
仕事に必要な専門書や技術書、業界誌などを買う機会の多いフリーランス。「書籍代は経費にできる?」「電子書籍やマンガはどうなる?」と迷う方も多いはずです。結論から言うと、事業に関係する書籍代は「新聞図書費」として経費にでき、判断の基準は「事業との関係を説明できるか」の1点です。経費にできる本・できない本の見分け方、電子書籍やサブスクの扱い、仕訳の例、税務調査に備える記録のしかたまでまとめました。
【結論】事業に関係する書籍代は「新聞図書費」で経費にできる
仕事に必要な書籍・雑誌・電子書籍・有料記事などの購入費は、経費にできます。判断と処理のポイントは次の3つです。
- 基準は「事業との関係を説明できるか」ジャンルではなく、仕事での使い道で決まります。マンガでも仕事に使うなら経費にできます
- 勘定科目は「新聞図書費」が一般的決算書に最初から印字された科目ではないため、空欄に自分で追加して使います
- 領収書と「何の仕事に使ったか」のメモを残す税務調査で聞かれたときに、事業との関係を説明できるようにしておきます
所得税法では、必要経費は「事業の収入を得るために直接かかった費用」とされています。仕事と私用の両方で読む本は、主に仕事で使っていて、その部分を区別できる場合に限って経費にできると考えてください。
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経費にできる本・できない本の判断基準
書籍代を経費にできるかどうかは、「その本が今の事業にどう役立つかを説明できるか」で決まります。
| 区分 | 経費にできる例 | 経費にできない・注意が必要な例 |
|---|---|---|
| 専門書 | 業務で使う技術書・デザイン書・マーケティング書 | 今の事業と関係のない分野の専門書 |
| 雑誌・新聞 | 業界誌、仕事の情報収集に使う経済紙 | 私生活のための趣味の雑誌 |
| 資料 | 取材・執筆・制作のための資料 | 家族が読むための本 |
| マンガ・小説 | レビュー記事や作品制作の資料として使うもの | 純粋な娯楽として読むもの |
| 自己啓発・一般書 | 業務の改善に直接使うビジネス書 | 事業と結びつけて説明できない教養書 |
職種別の「経費にできる本」の例
- ITエンジニアプログラミング言語やクラウドの技術書、資格試験の参考書、技術情報の有料購読
- Webデザイナーデザインやタイポグラフィの専門書、作品集、UI・UXの解説書
- ライター・編集者取材や執筆のための資料、文章術の本、扱うジャンルの雑誌・マンガ
- マーケター・コンサルタントマーケティングや業界分析の書籍、経済紙、調査レポート
どんな本も「いつか仕事の役に立つ」と言えてしまうため、今の事業との具体的なつながりが説明できるかが大切です。たとえば、将来始めたい別の事業の本は、今の事業の経費としては説明しにくくなります。
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電子書籍・サブスク・有料記事の扱い
電子書籍も紙の本と同じく、事業に関係するものなら新聞図書費として経費にできます。形式ではなく中身で判断します。
| 種類 | 経費にする考え方 | 記録のポイント |
|---|---|---|
| 電子書籍(1冊ずつ購入) | 仕事に使う本なら全額 | 購入履歴の画面や領収書のPDFを保存 |
| 読み放題サービス | 仕事と私用の両方で使うなら、使う割合で按分 | 按分の割合と、その根拠をメモ |
| 有料記事・ニュースの購読 | 業界の情報収集に使うなら経費 | 契約内容と請求の記録を保存 |
| オンライン講座・学習サービス | 書籍ではなく研修費などで処理するのが一般的 | 受講内容が分かる資料を保存 |
年間購読をまとめて払った場合は?
支払った日から1年以内に提供を受けるサービスの代金で、毎年同じ方法で処理しているなら、支払った年の経費にできます(短期前払費用)。1年を超える分をまとめて払った場合は、年ごとに分けて経費にします。
新聞図書費以外の科目を使うケース
書籍に関係する支出でも、内容によってはほかの勘定科目のほうが適していることがあります。
| 支出の内容 | 勘定科目の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 書籍代が少なく、科目を増やしたくない | 雑費 | 金額が小さければ雑費でも問題ない |
| セミナーや講座の受講料 | 研修費 | 知識を得る目的でも、書籍ではなくサービスの対価 |
| 取引先に贈る本 | 接待交際費 | 自分が読むためではなく、取引先への贈答 |
| 業務用ソフトの利用料 | 通信費・支払手数料など | 情報を得るための購読ではなく、ツールの利用 |
| 高額な全集など(10万円以上) | 工具器具備品など | 資産として扱う。青色申告なら40万円未満は一括で経費にできる |
雑費にまとめてしまうと、何にいくら使ったかが分かりにくくなります。書籍代が年に数万円以上あるなら、新聞図書費として分けておくと、経費の内訳が一目で分かり、説明もしやすくなります。
書籍代の仕訳の例と、記録のしかた
よくある仕訳の例
| 取引 | 借方(左) | 貸方(右) |
|---|---|---|
| 事業用カードで技術書3,300円を購入 | 新聞図書費 3,300円 | 未払金 3,300円 |
| 個人の財布で業界誌1,200円を購入 | 新聞図書費 1,200円 | 事業主借 1,200円 |
| 事業用口座から経済紙の購読料4,900円が引き落とし | 新聞図書費 4,900円 | 普通預金 4,900円 |
| 読み放題1,000円を事業で5割使用(事業用カード払い) | 新聞図書費 500円/事業主貸 500円 | 未払金 1,000円 |
税務調査に備えて残しておくもの
- 領収書・レシートネット書店や電子書籍は、購入履歴の画面や領収書のPDFで構いません
- 何の仕事に使ったかのメモ「◯◯社の案件の技術調査」「◯月号の記事の資料」など一言で十分です
- 按分した場合の割合と根拠仕事で使う時間や冊数の割合など
- 成果物とのつながりその本を参考にした記事や制作物があれば、説明の材料になります
消費税の課税事業者で、前々年の課税売上高が1億円以下などの条件を満たす人は、税込1万円未満の支払いならインボイスがなくても帳簿の記載だけで仕入税額控除ができます(少額特例、2029年9月30日まで)。1万円以上の書籍は、インボイスの保存が必要です。
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書籍代を経費にするときの注意点
- 趣味の本と混ぜない仕事と関係のない本が混ざると、ほかの書籍代まで疑われる原因になります
- 家族が読む本は経費にしない自分の事業のための支出だけが経費です
- 金額が突出していないか確認する売上に対して書籍代が極端に多いと、内容を確認されやすくなります
- ポイントで払った分の扱いに注意私用で貯めたポイントで払った場合は、支払った金額だけを経費にするのが無難です
- 記録は原則7年間保存する青色申告の場合、帳簿や領収書は原則7年間の保存が必要です
経費にできるかどうかは、事業の内容や本の使い道によって判断が分かれます。本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。迷う場合は、税務署の窓口や税理士などの専門家に相談してください。
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よくある質問(FAQ)
● 事業に関係する書籍代は「新聞図書費」で経費にできる。基準は事業との関係を説明できるか
● 電子書籍も同じ扱い。読み放題は按分し、講座は研修費、贈る本は接待交際費で処理する
● 領収書と「何の仕事に使ったか」のメモを残し、趣味の本や家族の本は混ぜない

