フリーランスの配偶者控除|条件と控除額をわかりやすく解説

フリーランス 配偶者控除

「フリーランスでも配偶者控除は受けられるの?」「配偶者をフリーランスとして扶養に入れたいけど、いくらまで?」——配偶者控除は会社員のイメージが強いですが、フリーランス(個人事業主)にも大きく関わります。しかもフリーランスは給与所得者と判定の仕方が違ううえ、2025年(令和7年)の税制改正で金額の基準も変わりました。この記事では、フリーランスが配偶者控除を受ける場合・受けられる側になる場合の両面から、条件・控除額・手続きを改正後の最新ルールで解説します。

配偶者控除とは?フリーランスにも関係する仕組み

配偶者控除とは、一定の所得以下の配偶者がいる場合に、扶養する側(納税者本人)の所得から一定額を差し引ける所得控除です。控除を受けるのは「配偶者を養う側」であって、扶養される配偶者ではない点がまず重要です。

フリーランスは、この制度に2つの立場で関わります。

  1. フリーランスが控除を受ける側|自分が稼ぎ手で、所得の低い配偶者を扶養している → 確定申告で配偶者控除を申告できる
  2. フリーランスが控除対象になる側|自分の所得が低く、配偶者(会社員など)の扶養に入る → 配偶者が配偶者控除を受けられる
📌 POINT

会社員のパートは「給与収入103万円(2025年改正後は123万円)」で語られますが、フリーランスは給与ではないため、配偶者控除の判定は「合計所得金額」で行います。売上の額ではなく、経費などを引いたあとの所得で見るのがポイントです。

フリーランスが配偶者控除を受けるための条件

配偶者控除の適用を受けるには、その年の12月31日時点で、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 民法上の配偶者であること(内縁・事実婚は対象外)
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 配偶者の合計所得金額が58万円以下であること(2025年改正後/改正前は48万円)
  • 配偶者が青色申告者の事業専従者として給与を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと
  • 控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
⚠️ 注意

配偶者を青色事業専従者にして専従者給与を支払っている場合、その配偶者は配偶者控除の対象にできません。専従者給与と配偶者控除は併用できないため、どちらが有利かを比較して選ぶ必要があります。

配偶者控除の控除額|納税者の所得で3段階

配偶者控除の金額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額によって3段階に分かれます。控除額そのものは2025年の改正後も変わっていません(配偶者の所得要件のみ58万円に引き上げ)。

納税者本人の合計所得金額 配偶者控除額 老人控除対象配偶者(70歳以上)
900万円以下 38万円 48万円
900万円超〜950万円以下 26万円 32万円
950万円超〜1,000万円以下 13万円 16万円
1,000万円超 対象外 対象外

配偶者控除と配偶者特別控除の違い・早見表

配偶者の合計所得金額が58万円を超えると配偶者控除は受けられませんが、いきなり控除がゼロになるわけではありません。58万円を超えても、配偶者特別控除によって段階的に控除が受けられます

配偶者特別控除の早見表(納税者本人の合計所得900万円以下の場合)

配偶者(フリーランス)の合計所得金額 控除区分・控除額
58万円以下 配偶者控除:38万円
58万円超〜95万円以下 配偶者特別控除:38万円(満額)
95万円超〜133万円以下 配偶者特別控除:段階的に減少
133万円超 対象外

2025年の改正で、配偶者特別控除を満額(38万円)受けられる上限が、給与収入換算で150万円から160万円(合計所得で95万円)に引き上げられました。納税者本人の合計所得が900万円を超える場合は、上の控除額がさらに減額されます。

⚠️ 注意

95万円超〜133万円以下の控除額は、所得に応じて細かく刻まれています。正確な控除額は、国税庁が公表する「配偶者特別控除額の早見表」や最新の確定申告の手引きで確認するか、税理士に相談してください。

フリーランスの「合計所得金額」の計算方法

配偶者控除の判定で使う「合計所得金額」は、フリーランスの場合は次の式で求めます。給与所得者と違い、給与所得控除がない代わりに必要経費を差し引ける点が特徴です。

  • 合計所得金額 = 売上(総収入) − 必要経費 − 青色申告特別控除(最大65万円)

たとえば売上が110万円で必要経費が20万円、青色申告特別控除が55万円なら、合計所得金額は「110万円−20万円−55万円=35万円」となり、58万円以下なので配偶者控除(満額38万円)の対象になります。青色申告特別控除を活用すると、同じ売上でも所得を抑えやすくなるのがフリーランスの強みです。

📌 POINT

青色申告特別控除で最大65万円を受けるには、複式簿記による記帳とe-Tax(電子申告)または電子帳簿保存などの要件があります。要件を満たさない場合は55万円または10万円となるため、事前に確認しましょう。

配偶者控除を受けるための手続き

フリーランスが控除を受ける場合

フリーランス(事業所得者)が配偶者控除・配偶者特別控除を受けるには、確定申告書の所得控除の欄に記載して申告します。年末調整がないため、自分で申告しないと控除は適用されません。

フリーランスが配偶者の扶養に入る場合

配偶者が会社員の場合は、配偶者が勤務先の年末調整で「給与所得者の配偶者控除等申告書」に記入することで控除を受けます。フリーランス側は自分の合計所得金額を正しく伝えられるよう、確定申告の内容を把握しておきましょう。

まとめ|売上ではなく所得で判定する

✅ この記事のまとめ

配偶者控除は「配偶者を扶養する側(納税者)」が受ける所得控除で、フリーランスは控除を受ける側にも受けられる対象側にもなり得ます。判定は売上ではなく合計所得金額(売上−経費−青色申告特別控除)で行い、2025年改正後は配偶者の所得要件が58万円以下に。控除額は納税者本人の所得で38万円・26万円・13万円の3段階、58万円超は配偶者特別控除で段階的に受けられます。正確な控除額は国税庁の早見表や税理士に確認しましょう。

あわせて読みたい
【2026年版】フリーランスエージェントおすすめランキング9選|業務委託案件が豊富な人気サービス徹底比較 ※ 本ページはプロモーションが含まれています このページで紹介するエージェント一覧※エージェント名をタップすると、下の解説までジャンプします。 エージェントおすす...
目次