フリーランスの国民年金免除|種類・所得基準・申請方法・追納を解説

フリーランスの国民年金免除とは|種類・申請方法・追納を解説

独立直後で売上が安定しない、案件が途切れた——そんなときに負担が重いのが、月1万7,920円(2026年度)の国民年金保険料です。結論から言えば、払えないときは未納にせず、免除か納付猶予を申請するのが正解です。承認されれば未納扱いにならず、障害年金や遺族年金の保障も守られ、10年以内なら追納で年金を満額に近づけられます。免除の種類と所得の基準、申請の方法、追納の考え方まで、1ページで判断できるようにまとめました。

目次

【結論】払えない月は未納にせず、免除か納付猶予を申請する

国民年金の免除について押さえておくべきことは、次の3つです。

  1. 免除と未納はまったく違う免除なら受給資格期間に含まれ、全額免除でも年金額の半分が反映されます。障害年金や遺族年金の条件も満たせます
  2. 申請は2年1か月前までさかのぼれる払えなかった過去の月も、期限内なら免除の対象にできます
  3. 免除された分は10年以内に追納できる収入が戻ったら追納すれば、年金を満額に近づけられます。追納分も社会保険料控除の対象です

会社を辞めた人や廃業した人は、本人の前年の所得を除いて審査される特例があり、会社員時代の収入が高くても免除を受けられることがあります。

免除の審査には3〜4か月ほどかかることがあります。払えないと分かった時点ですぐに申請することが、将来の年金と保障を守るいちばんの近道です。

免除・納付猶予・未納の違い

項目免除納付猶予未納
対象所得が一定以下(年齢制限なし)50歳未満で所得が一定以下―
審査される人本人・配偶者・世帯主本人・配偶者(世帯主は審査されない)―
受給資格期間含まれる含まれる含まれない
年金額への反映一部反映される反映されない(追納で反映)反映されない
障害・遺族年金の納付要件満たす満たす満たさないおそれ
あとから払う10年以内に追納できる10年以内に追納できる2年を過ぎると払えない
出典:日本年金機構(2026年9月確認)

親と同居していて世帯主(親)の所得が高く、免除が通らない人は、世帯主が審査されない納付猶予を使えます。年金額には反映されませんが、受給資格期間と障害・遺族年金の保障は守られます。

免除の種類と所得の基準、年金額への影響

種類納める額(2026年度)年金額への反映前年所得の基準
全額免除0円2分の1(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円以下
4分の3免除4,480円8分の588万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等以下
半額免除8,960円8分の6128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等以下
4分の1免除1万3,440円8分の7168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等以下
納付猶予0円なし(追納で反映)全額免除と同じ(本人・配偶者のみ)
出典:日本年金機構(2026年9月確認)。反映割合は2009年4月以降の期間の場合。所得は確定申告書などの「所得」の金額で判定します

自分はどれに当たる?

例1独身で扶養親族なし、前年所得50万円→全額免除の基準(67万円)以下なので全額免除の対象
例2独身、前年所得100万円、社会保険料控除30万円→全額免除の基準は超えるが、4分の3免除の基準(88万円+30万円=118万円)以下なので4分の3免除の対象
注意配偶者と世帯主もそれぞれ基準以下である必要がある(納付猶予は本人と配偶者)
一部免除は残りを納めないと未納になる

4分の3・半額・4分の1免除が承認されたら、残りの保険料は必ず期限内に納めてください。納めないと、その期間は免除ではなく未納扱いになり、年金にも保障にも反映されません。

会社を辞めた人・廃業した人の特例と、そのほかの免除

  • 失業・廃業による特例免除退職や事業の廃止をした人は、本人の前年の所得を除いて審査されます。離職票や雇用保険受給資格者証、廃業届の控えなど、事実が分かる書類を添えて申請します
  • 産前産後の免除出産月の前月から4か月分(多胎は6か月分)。所得の条件はなく、年金額も減りません
  • 育児期間の免除(2026年10月から)1歳未満の子を育てる父母が対象。所得の条件はなく、年金額も減りません
  • 法定免除障害基礎年金(1・2級)を受けている人や生活保護の生活扶助を受けている人は、届け出れば全額免除になります

申請の方法と、追納するかどうかの判断

どうやって申請する?

1

申請書を用意する

「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を、日本年金機構のサイトや市区町村の窓口で入手します。マイナポータルから電子申請もできます。

2

必要な書類を添える

基礎年金番号が分かるもの、失業や廃業の特例を使う場合はその事実が分かる書類を添えます。

3

市区町村の窓口か年金事務所に出す

審査の結果は日本年金機構から届きます。決定までは3〜4か月ほどかかることがあります。

4

翌年度の継続を確認する

免除は7月から翌年6月までが1つの期間です。全額免除と納付猶予は、継続審査を希望すれば翌年度は申請を省略できます。

追納はしたほうがいい?

期限免除・猶予の承認を受けた月から10年以内
加算額承認を受けた年度の翌年度から数えて3年度目以降は、当時の保険料に加算額がつく
効果全額免除の1年分を追納すると、年金が年約1.1万円増える(受け取る間ずっと)
税金追納した保険料は、払った年の社会保険料控除の対象
順番原則として古い月から追納する。加算額がつく前の2年度以内に払うのが割安
※ 金額は2026年度の満額をもとにした概算

収入が戻って所得税率が高い年に追納すると、社会保険料控除の効果も大きくなります。一方で、手元資金に余裕がないうちは、追納より生活防衛資金の確保を優先しましょう。

免除中にできないこと・注意点

  • iDeCo・付加年金・国民年金基金に入れない免除や猶予を受けている間は、これらの上乗せ制度は原則使えません(産前産後免除などは例外あり)
  • 国民健康保険料の減免は別に申請する年金の免除とは別制度です。市区町村の国保窓口に相談します
  • 未納分がすでにある場合も相談する2年1か月前までなら、免除の申請でさかのぼって未納を解消できることがあります

よくある質問(FAQ)

Q国民年金を払えないときはどうすればいいですか?
A未納のままにせず、免除か納付猶予を申請してください。承認されれば未納扱いにならず、受給資格期間や障害・遺族年金の納付要件にも含まれます。申請は2年1か月前までさかのぼれます。
Q全額免除になる所得の目安はいくらですか?
A前年の所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下です。独身で扶養親族がいなければ67万円以下が目安で、配偶者と世帯主もそれぞれ基準以下である必要があります。
Q免除を受けると年金はいくら減りますか?
A全額免除の期間は、納めた場合の2分の1が年金額に反映されます。4分の3免除は8分の5、半額免除は8分の6、4分の1免除は8分の7です。全額免除1年分なら、年金は年約1.1万円少なくなります。
Q免除と納付猶予はどちらを選べばいいですか?
A審査は同時に行われ、免除の基準を満たせば免除になります。世帯主(親など)の所得が高く免除が通らない50歳未満の人は、世帯主が審査されない納付猶予を使えます。
Q会社員時代の収入が高くても免除を受けられますか?
A退職や廃業をした人は、失業等による特例免除で本人の前年の所得を除いて審査されます。離職票や廃業届の控えなど、事実が分かる書類を添えて申請します。
Q免除の申請はどこでできますか?
A住所地の市区町村の国民年金窓口、年金事務所、またはマイナポータルの電子申請でできます。決定までは3〜4か月ほどかかることがあります。
Q免除された保険料はあとから払えますか?
A10年以内なら追納できます。承認を受けた年度の翌年度から数えて3年度目以降は加算額がつくため、早めの追納が割安です。追納した保険料は社会保険料控除の対象です。
Q一部免除で残りを払わなかったらどうなりますか?
A残りの保険料を納めないと、その期間は未納扱いになり、年金額にも障害・遺族年金の要件にも反映されません。一部免除が承認されたら、残りは必ず期限内に納めましょう。
Q免除中にiDeCoは続けられますか?
A国民年金保険料の免除や納付猶予を受けている間は、原則としてiDeCoの掛金を拠出できません。付加年金や国民年金基金も同様です。すでにある資産の運用は続けられます。
Q免除は毎年申請が必要ですか?
A免除は7月から翌年6月までが1つの期間です。全額免除と納付猶予は、申請時に継続審査を希望すれば、翌年度以降は申請を省略できます。一部免除は毎年の申請が必要です。
個別の審査は年金事務所で確認を

本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な情報です。免除の可否は、本人・配偶者・世帯主の所得や事情によって個別に審査されます。具体的な手続きは、市区町村の国民年金窓口や年金事務所に確認してください。

この記事のまとめ

● 払えない月は未納にせず免除・猶予を申請。受給資格期間と障害・遺族年金の保障が守られる

● 全額免除は独身で前年所得67万円以下が目安。退職・廃業した人は本人の所得を除く特例がある

● 免除分は10年以内に追納でき、3年度目以降は加算額がつく。収入が戻ったら早めに追納する

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