フリーランスの手取りの計算方法|目安は所得の約7〜8割【2026年】

フリーランスの手取りの計算方法|目安は額面の約7割

「売上は会社員時代と同じくらいなのに、手元に残るお金が全然違う」——フリーランスによくある悩みです。フリーランスの手取りは、売上から経費、税金、社会保険料を自分で差し引いた残りです。結論から言えば、手取りの目安は「売上から経費を引いた額(所得)」の7〜8割、売上全体で見ると経費30%の場合で5割強です。計算の5ステップを売上500万円の例で順番に示し、年収別の早見表、手取りを増やす方法までまとめました。

目次

【結論】手取りは所得の7〜8割、売上の5割強が目安

フリーランスの手取りは、次の3点で押さえます。

  1. 計算式は「売上-経費-税金-社会保険料」会社員のように天引きされないため、すべて自分で差し引いて考えます
  2. 「額面の約7割」の額面は、売上から経費を引いた所得所得に対する手取りは7〜8割。所得が増えるほど税率が上がり、割合は下がります
  3. 売上全体で見ると5割強経費を売上の30%とすると、売上500万円で手取りは約270万円(月約22.5万円)です

手取りを増やすには、税金と社会保険料を減らす制度を使うことと、売上そのものを伸ばすことの両方が必要です。

売上ではなく手取りで生活を設計することが、フリーランスのお金の管理の基本です。手取りを正しく知ると、必要な単価や年収の目標もはっきりします。

手取りから引かれる税金・社会保険料

項目計算のもとポイント
所得税課税所得×税率(5〜45%)+復興特別所得税2026年分・2027年分は基礎控除が大きく、所得489万円以下なら最大104万円
住民税課税所得×10%+均等割前年の所得で決まり、翌年6月以降に払う。基礎控除は43万円
国民健康保険料所得に応じた額+1人あたりの額市区町村ごとに料率が違う。年間の上限がある
国民年金保険料定額2026年度は月1万7,920円(年21万5,040円)
個人事業税(所得-事業主控除290万円)×原則5%法律で定められた業種だけにかかる
消費税課税事業者の場合に納めるインボイス登録者や、2年前の売上が1,000万円を超えた人
出典:国税庁「No.1199 基礎控除」、日本年金機構(2026年9月確認)

売上500万円で手取りを計算する5ステップ

1

売上から経費を引いて所得を出す

売上500万円-経費150万円(30%)=350万円。ここが「額面」にあたる所得です。

2

青色申告特別控除を引く

350万円-65万円=285万円。これが税金や国保の計算のもとになる事業所得です。

3

社会保険料を出す

国民健康保険料約33.3万円+国民年金21.5万円=約54.8万円(東京23区・39歳以下の概算)。

4

所得税と住民税を出す

所得税は(285万円-基礎控除104万円-社会保険料54.8万円)×5%+復興税=約6.4万円。住民税は(285万円-43万円-54.8万円)×10%+均等割など=約19.0万円。

5

所得から税金と社会保険料を引く

350万円-(54.8万円+6.4万円+19.0万円)=約270万円。所得の約77%、売上の約54%です。

※ 2026年分の税制・独身・扶養なし・39歳以下で計算した概算。個人事業税と消費税は含みません
POINT|青色申告の65万円控除は手取りに効く

65万円の控除は、所得税・住民税・国民健康保険料のすべての計算のもとを下げます。白色申告と比べると、売上500万円前後の人で年15万円以上手取りが変わることがあります。

会社員の手取りとはどう違う?

項目フリーランス会社員
額面売上から経費を引いた所得給与の総額(税金・社会保険料を含む)
差し引き自分で計算して払う給与から天引きされる
社会保険料全額自己負担会社と折半
控除青色申告特別控除、経費給与所得控除
払う時期住民税・国保は翌年にまとめて毎月の給与から

フリーランスは税金や保険料をあとからまとめて払うため、入金されたお金をすべて使えるわけではありません。入金のたびに売上の20〜30%程度を取り置いておくと、支払いの時期に困りません。

年収別の手取り早見表と、手取りを増やす方法

売上所得(売上-経費)手取り所得に対する割合
300万円210万円約165万円約79%
500万円350万円約270万円約77%
600万円420万円約323万円約77%
700万円490万円約375万円約77%
1,000万円700万円約503万円約72%
※ 2026年分の税制・独身・39歳以下・経費は売上の30%・青色申告特別控除65万円・国民健康保険料は東京23区の料率で概算。個人事業税・消費税は含みません

手取りを増やすには?

  • 青色申告で65万円控除を受ける所得税・住民税・国保がまとめて下がります
  • 経費と家事按分を漏れなく計上する自宅の家賃や通信費など、仕事で使う割合を経費にします
  • 小規模企業共済・iDeCoで控除を増やす掛金は全額所得控除。所得税と住民税が下がります(国保は下がりません)
  • 国民健康保険料を見直す職種によっては、国保組合に入ると保険料を抑えられることがあります
  • 単価を上げて売上を伸ばす手取りを増やすいちばん大きな方法は、やはり売上を増やすことです

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスの手取りはどうやって計算しますか?
A売上から経費を引いて所得を出し、そこから所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料を差し引きます。税金と国保は、青色申告特別控除などを引いた金額をもとに計算します。
Q「額面の約7割」の額面とは何ですか?
A売上から経費を引いた所得のことです。所得に対する手取りは7〜8割が目安で、所得が増えるほど税率が上がるため割合は下がります。売上全体で見ると、経費30%の場合で5割強です。
Q売上500万円の手取りはいくらですか?
A経費30%・青色申告65万円控除・東京23区・39歳以下の場合、2026年分の税制で手取りは約270万円(月約22.5万円)です。国民健康保険料は市区町村によって変わります。
Q手取りの計算に消費税は含めますか?
A免税事業者なら含めません。インボイス登録をしている人や、2年前の売上が1,000万円を超えた人は課税事業者なので、受け取った消費税の一部を納める分を手取りから除いて考えます。
Q会社員と同じ額面なら手取りも同じですか?
A同じにはなりません。フリーランスは社会保険料を全額自己負担し、経費も自分で払います。会社員と同じ生活水準を保つには、額面の1.2〜1.3倍程度の売上が必要とされます。
Q青色申告にすると手取りはどれくらい増えますか?
A65万円の控除で所得税・住民税・国民健康保険料がまとめて下がるため、売上500万円前後の人で白色申告より年15万円以上手取りが増えることがあります。
Q2026年分は手取りが増えたのですか?
A2026年分と2027年分は所得税の基礎控除が大きくなり、合計所得489万円以下なら最大104万円です。所得税の負担が軽くなった分、手取りは増えやすくなっています。住民税の基礎控除は43万円のままです。
Q月々の手取りはどう考えればいいですか?
A年間の手取りを12で割った額が目安です。ただし住民税や国民健康保険料は翌年にまとめて請求されるため、入金のたびに売上の20〜30%程度を取り置いておきましょう。
Q小規模企業共済やiDeCoで国民健康保険料は下がりますか?
A下がりません。これらの掛金は所得控除のため、所得税と住民税は下がりますが、国民健康保険料の計算に使う所得には影響しません。国保を下げたいなら、国保組合の検討や経費の見直しが有効です。
Q手取りを増やすいちばんの方法は何ですか?
Aまだなら青色申告にすることです。そのうえで経費の計上と控除の制度を使い、長い目では単価を上げて売上を伸ばすことが、手取りを増やすいちばん大きな方法です。
金額は概算です

本記事の金額は2026年9月時点の税制にもとづく概算です。国民健康保険料や住民税は市区町村によって、所得税は家族構成や控除によって変わります。正確な金額は、税務署・市区町村・税理士に確認してください。

この記事のまとめ

● 手取り=売上-経費-税金-社会保険料。所得の7〜8割、売上の5割強が目安

● 売上500万円・経費30%なら手取りは約270万円。住民税と国保は翌年に払うため取り置く

● 青色申告・経費・共済やiDeCoで手取りを守り、単価を上げて売上を伸ばす

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