
フリーランスになると、年金は厚生年金から国民年金に変わります。「毎月いくら払うのか」「将来いくらもらえるのか」は、独立するときに必ず確認しておきたい数字です。結論から言えば、2026年度の保険料は月1万7,920円で所得に関係なく一律、40年納めて受け取れる老齢基礎年金は月約7万円です。会社員だった期間があれば、その分の厚生年金も上乗せされます。払う額ともらえる額の計算方法、会社員との差、年金を増やす方法とその効果をまとめました。
【結論】払うのは月1万7,920円、もらえるのは満額で月約7万円
フリーランスの年金の金額は、次の3つで押さえます。
- 払う保険料は月1万7,920円(2026年度)所得や年齢に関係なく一律で、年21万5,040円。全額が社会保険料控除になります
- もらえる老齢基礎年金は満額で月7万608円40年(480か月)納めた場合。納めた月数に比例して決まります
- 会社員だった期間は厚生年金も受け取れる独立前に厚生年金に加入していた分は、報酬に応じた額が上乗せされます
国民年金だけで老後の生活費をまかなうのは難しいため、付加年金・iDeCo・小規模企業共済などで自分で上乗せすることが前提になります。
自分が将来いくらもらえるかは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、ねんきんネットで確認できます。まず自分の見込み額を知り、老後に足りない額を逆算するのが、無駄のない備え方です。
あわせて読みたい(老後資金の全体像)
フリーランスが払う年金はいくら?
| 年度 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 1万7,510円 | 21万120円 |
| 2026年度 | 1万7,920円 | 21万5,040円 |
| 2027年度 | 1万8,290円 | 21万9,480円 |
- 口座振替の前納で安くなる2年前納なら2026年度から2年間で1万7,370円の割引。早割(当月末の振替)でも月60円安くなります
- 全額が社会保険料控除になる所得税率10%の人なら、年21万5,040円の保険料で所得税と住民税が約4.3万円減ります
- 配偶者の分も必要なことがある会社員時代に扶養に入れていた60歳未満の配偶者も、第1号被保険者として保険料を払います
あわせて読みたい(払い方と手続き)
もらえる年金額の計算方法と、会社員との差
国民年金(老齢基礎年金)はどう計算する?
「満額×納めた月数÷480か月」で計算します。2026年度の満額は年84万7,300円(月7万608円)です。
| 納めた期間 | 年額(2026年度) | 月額 |
|---|---|---|
| 40年(480か月) | 約84.7万円 | 約7.1万円 |
| 35年 | 約74.1万円 | 約6.2万円 |
| 30年 | 約63.5万円 | 約5.3万円 |
| 25年 | 約53.0万円 | 約4.4万円 |
| 20年 | 約42.4万円 | 約3.5万円 |
会社員だった期間の厚生年金はいくら?
厚生年金(報酬比例部分)は「平均標準報酬額×5.481÷1,000×加入月数」で計算します(2003年4月以降の加入期間の場合)。
| 例 | 平均標準報酬額40万円で10年(120か月)会社員をしてから独立 |
|---|---|
| 厚生年金 | 40万円×5.481÷1,000×120か月=年約26.3万円 |
| 老齢基礎年金 | 会社員期間と合わせて40年納めていれば、年約84.7万円 |
| 合計 | 年約111万円(月約9.3万円) |
ずっと会社員だった人との差は?
| 働き方(40年) | 老齢基礎年金 | 厚生年金 | 合計(年額) |
|---|---|---|---|
| ずっとフリーランス | 約84.7万円 | なし | 約84.7万円 |
| 会社員10年+フリーランス30年 | 約84.7万円 | 約26.3万円 | 約111.0万円 |
| ずっと会社員(平均標準報酬額40万円) | 約84.7万円 | 約105.2万円 | 約190.0万円 |
ずっと会社員だった人とは、年100万円前後の差が生まれます。この差を、自分で上乗せする制度で埋めることになります。
あわせて読みたい(年金の保障)
未納・免除で年金はいくら減る?
| 未納1か月 | 年約1,765円減る(受け取る間ずっと) |
|---|---|
| 未納1年 | 年約2.1万円減る。20年受け取ると約42万円の差 |
| 全額免除1年 | 納めた場合の半分が反映され、年約1.1万円減にとどまる |
| 納付猶予1年 | 追納しなければ年約2.1万円減る(受給資格期間には含まれる) |
払えない月は未納にせず、免除か納付猶予を申請しましょう。免除なら年金の減り方が小さくなるうえ、障害年金や遺族年金を受け取る条件も満たせます。免除や猶予を受けた分は、10年以内なら追納して満額に近づけられます。
あわせて読みたい(払えないとき)
年金を増やす方法と、それぞれいくら増えるか
| 方法 | 増える額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 付加年金(月400円) | 40年納めると年9.6万円増(一生涯) | 2年で元が取れる。国民年金基金とは併用できない |
| 60〜65歳の任意加入 | 未納期間を埋めた分だけ増える(1年で年約2.1万円) | 40年に満たない人が満額に近づける |
| 繰下げ受給 | 70歳開始で42%増(満額なら年約120万円) | 1か月遅らせるごとに0.7%増。75歳まで可能 |
| iDeCo | 月2万円を25年、年3%で運用すると約890万円 | 掛金が全額所得控除。原則60歳まで引き出せない |
| 小規模企業共済 | 加入期間に応じて掛金の合計を上回る共済金も | 掛金が全額所得控除。個人事業主の退職金代わり |
| 国民年金基金 | 加入年齢と口数で決まる終身年金 | 掛金は全額社会保険料控除。途中で脱退できない |
付加年金は月400円で確実に増やせ、任意加入は未納を埋めるほど効果があります。そのうえで、税金を減らしながら積み立てられるiDeCoと小規模企業共済を、収入に応じて組み合わせるのが効率のよい順番です。
あわせて読みたい(上乗せの制度)
自分の年金見込み額を確認する方法
ねんきん定期便を見る
毎年誕生月に届きます。50歳以上は見込み額、50歳未満はこれまでの加入実績にもとづく額が書かれています。
ねんきんネットで試算する
マイナポータルと連携すると、今後の働き方や受け取り開始年齢を変えた場合の見込み額を試算できます。
未納がないか確認する
未納の月があれば、2年以内なら納付、免除や猶予の期間があれば10年以内の追納を検討します。
よくある質問(FAQ)
本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な情報で、金額は概算です。実際に受け取れる年金額は、加入期間や報酬、生年月日によって変わります。正確な見込み額は、ねんきんネットや年金事務所で確認してください。
● 払う保険料は2026年度で月1万7,920円、もらえる老齢基礎年金は満額で月7万608円
● 会社員だった期間は厚生年金が上乗せ。ずっと会社員だった人とは年100万円前後の差がある
● 未納は避けて免除を使い、付加年金・任意加入・iDeCo・小規模企業共済で上乗せする

