フリーランスの手取りの計算方法|目安は額面の約7割

フリーランス 手取り 計算

「フリーランスの売上が同じでも、手元に残るお金は会社員時代と全然違う」――これはよくある悩みです。フリーランスは、売上から経費・税金・社会保険料を自分で差し引いた残りが「手取り」になります。目安としては、額面の7割前後。この記事では、フリーランスの手取りの計算方法を、売上から手取りまでの流れに沿って解説し、年収別の手取りの目安や、手取りを増やすコツまで具体的に紹介します。

フリーランスの手取りの計算式

会社員は、税金や社会保険料が天引きされた後の給与がそのまま手取りになります。一方フリーランスは、売上から経費・税金・社会保険料を、自分ですべて差し引いた残りが手取りです。まずは基本の流れを押さえましょう。

📌 手取りまでの流れ

① 売上 − 経費 = 所得
② 所得 − 各種控除 = 課税所得
③ 課税所得をもとに 所得税・住民税 を計算
④ 所得 − (所得税+住民税+国民健康保険料+国民年金保険料 など)= 手取り

ポイントは、売上がそのまま使えるお金ではないということ。経費を引いた「所得」に税金がかかり、さらに社会保険料も自分で負担します。これらをすべて差し引いて、ようやく手取りが分かります。

手取りから引かれる税金・社会保険料

フリーランスの手取りを計算するには、何が差し引かれるのかを知る必要があります。主なものは次のとおりです。

区分 項目 特徴
税金 所得税 課税所得に応じて5〜45%の累進課税
住民税 所得割(約10%)+均等割。前年所得ベース
社会保険 国民健康保険料 自治体・所得・加入人数で変動
国民年金保険料 定額(令和7年度は月17,510円)
📌 POINT

このほか、所得が一定以上だと「個人事業税」、課税売上が1,000万円を超えるなどの場合は「消費税」も加わります。また、40〜64歳の人は介護保険料も国民健康保険料と合わせて負担します。会社員時代は会社が半分負担していた社会保険料を、フリーランスは全額自分で払う点も大きな違いです。
※出典:マネーフォワード・FLEXY等の解説に基づく。国民年金保険料額は2026年6月時点。

手取り計算の具体的なステップ

実際に手取りを計算する手順を、順を追って見ていきましょう。

  1. 売上から経費を引いて「所得」を出す:1年間の売上から、事業にかかった経費を差し引きます。
  2. 所得から控除を引いて「課税所得」を出す:青色申告特別控除、基礎控除、社会保険料控除などを差し引きます。
  3. 課税所得から所得税・住民税を計算する:所得税は速算表で、住民税は所得割約10%+均等割で計算します。
  4. 社会保険料を計算する:国民年金(定額)と国民健康保険料(自治体の計算)を出します。
  5. 所得からすべて引いて手取りを出す:所得 −(所得税+住民税+社会保険料)が、おおよその手取りです。
⚠️ 注意

住民税と一部の社会保険料は「前年の所得」をもとに計算されるため、タイミングがずれます。独立1年目は前年(会社員時代)の所得をベースに請求が来たり、逆に2年目に1年目の高い所得分の住民税が来たりします。手取りを考えるときは、この時間差も意識しておきましょう。
※正確な税額・保険料は、会計ソフトや自治体・国税庁のシミュレーションで確認するのが確実です。

年収別・手取りの目安(早見の考え方)

経費や控除、自治体によって変わるため一概には言えませんが、各種シミュレーションによる手取りの目安は次のとおりです(ここでの「年収」は売上から経費を引いた所得に近い水準を想定)。

年収(目安) 手取りの目安 税・社会保険の合計目安
400万円 約290万円 約110万円
500万円 約360万円 約140万円
📌 POINT

年収400万円で手取り約290万円、年収500万円で手取り約360万円が、ひとつの目安です。年収が上がるほど、税・社会保険料の負担額も増えていきます。あくまで概算なので、自分の正確な手取りは、経費・控除・お住まいの自治体をふまえてシミュレーションしましょう。
※出典:ペイトナー等の手取りシミュレーションに基づく目安。経費・控除・自治体により実際の金額は異なります。

手取りは額面の「約7割」が目安

細かい計算が難しい場合、ざっくりした目安として「手取りは額面(所得)の7割前後」と覚えておくと便利です。先ほどの例でも、手取り率はおおむね7割程度でした。

つまり、税金と社会保険料で、所得の2〜3割超が引かれるということ。所得が高くなるほど所得税の累進課税で負担割合が上がるため、手取り率はやや下がっていく傾向があります。「売上の全部が使えるお金ではなく、ざっくり3割は税・保険で消える」と考えておくと、資金計画を立てやすくなります。

⚠️ 注意

「7割」はあくまで大まかな目安です。経費が多い人・少ない人、扶養家族の有無、お住まいの自治体、青色申告か白色申告かによって、手取り率は変わります。特に経費をきちんと計上しているかどうかで、手取りは大きく変わってきます。

手取りを増やす方法

同じ売上でも、工夫しだいで手取りは増やせます。フリーランスができる代表的な方法を紹介します。

① 青色申告で65万円控除を受ける

青色申告(複式簿記・e-Tax等の要件を満たす)なら、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。この控除は所得税だけでなく住民税や国民健康保険料にも影響し、トータルで手取りを大きく押し上げます。

② 経費を漏れなく計上する

事業に必要な支出は経費に計上できます。自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費の家事按分など、計上できる経費を漏らさないことで、課税所得が下がり手取りが増えます。

③ 所得控除・節税制度を活用する

小規模企業共済やiDeCo、付加年金などは掛金が全額所得控除になり、節税しながら将来に備えられます。ふるさと納税も実質的な負担を抑えられる制度です。

④ 単価アップで売上を増やす

節税には限界があるため、根本的には単価を上げて売上自体を増やすことが、手取り増加の王道です。スキルアップや高単価案件の獲得(エージェント活用など)も検討しましょう。

手取り計算に関するよくある質問

フリーランスの手取り計算について、特に質問の多いポイントをまとめました。

Q. 手取りはどうやって簡単に計算できますか?

大まかには「所得(売上−経費)×7割程度」が手取りの目安です。正確に知りたい場合は、会計ソフトや国税庁・自治体・各社の手取りシミュレーションに、売上・経費・控除を入力すると概算が分かります。

Q. 会社員時代と同じ年収なら手取りも同じですか?

いいえ。会社員は社会保険料を会社と折半していましたが、フリーランスは全額自己負担です。また会社員には給与所得控除があります。同じ額面でも、フリーランスのほうが手取りは少なくなる傾向があります。

Q. 国民健康保険料はいくらになりますか?

国民健康保険料は、お住まいの自治体・前年の所得・加入人数によって変わります。自治体のサイトや窓口で試算できるので、正確な手取りを知りたいときは確認しましょう。国民年金は定額です。

Q. 手取りを増やすには何が一番効果的ですか?

まずは青色申告と経費の正確な計上が基本です。そのうえで、小規模企業共済やiDeCoなどの所得控除を活用すると効果的です。最終的には、単価を上げて売上を伸ばすことが手取り増加の近道になります。

まとめ:売上ではなく手取りで生活設計を

フリーランスは、売上ではなく「手取り」を基準に生活設計することが大切です。最後に要点を振り返っておきましょう。

✅ この記事のまとめ

① 手取り=所得−(所得税+住民税+国民健康保険料+国民年金など)
② 引かれるのは所得税・住民税・国保・国民年金(人により事業税・消費税・介護保険も)
③ 手取りは額面(所得)の約7割が目安(所得が増えるほど割合は下がる傾向)
④ 年収400万で手取り約290万、500万で約360万が目安
⑤ 青色申告・経費計上・所得控除・単価アップで手取りを増やせる

フリーランスの手取りは、売上のおよそ7割が目安。残りの3割前後は税金と社会保険料で消えていきます。会社員時代の感覚で売上をすべて使ってしまうと、後の納税で資金繰りに困ることになりかねません。売上ではなく手取りをベースに生活設計をし、青色申告や経費計上で手取りを最大化しながら、計画的にお金を管理していきましょう。正確な金額は、会計ソフトやシミュレーションで確認するのがおすすめです。

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