
会社を辞めてフリーランスになるとき、「離職票はもらうべき?」「フリーランスでも失業手当は受け取れる?」と迷う人は多いはずです。結論から言うと、フリーランス(個人事業主)として開業すると、原則として失業手当(基本手当)は受け取れません。ただし、条件を満たせば「再就職手当」を受け取れる場合があり、独立に挑戦する人向けの特例もあります。この記事では、離職票の役割と失業保険の関係、2025年改正のポイントまで整理します。
離職票とは?フリーランスになるときの役割
離職票(雇用保険被保険者離職票)は、会社を退職したことを証明し、失業給付の手続きに使う書類です。退職後に勤務先がハローワークで手続きを行い、その後あなたに交付されます。
フリーランスになる予定でも、離職票は受け取っておくのがおすすめです。後述の再就職手当や、独立を断念したときの備え、国民健康保険料の軽減手続きなどで役立つ場面があるためです。退職時に「離職票が必要」と会社へ伝え、発行を依頼しておきましょう。
フリーランスは失業手当を原則受け取れない
失業手当(基本手当)は、「就職する意思と能力があるのに職に就けない=失業状態」の人を支える制度です。そのため、フリーランスとして開業届を出すと「就職した」とみなされ、基本手当は受け取れません。
会社在籍中から副業でフリーランスの仕事をしていて、退職後もそのまま継続している場合は、「失業状態」とみなされず、失業手当も再就職手当も受け取れない可能性があります。また、手続き直後の7日間(待期期間)中に開業届を出すと、就職扱いとなり給付の対象外になります。
再就職手当なら開業しても受け取れる場合がある
「フリーランスは失業保険と無縁」と思われがちですが、一定の手続きと要件を満たせば、開業した場合でも「再就職手当」を受け取れることがあります。再就職手当は、失業給付の受給資格がある人が早期に再就職・開業した場合に支給される手当です。
開業で再就職手当を受け取る大まかな流れ
- 離職票を持ってハローワークで求職の申し込みをする
- 7日間の待期期間を過ごす(この間の開業はNG)
- 雇用保険の説明会・求職活動などを行い、失業認定を受ける
- 所定の期間が経過したあとに開業届を提出して事業を開始する
- 受領印のある開業届を持参し、ハローワークで再就職手当を申請する
- 審査をクリアすると受給できる
再就職手当には、支給残日数が一定以上残っていることなど細かい要件があり、開業のタイミングによって受給の可否が変わります。受給を考える場合は、自己判断で開業届を出す前に、必ず管轄のハローワークで要件とタイミングを確認しましょう。
離職票の受け取り・提出の手続きと注意点
- 離職票は会社が発行する。退職時に発行を依頼し、空白期間ができないよう受け取りを確認する
- 受け取ったら、求職の意思がある場合はハローワークに提出して手続きする
- 自己都合か会社都合かで給付制限の有無が変わるため、離職理由の記載を確認する
- 離職票は失業給付以外に、国民健康保険料の軽減などに使える場合がある
独立するつもりでも、状況が変わって就職活動に切り替える可能性はあります。離職票は受け取っておいて損はありません。
2025年4月改正|自己都合退職の給付制限が短縮
2025年4月の雇用保険制度の改正により、自己都合で退職した場合の給付制限期間が、原則2か月から1か月に短縮されました。これにより、離職後の生活支援がより早く受けられるようになっています。
- 自己都合退職の給付制限は、待期7日に加えて原則1か月(改正前は2か月)
- 5年以内に3回以上の自己都合退職は、給付制限が3か月になる
- 離職期間中などに所定の教育訓練を受けた場合、給付制限が解除される特例もある
これは主に再就職を目指す人向けの制度ですが、独立前にいったん求職手続きをする場合などに関係します。制度は今後も変わる可能性があるため、最新の内容はハローワークや厚生労働省の情報で確認してください。
独立に挑戦する人向けの受給期間延長の特例
「独立してみたいけれど、うまくいかなかったときが不安」という人のために、事業を開始した受給資格者が、基本手当の受給機会を一定期間残しておける特例があります。
この特例を使うと、事業を始めたあとに万一その事業を続けられなくなった場合に備えて、基本手当の受給期間を延長しておけます。独立にチャレンジしつつ、ダメだったときの保険を残せるのがメリットです。一方で、当面の現金がすぐ必要な場合は、通常どおり基本手当を受給したほうがよいケースもあります。利用要件や手続きはハローワークで確認しましょう。
まとめ|離職票は念のため受け取っておく
離職票は退職を証明し、失業給付の手続きに使う書類です。フリーランスとして開業すると失業手当(基本手当)は原則受け取れませんが、手続きと要件を満たせば再就職手当を受け取れる場合があります。2025年4月の改正で自己都合退職の給付制限は原則1か月に短縮。独立に挑戦する人向けの受給期間延長の特例もあります。離職票は念のため受け取り、受給を考えるなら開業届のタイミングを含めて必ずハローワークに確認しましょう。
手続きの見通しが立ったら、次は独立後の収入の柱を作る段階です。安定して案件を確保したい方は、自分のスキルや希望に合うサービスを比較して案件探しを始めてみてください。

