フリーランス・個人事業主・法人の違い|関係と定義をわかりやすく解説

フリーランス・個人事業主・法人の違い|関係をわかりやすく解説

「フリーランス」「個人事業主」「法人」の違いがよく分からない、という人は多いはずです。結論から言えば、この3つは並べて比べるものではなく、フリーランスは「働き方」、個人事業主は「税務上の区分」、法人は「事業の器」を指す言葉です。そのため「フリーランスとして働く個人事業主」も「フリーランスとして働く1人法人の代表」も成り立ちます。実際に選ぶのは「開業届を出すか」と「法人にするか」の2つだけです。3つの関係、法律上の定義、似た言葉との違い、個人事業主と法人の比較、自分がどれに当たるかの目安までまとめました。

目次

【結論】「働き方」と「事業の器」の2つの軸で考える

3つの言葉は、次のように整理できます。

  1. フリーランスは「働き方」会社に雇われず、仕事ごとに契約して働くことを指します。手続きは不要で、名乗るだけでなれます
  2. 個人事業主は「税務上の区分」個人で継続して事業を行う人のことで、税務署に開業届を出して始めるのが一般的です
  3. 法人は「事業の器」登記によって法律上の人格を持った組織です。1人でも会社をつくれます

フリーランスという働き方の中に、個人事業主と法人という2つの器があると考えると分かりやすくなります。多くの人は個人事業主として始め、所得が増えてから法人化を検討します。

自分の立ち位置が分かったら、独立に向けた準備を進めましょう。手続きとお金の準備は、準備リストで確認できます。

用語何を表すか手続き
フリーランス組織に属さず、仕事ごとに契約して働く「働き方」不要(名乗るだけ)
個人事業主個人で継続して事業を行う「税務上の区分」税務署に開業届を出す
法人登記により法律上の人格を持った「組織」設立の登記(費用と時間がかかる)

法律上の定義と、似た言葉との違い

フリーランス新法での定義業務委託を受ける事業者で、従業員を使用しない個人、または代表者1人だけで従業員のいない法人(特定受託事業者)
個人事業主法律で明確に定義された言葉ではないが、税務上は個人で事業を行い、事業所得などを申告する人を指す
法人会社法などにもとづいて登記された組織。株式会社や合同会社などがある
出典:公正取引委員会・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法」、国税庁(2026年9月確認)
POINT|1人法人もフリーランス新法の対象

フリーランス新法では、従業員を使用しない個人だけでなく、代表者1人だけの法人も保護の対象になります。法人化しても、取引条件の明示や報酬の60日以内の支払いなどのルールで守られます。

似た言葉とは何が違う?

言葉意味フリーランスとの関係
自営業自分で事業を営むこと全般。店舗経営なども含むフリーランスより広い意味で使われる
一人親方建設業などで、従業員を雇わず1人で請け負う職人建設業のフリーランスの呼び方
業務委託仕事を外部に任せる契約の形フリーランスが結ぶ代表的な契約
副業本業のほかにする仕事会社員のまま副業で個人事業主になることもできる
フリーターアルバイトなどで雇われて働く人雇用契約なので、フリーランスとは違う

開業届は出すべき?

継続して事業として稼ぐなら、開業届は出しておくのがおすすめです。開業届を出すと、青色申告で最大65万円の控除を受ける土台ができ、屋号付きの口座もつくりやすくなります。出したことで税金が増えるわけではなく、罰則もありません。

個人事業主と法人の違い、どちらを選ぶか

項目個人事業主法人
始め方開業届を出すだけ(費用なし)登記が必要(合同会社で約6万〜10万円、株式会社で約18万〜25万円)
所得にかかる税金所得税(5〜45%の累進)+住民税10%法人税。中小法人は年800万円以下の部分15%
社会保険国民健康保険・国民年金健康保険・厚生年金(1人でも加入が必要)
赤字の繰り越し青色申告なら3年10年
申告確定申告決算と法人税の申告(税理士に依頼することが多い)
維持コストほとんどかからない赤字でも住民税の均等割(最低7万円程度)や税理士費用がかかる
出典:国税庁、中小企業庁、法務省(2026年9月確認)。15%は中小法人の特例で、2027年3月31日までに開始する事業年度が対象

自分はどちらを選べばいい?

  • これから独立する、所得がまだ少ない個人事業主として始めるのが一般的です。手続きが簡単で、維持コストもかかりません
  • 所得がおおむね800万〜900万円を超えてきた税金・社会保険料・維持コストを含めて、法人化を試算する価値があります
  • 法人でないと取引できない、人を雇う予定がある税負担に関係なく、法人化を検討する理由になります

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスと個人事業主は何が違いますか?
Aフリーランスは「働き方」、個人事業主は「税務上の区分」を指す言葉です。多くのフリーランスは税務上は個人事業主ですが、1人法人の代表としてフリーランスで働く人もいます。
Qフリーランスになるには手続きが必要ですか?
Aフリーランスという働き方自体には手続きは不要です。ただし事業として続けるなら、税務署に開業届を出して個人事業主として始めるのが一般的です。
Q開業届を出さないと個人事業主ではないのですか?
A事業を始めれば税務上は個人事業主として扱われ、所得の申告が必要です。開業届の期限は、事業を始めた年分の確定申告期限までです。
Q1人でも法人はつくれますか?
Aつくれます。従業員がいない1人法人でも設立でき、フリーランスとして働き続けられます。ただし健康保険と厚生年金への加入が必要になります。
Q法人化してもフリーランス新法で守られますか?
A代表者1人だけで従業員のいない法人は、フリーランス新法の対象です。取引条件の明示や報酬の60日以内の支払いなどのルールで守られます。
Q自営業とフリーランスは同じですか?
A重なる部分は多いですが、自営業は店舗経営なども含む広い意味で使われます。フリーランスは、特に仕事ごとに契約して専門的な仕事を請け負う働き方を指すことが多い言葉です。
Q会社員でも個人事業主になれますか?
Aなれます。副業として事業を続けるなら、開業届を出して個人事業主になれます。就業規則で副業が認められているかは、先に確認しましょう。
Q個人事業主と法人はどちらが得ですか?
A所得によって変わります。所得が少ないうちは個人事業主のほうが手続きも維持コストも軽く有利です。所得がおおむね800万〜900万円を超えたら、法人化の試算をしてみましょう。
Qフリーランスとフリーターは何が違いますか?
Aフリーターはアルバイトなどで雇用契約を結んで働く人で、フリーランスは業務委託などで事業者として仕事を請け負う人です。雇われているかどうかが違います。
Q個人事業主から法人に切り替えるのは大変ですか?
A会社の設立登記、税務署などへの届出、社会保険の加入、個人事業の廃業届、取引先との契約の切り替えが必要です。税理士や司法書士に依頼すれば、負担を減らせます。
この記事のまとめ

● フリーランスは働き方、個人事業主は税務上の区分、法人は事業の器。並べて比べるものではない

● フリーランス新法は従業員のいない個人と1人法人が対象。自営業・一人親方・フリーターとも意味が違う

● 多くの人は個人事業主で始め、所得800万〜900万円超で法人化を検討する

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