
「同じような仕事なのに、なぜ自分の単価は低いのか」——その差を生んでいるのが、案件の商流です。結論から言うと、手取りを増やしたいなら発注元の企業と直接つながる「エンド直案件」を、商流を公表しているエージェントから選ぶのが近道です。間に入る企業が増えるほど、それぞれのマージンが積み重なって手取りが目減りするためです。一方で、エンド直には自走力や責任の広さも求められます。この記事では、エンド直案件の仕組みと手取りへの影響、似た用語との違い、メリット・デメリット、見分け方と担当者への質問、エンド直に強いエージェントの比較、獲得するための準備までを、2026年9月時点の情報で1ページにまとめました。
【結論】エンド直案件を狙うなら何から始める?
結論:商流の浅さを公表しているエージェントを軸に2〜3社へ登録し、紹介された案件ごとに「間に何社入るか」を担当者に確認するところから始めましょう。エンド直案件とは、システムやサービスを発注する事業会社(エンド)と直接つながっている案件のことで、エージェント経由なら「エンド⇄エージェント⇄自分」が最も浅い形です。
エージェント選びでは、直請け100%を2021年から続けていると公表するcoconalaテック、直案件比率90%以上を掲げるROSCA freelance、エンド/SIer直案件が約70%と公表するMidworksなど、商流の情報を出している会社が比べやすい候補です。案件数の多い大手を1社加えると、同じ条件の案件で単価と商流を見比べられます。
- エンド直案件とは、発注元の事業会社と直接つながる案件。エージェント1社だけを挟む形も、エージェント経由では最も浅い商流にあたる
- 間に入る企業が1社増えるごとにマージンが重なる。仮に中間の2社が15%ずつ引くと、それだけでエンドの予算の約72%に目減りする
- エンド直は単価の「天井」を上げる一方、自走力と責任の広さが求められる。経験が浅い段階では、商流の浅い案件で実績を積むのが先
- 見分ける最も確実な方法は、「エンド企業はどこか」「何次請けか」「面談に誰が出るか」「契約の当事者はどこか」の4点を担当者に聞くこと
エンド直案件とは?商流の仕組みと手取りへの影響
結論:エンド直案件とは、システムやサービスを実際に発注する事業会社(エンドクライアント)と直接つながっている案件のことで、「直請け案件」「エンド直請け」とも呼ばれます。フリーランス本人が直接契約する場合と、エージェントがエンドと直接契約して自分に業務を委託する場合の2つがあり、エージェント経由なら後者が最も浅い商流です。
「エンド」とは発注元の事業会社のこと
IT業界では、お金を出して開発を発注する側の企業を「エンドクライアント」「エンドユーザー」と呼びます。自社サービスを運営する事業会社や、業務システムを導入する一般企業がこれにあたります。このエンドと直接つながっている状態が「エンド直」です。
「元請け直」「プライム」「直案件」とは何が違う?
結論:どれも商流の浅さを表す言葉ですが、「誰と直接つながっているか」が違います。案件票の表記は会社ごとに定義が揺れるため、言葉だけで判断せず、下の表の意味を前提に担当者へ確認しましょう。
| 表記 | 一般的な意味 | エンドとの距離 |
|---|---|---|
| エンド直 | エンド企業と直接契約している案件 | 最も近い |
| プライム案件 | エンドから直接受注した元請けの立場の案件。主にSIer側の用語 | 近い(元請けとして参画) |
| 元請け直(SIer直) | エンドから受注した元請け企業と直接契約している案件 | 間に1社 |
| 直案件・直請け | 「他の仲介会社を挟まない」という意味で使われることが多い。エンド直と元請け直の両方を含む場合がある | 会社により異なる |
| 二次請け以降 | 元請けから再委託を受けた企業のさらに先で契約する案件 | 間に2社以上 |
※用語の定義は法令で決まっているものではなく、業界での一般的な使われ方を編集部が整理したものです。
多重下請け構造とエンド直の違い
日本のIT業界では、発注元から実際に手を動かす人まで、複数の企業を経由する構造が珍しくありません。エンドから元請けのSIer、SIerから二次請けの会社、さらに別の会社へと再委託され、最終的にフリーランスへ届く——という流れです。経由する企業が増えるほど、それぞれの企業が手数料(マージン)を差し引くため、エンドが支払った予算と自分の報酬の差は大きくなります。
| 商流の段階 | 契約の流れ | 手取りへの影響 |
|---|---|---|
| 直接契約 | エンド ⇄ 自分 | 中間マージンなし。ただし営業・契約・請求はすべて自分で担う |
| エージェント経由のエンド直 | エンド ⇄ エージェント ⇄ 自分 | マージンはエージェント1社分。エージェント利用時に最も浅い商流 |
| 元請け経由 | エンド ⇄ 元請けSIer ⇄ エージェント ⇄ 自分 | 2社分のマージンが重なる |
| 多重下請け | エンド ⇄ 元請け ⇄ 二次請け ⇄ エージェント ⇄ 自分 | 3社以上のマージンが重なり、手取りが目減りしやすい |
商流が1段深くなると手取りはいくら減る?
結論:想像以上に減ります。エンド企業が月100万円を支払う案件で、中間の企業がそれぞれ15%、エージェントが20%を差し引くと仮定して計算しました。
| 商流 | 計算 | 自分に届く金額(月) | エンド直との差(月) |
|---|---|---|---|
| エージェント経由のエンド直 | 100万円×0.8 | 80.0万円 | — |
| 元請け経由 | 100万円×0.85×0.8 | 68.0万円 | −12.0万円 |
| 多重下請け(二次請けまで) | 100万円×0.85×0.85×0.8 | 約57.8万円 | 約−22.2万円 |
※仕組みを説明するための仮定の数値で、実在の案件・企業のマージン率ではありません。実際のマージン率は企業・案件によって異なります。
同じエンドの予算でも、商流が2段深いだけで月20万円以上、年間では260万円を超える差になる計算です。エージェント自体のマージン率の差より、商流の深さの方が手取りに大きく効くことがあると分かります。
エージェントが差し引くマージンの相場や、非公開の会社が多い理由、手取りの計算方法はフリーランスエージェントのマージン率の相場と手取りの考え方で詳しく解説しています。エンド直でもマージン率が高ければ手取りは伸びにくいため、「商流の深さ」と「1社あたりのマージン」はセットで確認しましょう。なお、エージェント1社だけを挟む「エンド直」であれば、エージェントを使っていても商流は十分に浅い状態です。
エンド直案件の4つのメリット
結論:エンド直案件のメリットは「手取り」「意思決定者との距離」「上流工程」「継続性」の4つです。単価だけでなく、仕事の進めやすさやキャリアにも効いてきます。
① 中間マージンが減り単価が上がりやすい
最大のメリットは報酬面です。間に入る企業が減れば、その分だけエンドの予算が自分に回りやすくなります。前述の試算のとおり、同じスキル・同じ稼働時間でも、商流の深さだけで月の手取りが十数万円以上変わることがあります。
② 意思決定者と直接話せる
商流が深いと、仕様の確認ひとつにも伝言ゲームが発生します。エンド直なら開発の目的や優先順位を決める人と直接やり取りできるため、認識のズレによる手戻りが起きにくく、仕事の進めやすさが大きく変わります。「なぜこの機能が必要なのか」という背景まで理解したうえで提案できるのは、直接つながっているからこそです。
③ 上流工程や裁量の大きい仕事に関われる
下請け構造の末端では、決まった仕様どおりに実装する役割に限定されがちです。一方エンド直では、要件定義や技術選定といった上流工程に関わる機会が増えます。フリーランスボードが2026年8月7日時点の掲載案件を集計したデータでは、全体の月額平均単価75.2万円に対し、PMOは91.2万円、プロジェクトマネージャーは90.5万円でした。上流の経験はそのまま単価の伸びしろになります。
出典:フリーランスボード「【2026年8月】フリーランス案件の単価における市場動向」(2026年8月7日時点・596,076件を集計、2026年8月18日公開)
④ 継続や契約更新につながりやすい
エンドから見れば、事業やプロダクトを理解している人材は手放したくない存在です。信頼関係を直接築けるため、契約更新や次の案件の相談につながりやすく、結果として案件が途切れにくくなります。
エンド直案件のデメリットと注意点
結論:エンド直案件は「求められるスキルが上がる」「責任範囲が広がる」「必ずしも高単価ではない」の3点に注意が必要です。ここを理解せずに飛びつくと、単価が上がっても消耗するだけになりかねません。
求められるスキル・経験のハードルが上がる
エンドが直接つながる相手には、指示待ちではなく自走できる人材であることが期待されます。要件の曖昧さを自分で埋めながら進める力や、技術的な判断を任される場面も増えます。実務経験が浅い段階では、選考を通過しにくいのが実情です。
責任範囲が広くなりやすい
間に会社が入っている場合、トラブル対応や仕様調整の一部はその会社が引き受けてくれます。エンド直では、それらを自分で処理する場面が増えます。単価の高さは、引き受ける責任の大きさとセットだと考えておきましょう。
「エンド直=必ず高単価」ではない
商流が浅くても、エンドの予算そのものが小さければ単価は上がりません。スタートアップや小規模事業者の直案件では、大手SIerの二次請けより低い提示になることもあります。商流の浅さは単価の「天井」を上げる要素であって、単価そのものを保証するものではありません。
自力で直接契約する場合のリスク
エージェントを介さず自分で直接契約を取りに行く方法もありますが、その場合は営業・契約交渉・請求管理・トラブル対応をすべて自分で担うことになります。フリーランス協会の「フリーランス白書2026」では、フリーランス法の施行後に取引先の法律違反だと感じたことがある人が28.5%いました。間に入る会社がいない分、取引条件は自分で守る必要があります。
出典:一般社団法人フリーランス協会「フリーランス白書2026」(2026年6月9日公開・調査期間2025年11月)
直接契約では、業務範囲・検収条件・支払期日・契約解除の条件などを契約書で明確にしておくことが不可欠です。2024年11月1日施行のフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注事業者に取引条件の明示が義務付けられ、一定の発注事業者は報酬の支払期日を原則として給付を受け取った日から60日以内に定めることとされています。再委託の場合は、一定の条件のもとで元の発注の支払期日から30日以内とする例外もあります。
また、6か月以上の継続的な業務委託を途中で解除したり更新しなかったりする場合、発注事業者には原則として30日前までの予告が求められます。個別の判断が必要な場合は、契約前に弁護士などの専門家や、国の相談窓口「フリーランス・トラブル110番」に相談してください。
エンド直案件かどうかを見分ける方法
結論:最も確実なのは、担当者に商流を直接質問することです。商流は案件票に明記されないことも多いため、自分から確認しにいく姿勢が重要です。
担当者にどう質問すればいい?
次の4つを聞けば、商流の深さはほぼ判断できます。質問すること自体は失礼ではなく、むしろ商流を意識している人材として評価されることもあります。
- 「エンド企業はどこですか?(業種・事業内容だけでも)」:発注元が特定できるかを確認します
- 「エンドから見て何次請けの案件ですか?」:間に入る企業の数を確認します
- 「面談にはどの会社の誰が参加しますか?」:エンドの担当者が出てくるかを確認します
- 「契約書の当事者はどこになりますか?」:自分が契約する相手と、その先の契約関係を確認します
回答からどう判断する?
結論:答えが具体的なほど商流は浅く、曖昧なほど深い可能性が高いと考えます。代表的な回答と判断の目安は次のとおりです。
| 担当者の回答 | 考えられる商流 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 「当社がエンドの〇〇社と直接契約しています」 | エンド直 | 業務範囲と責任の線引きを確認して応募を検討 |
| 「元請けのSIerと当社が契約しています」 | 元請け直(間に1社) | 提示単価が相場と比べて妥当かを確認 |
| 「パートナー企業経由の案件です」 | 二次請け以降の可能性 | パートナー企業の先に何社あるかを追加で質問 |
| 「お伝えできません」「確認します」のまま回答がない | 不明(深い可能性を考慮) | 同条件の案件を他社でも探し、比較してから判断 |
※守秘義務でエンド企業名を開示できない場合もあります。その場合も「業種」と「何次請けか」は確認できることが多いため、社名以外の情報を聞きましょう。
案件情報から推測する
企業名が具体的に開示されている、事業内容やプロダクトの説明が詳しい、開発体制が明記されている——こうした情報の解像度が高い案件は、商流が浅い傾向があります。逆に次のような特徴が重なる場合は、間に企業が入っている可能性を考えておきましょう。
- 「大手企業の案件」「業界大手のプロジェクト」など、発注元の説明が抽象的なまま
- 同じ内容の案件が、複数のエージェントに少しずつ違う単価で掲載されている
- 面談の回数が多く、毎回違う会社の担当者が出てくる
- 作業場所や指示を出す人について、「現場に合わせて」としか説明がない
面談の参加者を確認する
商談や面談の場に、エンドの現場責任者や意思決定者が出てくるかどうかも手がかりです。中間会社の営業担当だけが同席し、エンドの担当者が最後まで出てこない場合は、商流が深い可能性があります。
エンド直案件に強いエージェントの選び方と比較
結論:自力で直接営業するのが難しい場合でも、エンド直・直請け案件を多く扱うエージェントを選べば、営業の手間をかけずに商流の浅い案件へ届きます。選ぶ際の軸は次の4つです。
- エンド直・直請けの取り扱いを明示しているか:公式サイトで直請け案件の比率や方針を公開している会社は、商流に対する意識が高い傾向があります
- マージンの仕組みが分かるか:手数料を開示している会社は報酬構造の透明性が高く、手取りの計算がしやすくなります
- 案件情報の解像度が高いか:企業名や開発体制まで具体的に共有してくれるかどうかは、そのまま商流の浅さに関係します
- 担当者が商流の質問に答えられるか:登録面談の段階で確認しておけば、参画前にミスマッチを避けられます
商流の情報を公表しているエージェントの比較
| エージェント | 商流について公表されている内容 | マージン | 支払いサイト |
|---|---|---|---|
| coconalaテック | 直請け100%(2021年から継続と公表) | 非公開 | 通常15日(先払い・即日払いにも対応) |
| ROSCA freelance | 直案件比率90%以上 | 一律15万円(税別) | 非公開 |
| Midworks | エンド/SIer直案件が約70% | 非公開 | 20日 |
| ギークスジョブ | エンド直請けの高単価案件を多数保有 | 非公開 | 25日(月末締め翌月25日) |
| クラウドワークス テック | 直請け案件も充実 | 非公開 | 15日 |
| レバテックフリーランス | 企業との直接取引によるマージン抑制 | 非公開 | 15日(月末締め翌月15日) |
| PE-BANK | 直請け案件を豊富に扱うと案内 | 8〜12%(公開・利用回数に応じて低下) | 約40日(翌々月10日) |
※各社の公式サイト・公開資料、案件検索サイトに掲載されたサービス情報を2026年9月に編集部が確認。「直請け」「直案件」の定義は各社で異なり、Midworksの約70%はSIerからの直接受注を含みます。同じエージェントでも案件ごとに商流は変わるため、個々の案件は担当者に確認してください。
目的別にどこから登録する?
結論:「商流を公表している会社」を1社、「案件の母数が多い会社」を1社の組み合わせを基本にします。目的に近い行から選んでください。
| あなたの目的 | 最初に登録 | 選ぶ理由 | 併用候補 |
|---|---|---|---|
| 中間業者を挟まない案件だけを見たい | coconalaテック | 直請け100%を公表 | ROSCA freelance |
| エンド直で手取り率も上げたい | ROSCA freelance | 直案件比率90%以上、マージン一律15万円(税別) | PE-BANK |
| 商流と収入の安定を両立したい | Midworks | エンド/SIer直約70%、案件が途切れたときの保障制度(審査・条件あり) | クラウドワークス テック |
| エンド直で高単価を狙いたい | ギークスジョブ | エンド直請けの高単価案件を多数保有と案内 | レバテックフリーランス |
| 案件の母数を確保しつつ比べたい | レバテックフリーランス | 案件数が多く、同条件の案件を比べやすい | coconalaテック |
※編集部による組み合わせの目安です。各社の条件は変わることがあるため、最新情報は登録時に確認してください。
複数登録して同条件の案件を比較する
最も現実的で効果が高いのが、2〜3社に登録して同じような条件の案件で単価と商流を見比べる方法です。同種の案件でも、エージェントによって商流の深さと提示単価は変わります。同じ案件を複数社から紹介されたときは、商流が浅く提示単価の高い方から1社だけで応募しましょう。
直請け案件の取り扱い・マージンの透明性からエージェントを比較する 商流・マージン・支払いサイトを一覧でチェック ›エンド直案件を獲得するための準備
結論:エンド直案件は競争率が高く、「任せても大丈夫だ」と思ってもらえる材料を揃えることが獲得の鍵です。自分の段階に合った狙い方を決めたうえで、スキルシート・上流経験・コミュニケーション・実績の4つを準備しましょう。
自分の段階ではエンド直を狙うべき?
| 今の段階 | 狙い方 | 優先すること |
|---|---|---|
| 実務経験が浅い・独立したばかり | 参画しやすい案件を優先し、エンド直は無理に狙わない | 現場での評価と、説明できる実績づくり |
| 一通りの実装を自走できる | 元請け直・エンド直を中心に応募 | 同条件の案件で商流と単価を比較する |
| 要件定義や技術選定の経験がある | エンド直を軸に、上流工程の案件を狙う | 更新時の単価交渉と、上流経験の言語化 |
※編集部による目安です。必要な経験は案件によって異なります。
スキルシートで自走できることを示す
技術の一覧を並べるだけでは、エンドの判断材料になりません。どんな課題に対して、自分がどう判断し、何を改善したのかを書き添えましょう。仕様の曖昧さを自分で埋めた経験や、チーム内で調整役を担った経験は、エンド直の場面で特に評価されます。
上流工程の経験を言語化する
要件定義への参加、技術選定の提案、非エンジニアとの折衝など、コードを書く以外の関わりを整理しておきます。実装だけでなく意思決定に関与した経験があるかどうかが、エンド直で任される範囲を左右します。
コミュニケーション面の評価を高める
エンド直では、事業側の人と直接やり取りする機会が増えます。技術的な内容を専門外の人にも伝わる言葉で説明できるか、報告や相談を先回りできるか——こうした点は面談の受け答えからも判断されます。
まずは商流の浅い案件で実績を積む
経験が浅い段階でいきなりエンド直を狙うより、参画しやすい案件で実績とクライアントからの評価を積み上げる方が確実です。現場で信頼を得られれば、次の契約でより浅い商流の案件を紹介される流れをつくれます。更新のタイミングでは、実績をもとに単価交渉もしましょう。
エンド直案件に関するよくある質問
結論:エンド直案件について特に多い7つの疑問に、判断の基準がわかる形で回答します。
Q. 経験が浅くてもエンド直案件は狙えますか?
狙えないわけではありませんが、優先度は下げた方が現実的です。エンド直は自走力を前提とする案件が多く、実務経験が浅い段階では選考のハードルが高くなります。まずは参画しやすい案件で経験を積み、段階的に商流の浅い案件へ移っていく進め方をおすすめします(経験が浅い人のエージェント活用法)。
Q. エージェント経由のエンド直と、自分で直接契約するのは何が違いますか?
エージェント経由の場合は1社分のマージンが発生する代わりに、営業・単価交渉・契約手続き・トラブル時の仲介を任せられます。完全な直接契約は手取りが最大化する一方、そのすべてを自分で担います。フリーランス協会「フリーランス白書2026」でも、最も稼げる仕事の獲得経路は1位「人脈」、2位「過去・現在の取引先」、3位「エージェントサービス」でした。人脈が育つまではエージェント経由のエンド直、人脈ができたら直接契約と併用という考え方が現実的です。
Q. 「直案件」と書かれていれば、エンド直ですか?
必ずしもそうではありません。「直案件」「直請け」は、エンド直と元請け直の両方を含む意味で使われることがあります。たとえばMidworksが公表する約70%も、エンド企業またはSIerからの直接受注を合わせた数字です。表記を見たら「エンドとの間に何社入るか」を担当者に確認するのが確実です。
Q. エンド直案件はリモート可の割合が高いですか?
一概には言えません。リモートの可否は商流よりも、エンド企業の方針や案件の性質に左右されます。市場全体でも、2026年8月7日時点のIT案件はフルリモート23.3%・一部リモート52.5%・常駐24.2%でした(フリーランスボード調べ)。自社サービス系の企業ではリモート可の案件が比較的見つかりやすいものの、条件は案件ごとに確認しましょう(フルリモート案件に強いエージェント比較)。
Q. 常駐先がエンド企業なら、それはエンド直ですか?
働く場所と契約上の商流は別物です。エンド企業のオフィスに常駐していても、契約が複数社を経由していれば商流は深いままです。判断すべきは常駐先ではなく契約の経路です。なお業務委託(準委任)では、発注者から細かな指揮命令を受ける働き方は本来想定されていないため、指示系統に違和感がある場合は契約形態もあわせて確認しましょう(準委任と請負の違い)。
Q. 参画中の案件を、商流の浅い別のエージェント経由に切り替えられますか?
契約期間の途中で切り替えることは、原則としてできません。契約書に、紹介先との直接契約や他社経由での参画を制限する条項が入っていることも多いためです。商流を見直すのは、今の契約が満了したあとの次の案件からが基本です。動く前に条文を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
Q. 商流が深い案件は避けるべきですか?
必ずしもそうではありません。経験を積みたい段階では受注のしやすさが優先されますし、技術的に魅力のある案件が下位の商流にあることもあります。大切なのは、商流を理解したうえで納得して選んでいる状態にすることです。
まとめ:エンド直案件は「商流を聞く習慣」と「エージェント選び」で近づける
結論:エンド直案件を獲得する近道は、商流を公表しているエージェントを選び、案件ごとに「間に何社入るか」を必ず確認することです。そのうえで、自分の経験に見合った商流と責任範囲の案件を選びましょう。
- エンド直案件とは発注元の事業会社と直接つながる案件。エージェント経由なら「エンド⇄エージェント⇄自分」が最も浅い商流
- 「直案件」「直請け」は元請け直を含むことがある。表記ではなく、間に入る会社の数で判断する
- 中間の企業が増えるほどマージンが重なる。仮定の試算では、エンド直80万円に対し二次請け経由は約57.8万円
- メリットは手取り・意思決定者との距離・上流工程・継続性。デメリットは求められるスキルと責任の広さで、「エンド直=必ず高単価」ではない
- 見分けるには「エンド企業」「何次請けか」「面談の参加者」「契約の当事者」を担当者に質問し、回答の具体性で判断する
- 直請け100%のcoconalaテック、直案件比率90%以上のROSCA freelance、エンド/SIer直約70%のMidworksなどを2〜3社併用して比べる

