
フリーランスは国民年金だけなので、将来の年金が会社員より少なくなりがちです。その対策として最初に検討したいのが「付加年金」です。結論から言えば、月400円を上乗せするだけで、年金を受け取り始めてから2年で元が取れ、その後は一生涯プラスになるため、国民年金基金に入らない人はほぼ全員が申し込む価値があります。仕組み、損をするケース、iDeCoや国民年金基金との組み合わせ方、申し込み方法まで1ページにまとめました。
【結論】国民年金基金に入らないなら、付加年金はほぼ入り得
付加年金について押さえておくべきことは、次の3つです。
- 負担は月400円、増える年金は「200円×納付月数」40年納めると保険料は総額19.2万円、年金は毎年9.6万円増え、一生涯続きます
- 受け取り始めて2年で元が取れる3年目以降に受け取る分はすべてプラス。掛金は全額が社会保険料控除になります
- 国民年金基金とは併用できないiDeCoとは併用でき、付加保険料はiDeCoの上限の枠に含まれます
申し込めないのは、国民年金基金に加入している人、国民年金保険料の免除・納付猶予を受けている人などです。会社員(厚生年金の加入者)も対象外です。
金額は小さくても、利回りの高さと手間の少なさでは、老後の備えの中でも抜きん出た制度です。まず付加年金を固めたうえで、iDeCoや小規模企業共済で上乗せを考えるのが効率のよい順番です。
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付加年金とは?仕組みと対象者
国民年金保険料に月400円の付加保険料を上乗せして納めると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされる制度です。厚生年金のないフリーランスのための上乗せ制度の一つです。
| 付加保険料 | 月400円(国民年金保険料は2026年度で月1万7,920円) |
|---|---|
| 増える年金 | 年額200円×付加保険料を納めた月数。老齢基礎年金と一緒に一生涯受け取れる |
| 対象者 | 国民年金の第1号被保険者(フリーランス・自営業など)と任意加入被保険者 |
| 対象外 | 国民年金基金の加入者、保険料の免除・納付猶予を受けている人(産前産後の免除期間を除く)、第2号・第3号被保険者 |
| 税金 | 付加保険料は全額が社会保険料控除。受け取る付加年金は老齢基礎年金と同じく雑所得(公的年金等) |
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2年で元が取れる計算と、受け取れる総額
増える年金(200円×月数)は、払った保険料(400円×月数)のちょうど半分です。そのため納めた期間にかかわらず、受け取り始めて2年で元が取れます。
| 納付期間 | 払う保険料の総額 | 毎年増える年金 | 65歳から20年受け取った場合の総額 |
|---|---|---|---|
| 10年(120か月) | 4万8,000円 | 2万4,000円 | 48万円 |
| 20年(240か月) | 9万6,000円 | 4万8,000円 | 96万円 |
| 30年(360か月) | 14万4,000円 | 7万2,000円 | 144万円 |
| 40年(480か月) | 19万2,000円 | 9万6,000円 | 192万円 |
税金を含めるとさらに有利?
付加保険料は全額が社会保険料控除になるため、払う時点で税金も減ります。所得税10%・住民税10%の人なら、年4,800円の保険料で約960円の税金が減り、実質負担は年3,840円程度です。
繰上げ・繰下げ受給では?
付加年金も老齢基礎年金と同じ割合で増減します。1962年4月2日以降に生まれた人の場合、65歳より早く受け取る繰上げでは1か月につき0.4%減り、遅らせる繰下げでは1か月につき0.7%増えます(70歳まで繰り下げると42%増)。
付加年金のメリットとデメリット
メリットは?
- 利回りが高い毎年、払った総額の半分が戻る計算。2年で元が取れ、長生きするほど得をします
- 手間がほとんどない一度申し込めば国民年金保険料と一緒に納めるだけ。運用の判断はいりません
- いつでもやめられる辞退の申出をすれば、いつでも納付をやめられます
- 死亡一時金が増える付加保険料を3年以上納めていれば、遺族が受け取る死亡一時金に8,500円が加算されます
デメリットは?
- 物価の上昇に弱い付加年金の額は固定で、物価や賃金の変動に応じて増えません
- 受け取る前に亡くなると元が取れない受け取り始めて2年以内に亡くなった場合も、払った額を下回ります
- 増える額は大きくない40年納めても年9.6万円。老後の不足を埋めるには、iDeCoなどの上乗せも必要です
- 国民年金の保険料を払えない時期は使えない免除や納付猶予を受けている間は納付できません
国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済との組み合わせ方
| 制度 | 付加年金との併用 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国民年金基金 | できない | 口数を選んで年金を大きく増やせる。終身年金が中心で、途中で脱退できない |
| iDeCo | できる(上限の枠を共有) | 自分で運用する私的年金。掛金は全額所得控除、原則60歳まで引き出せない |
| 小規模企業共済 | できる(別枠) | 個人事業主の退職金制度。掛金は全額所得控除、廃業時などに受け取れる |
iDeCoと一緒に使うときの上限は?
フリーランスのiDeCoの上限は、付加保険料や国民年金基金の掛金と合わせた金額で決まります。iDeCoの掛金は1,000円単位のため、付加保険料400円を納めると、iDeCoに回せる額は1,000円減ります。
| 2026年11月分まで | 合算の上限は月6万8,000円→付加年金ありならiDeCoは月6万7,000円まで |
|---|---|
| 2026年12月分から | 合算の上限は月7万5,000円→付加年金ありならiDeCoは月7万4,000円まで |
どう組み合わせるのがいい?
基本形多くのフリーランスにおすすめ
終身年金重視長生きへの備えを厚くしたい人
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付加年金の申し込み方法と納め方
付加保険料の納付申出をする
マイナポータルから電子申請するか、住所地の市区町村の国民年金窓口・年金事務所に申し出ます。
申し出た月の分から納める
国民年金保険料と一緒に、月400円を上乗せして納めます。口座振替や前納もできます。
確定申告で社会保険料控除に入れる
毎年11月ごろに届く控除証明書には、付加保険料も含まれています。マイナポータルで電子の証明書も受け取れます。
付加年金は、申し出た月からが対象です。過去の月の分をあとから納めることはできないため、フリーランスになったら国民年金の加入手続きと同時に申し込むのがいちばん得です。
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よくある質問(FAQ)
本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な情報です。受け取れる年金額や制度の組み合わせ方は、加入期間や資金計画によって変わります。詳しくは年金事務所や、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に確認してください。
● 月400円で年金が「200円×月数」増え、受け取り始めて2年で元が取れる。掛金は全額控除
● 国民年金基金とは併用不可、iDeCoとは併用可。iDeCoの上限は付加年金ありで月1,000円下がる
● さかのぼれないので、フリーランスになったらすぐ申し込み、iDeCoや共済で上乗せする

