが多いため、育児のスケジュールと家計に合わせて余裕を持って動き始めてください。
- 無料登録(10〜15分):スキルと希望条件を入力します。「在宅希望・週◯日・稼働できる時間帯・扶養内の上限」を最初に明記します
- 担当者との面談:オンラインで30分〜1時間ほど。育児中であることや、突発的に対応できない時間帯があることは正直に伝えて構いません
- 案件の紹介・選定:条件で絞られた案件から選びます。単価だけでなく、打ち合わせの頻度や連絡手段も確認します
- クライアントとの面談:オンラインで行われることが多くなっています。稼働できる時間帯と、連絡がつかない時間の対応方法を先に共有しておきます
- 契約・稼働開始:契約書で、報酬額・支払期日・稼働条件(在宅か、出社があるか)・精算幅の4点を必ず確認します
「子どもの急な発熱で対応できない日が出る可能性がある。その場合は当日中に連絡し、翌日に巻き返す」——このように起こり得ることと、そのときどうするかをセットで伝えると、相手は安心します。隠して後から問題になるより、先に共有しておくほうが結果的に長く続きます。
主婦・ママからのよくある質問
結論:迷いやすい9つの疑問に、判断の基準が分かる形で回答します。
まとめ:条件を先に決めてから案件を選ぶ
結論:主婦・ママがフリーランスとして働くうえで大切なのは、「在宅か」「週何日か」「いくらまでか」を先に決めて、そのうえで案件を選ぶことです。稼いでから調整しようとすると、扶養の判定でも育児との両立でも無理が生じます。
• エージェントの価値は、在宅かつ稼働日数を抑えた案件を条件で絞り込めること
• ただし案件はIT・Web系が中心で、実務経験が前提。未経験ならまず実績づくりから
• 「160万円」「178万円」といった壁は給与で働く人の話。フリーランスは「売上−経費−青色申告特別控除」の所得で判定する
• 2026年分は、所得62万円以下で配偶者控除、62万円超133万円以下で配偶者特別控除の対象
• 社会保険の扶養(130万円)は、事業収入の見方が健康保険組合ごとに違うため必ず確認する。2026年4月の見直しは給与収入の人を想定したもの
• 上限を先に決め、担当者に伝えたうえで、毎月の売上と経費を記録して調整する
• 選ぶ基準は、在宅で絞り込めるか・時間帯を相談できるか・上限を相談できるか・支払いサイト・提示額
週3日なら週5日の単価のおおむね6割が目安。面談では休む可能性と対応方法をセットで伝える
まずは2〜3社に登録し、「在宅・週◯日・上限◯◯万円」という条件でどんな案件が提示されるかを確かめてみてください。提示を見てから、働き方を決めても遅くありません。

