フリーランスと離職票|再就職手当と受給期間の特例、開業届を出す順番

フリーランスと離職票|失業手当・再就職手当の関係を解説

会社を辞めてフリーランスになるとき、「離職票はもらうべき?」と迷う人は多いはずです。結論から言えば、離職票は必ずもらっておきましょう。開業すると失業手当(基本手当)は原則受け取れませんが、離職票があれば、開業しても受け取れる「再就職手当」か、独立がうまくいかなかったときの保険になる「受給期間の特例」のどちらかを使えます。2つは併用できないため、どちらを選ぶかと、開業届を出すタイミングが大切です。離職票の受け取り方、2つの制度の違いと選び方、開業届を出す順番までまとめました。

目次

【結論】離職票は必ずもらい、開業届より先にハローワークへ

フリーランスになる人の離職票は、次の3点で考えます。

  1. 離職票は退職時に必ず依頼する本人が希望しないと発行されないことがあります(59歳以上は希望がなくても交付)。費用はかかりません
  2. 使える制度は2つ、どちらか1つ今すぐ一時金を受け取るなら再就職手当、独立に失敗したときの保険を優先するなら受給期間の特例です
  3. 開業届はハローワークの手続きのあとに出す先に開業届を出すと、どちらの制度も使えなくなることがあります

離職票を受け取らずに独立すると、何年も払ってきた雇用保険料のリターンを受け取れないままになりかねません。手続きは半日ほどで済むので、独立の準備に必ず入れておきましょう。

離職票の手続きは、独立前の準備のひとつです。お金や保険の手続きもあわせて、準備リストで漏れなく確認しておきましょう。

離職票とは?受け取るまでの流れ

正式名称雇用保険被保険者離職票
役割退職した事実と離職理由を証明し、雇用保険の給付の手続きに使う
発行の流れ会社が退職日の翌日から10日以内にハローワークへ届け出て、ハローワークが発行する
届くまでの目安退職から1〜2週間ほど。会社から郵送されることが多い
電子の受取マイナポータルと雇用保険の手続きを連携していれば、マイナポータルで受け取ることもできる
出典:厚生労働省・ハローワーク(2026年9月確認)
届かないときは会社に確認を

退職から2週間ほどたっても届かない場合は、まず会社に発行の状況を確認します。会社が手続きをしてくれないときは、住所地のハローワークに相談しましょう。

再就職手当と受給期間の特例の違い・選び方

項目再就職手当受給期間の特例
内容開業したときに、残りの給付日数に応じた一時金を受け取れる事業をやめて再就職を目指すとき、基本手当を受け取れる期間を延ばせる
受け取れる額支給日数の残りが3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%廃業後に、残っている基本手当を受け取れる
主な条件支給日数が3分の1以上残っている、1年以上続く見込みの事業である、待期の経過後に開業する事業を始めた日の翌日から2か月以内に申請する
延ばせる期間―本来の1年に事業を行った期間を加え、最大3年まで
向いている人最初の案件が決まっていて、独立後の資金を厚くしたい人独立がうまくいくか不安で、万一の保険を残したい人
出典:厚生労働省・ハローワーク(2026年9月確認)。条件の判断は個別に行われます
POINT|2つは併用できない

再就職手当を受け取ると、受給期間の特例は使えません。最初の案件が決まっていて事業が続く見込みが高いなら再就職手当、見通しに不安があるなら受給期間の特例という考え方で選びましょう。

失業手当はなぜ受け取れない?

基本手当は、就職する意思と能力があるのに仕事に就けない人を支える給付です。開業すると「就職した」と扱われるため、基本手当は受け取れません。開業の準備に専念している間も、すぐに就職する意思がないとみなされ、対象外になることがあります。

  • 自己都合退職の給付制限2025年4月から、自己都合で退職した場合の給付制限は原則1か月になりました
  • 教育訓練を受けた場合一定の教育訓練を受けた場合は、給付制限がなくなる仕組みもあります
  • 待期の7日間求職の申し込みから7日間は、どの退職理由でも給付されません

開業届を出すタイミングと手続きの順番

1

退職時に離職票の発行を依頼する

会社に「離職票が必要」と伝えます。

2

ハローワークで求職の申し込みをする

離職票を持って住所地のハローワークへ行き、受給資格の決定を受けます。独立の予定も相談します。

3

待期(と給付制限)が過ぎるのを待つ

再就職手当を受けるなら、待期7日間のあとに開業します。自己都合退職は、さらに1か月の給付制限が過ぎてからにします。

4

開業届を出し、制度を申請する

開業届の控えや契約書などを用意し、再就職手当か受給期間の特例のどちらかを申請します。特例は事業を始めた日の翌日から2か月以内です。

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスになるなら離職票はいりませんか?
Aもらっておきましょう。開業すると基本手当は受け取れませんが、離職票があれば、再就職手当か受給期間の特例のどちらかを使えます。
Q離職票はどうやってもらいますか?
A退職時に会社へ「離職票が必要」と伝えます。会社が退職日の翌日から10日以内にハローワークへ届け出て、発行された離職票が届きます。マイナポータルで受け取れる場合もあります。
Qフリーランスになると失業手当はもらえませんか?
A開業すると就職したと扱われるため、基本手当は原則として受け取れません。開業の準備に専念している間も対象外になることがあります。
Q再就職手当はいくらもらえますか?
A基本手当の支給日数の残りが3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%を、一時金として受け取れます。支給日数が3分の1以上残っていることが条件です。
Q受給期間の特例とは何ですか?
A離職後に事業を始めた人が、廃業して再就職を目指すときに基本手当を受け取れるよう、受給できる期間を延ばせる制度です。事業を始めた日の翌日から2か月以内に申請し、最大3年まで延ばせます。
Q再就職手当と受給期間の特例はどちらを選べばいいですか?
A最初の案件が決まっていて事業が続く見込みが高いなら再就職手当、独立の見通しに不安があるなら受給期間の特例が向いています。2つは併用できません。
Q開業届はいつ出せばいいですか?
Aハローワークで求職の申し込みをしてから出します。再就職手当を受けるなら待期7日間のあと、自己都合退職ならさらに1か月の給付制限が過ぎてから開業しましょう。
Q先に開業届を出してしまったらどうなりますか?
A求職の申し込みより前に開業していると、再就職手当も受給期間の特例も使えないことがあります。すでに出してしまった場合は、ハローワークに状況を相談しましょう。
Q離職票が届かないときはどうすればいいですか?
Aまず会社に発行の状況を確認します。会社が手続きをしてくれない場合は、住所地のハローワークに相談しましょう。
Q自己都合退職の給付制限はどのくらいですか?
A2025年4月から、原則として1か月になりました。一定の教育訓練を受けた場合は、給付制限がなくなる仕組みもあります。
条件の判断はハローワークで確認を

本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な情報です。再就職手当や受給期間の特例の条件は、個別の状況によって判断されます。開業届を出す前に、住所地のハローワークに相談してください。

この記事のまとめ

● 離職票は必ずもらう。開業すると基本手当は受けられないが、再就職手当か受給期間の特例を使える

● 事業が続く見込みなら再就職手当、失敗に備えるなら受給期間の特例。2つは併用できない

● 開業届はハローワークで求職の申し込みをしてから。待期と給付制限の後に開業する

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