フリーランスに傷病手当はない?理由と収入を守る方法を解説

フリーランス 傷病手当 もらえない

会社員が病気やケガで働けなくなったときに受け取れる「傷病手当金」。実は、フリーランス・個人事業主は、原則としてこの傷病手当金をもらえません。フリーランスが加入する国民健康保険には、傷病手当金の制度がないためです。働けなくなれば即収入減につながるからこそ、その事実と備えを知っておくことが大切。この記事では、なぜもらえないのか、その理由と、フリーランスが代わりに使える公的制度・民間保険まで、わかりやすく解説します。

フリーランスは傷病手当金をもらえない

結論から言うと、フリーランス・個人事業主は、原則として傷病手当金を受け取れません。傷病手当金は、会社員などが加入する健康保険(被用者保険)の制度であり、フリーランスが加入する国民健康保険には、この制度がないためです。

会社員なら、病気やケガで働けなくなっても、一定期間は傷病手当金で収入の一部が補われます。しかしフリーランスは、働けなくなった時点で収入がストップするリスクを、自分で抱えることになります。有給休暇もないため、この差は小さくありません。

⚠️ 注意

フリーランスが加入する国民健康保険・国民健康保険組合には、原則として傷病手当金の制度がありません。新型コロナ流行時など、ごく一部の自治体が独自に支給した例はありますが、あくまで例外的なものです。基本的には「もらえない」前提で備えておく必要があります。
※出典:保険比較ライフィ・ITANKEN COMPASS等の解説に基づく。

そもそも傷病手当金とは?

傷病手当金とは、健康保険に加入している人が、業務外の病気やケガで働けず収入が途絶えたときに、生活を支えるために支給される手当です。会社員などの被用者保険にある制度です。

📌 傷病手当金の概要(会社員などの場合)

・対象:業務外の病気・ケガで連続して4日以上仕事を休んだとき
・金額:おおよそ給与(標準報酬日額)の3分の2
・期間:支給開始日から通算で最長1年6か月
これは健康保険(被用者保険)の加入者が対象で、国民健康保険にはない制度です。
※出典:保険比較ライフィ等の解説に基づく。

この制度のおかげで、会社員は長期療養が必要になっても、一定の収入を確保できます。フリーランスには、この「働けないときの収入の受け皿」がないことを理解しておきましょう。

なぜフリーランスはもらえないのか

フリーランスが傷病手当金をもらえないのには、制度上の理由があります。

  • 国民健康保険に制度がない:国保は医療費の負担軽減が目的で、収入を補償する機能を持たない
  • 「給与」の概念がない:傷病手当金は給与額をもとに計算されるが、フリーランスには給与がなく算定根拠がない
  • 働き方が自由:労働時間や休業の管理が会社員のように明確でない
📌 POINT

国民健康保険はあくまで「医療費の自己負担を軽くする」ための制度です。会社員の健康保険のような「働けない間の所得補償」は、もともと想定されていません。この性質の違いが、フリーランスが傷病手当金をもらえない根本的な理由です。

代わりに使える公的制度

傷病手当金はもらえなくても、フリーランスが使える公的な備えはあります。状況によっては、これらが収入の支えになります。

制度 内容
障害年金(障害基礎年金) 病気やケガで一定の障害状態になったとき支給される
労災保険の特別加入 業務上のケガ・病気に備える。個人事業主も特別加入できる場合がある
高額療養費制度 医療費が高額になったとき、自己負担の上限を超えた分が払い戻される
⚠️ 注意

障害年金は、働けなくなったらすぐもらえるものではなく、一定の障害状態と認定される必要があります。しかも、フリーランスは国民年金のみのため受け取れるのは障害基礎年金で、厚生年金に加入する会社員より保障が薄く、障害基礎年金には3級がないため、軽度の障害では対象外になることもあります。公的制度だけでは、働けない期間の収入を十分にカバーできないのが実情です。
※出典:マネーフォワード・保険比較ライフィ等の解説に基づく。労災特別加入の要件は業種等により異なります。

民間保険で備える方法

公的制度だけでは不十分なため、フリーランスは民間保険で「働けないときの収入」に自分で備えることが重要です。代表的な保険を紹介します。

  • 所得補償保険:病気やケガで働けない期間の収入減を補償する。比較的短期の補償が中心
  • 就業不能保険:長期間働けない状態に備える保険。一定期間後から毎月給付金を受け取れるタイプが多い
  • 医療保険:入院・手術の費用に備える。働けない間の治療費負担を軽くできる
📌 POINT

所得補償保険・就業不能保険は、フリーランスにとって傷病手当金の代わりになる中心的な備えです。たとえば「働けない状態が一定期間続いたら、毎月◯万円を受け取れる」といった形で、収入の空白を埋められます。会社員の傷病手当金がない分、こうした保険の必要性はフリーランスのほうが高いといえます。
※出典:navinavi保険・ITANKEN COMPASS等の解説に基づく。保障内容・条件は商品により異なります。

副業フリーランスの場合は?

会社員をしながら副業でフリーランス活動をしている人は、状況が少し異なります。

本業の会社で健康保険(被用者保険)に加入していれば、病気やケガで働けなくなったとき、傷病手当金を受け取れる可能性があります。ただし、補償の対象になるのは本業の給与に基づく分であり、副業(個人事業)としての収入は傷病手当金の対象にはなりません

⚠️ 注意

副業の収入が大きい人ほど、その分は傷病手当金で守られないことになります。副業フリーランスの収入も守りたい場合は、会社員であっても所得補償保険などを別途検討する価値があります。完全独立しているフリーランスは、なおさら自分で備えが必要です。

働けないリスクに関するよくある質問

フリーランスの傷病手当・働けないリスクについて、特に質問の多いポイントをまとめました。

Q. 国民健康保険組合なら傷病手当金はありますか?

原則ありません。業種別の国民健康保険組合も、基本的には傷病手当金の制度を持たないことが多いです。ただし給付内容は組合により異なるため、加入している(検討している)組合の制度を確認しましょう。

Q. 働けなくなったら障害年金で生活できますか?

障害年金は一定の障害状態と認定された場合に支給されますが、フリーランスは障害基礎年金のみで保障が薄く、軽度では対象外のこともあります。障害年金だけで生活費を賄うのは難しい場合が多く、民間保険などの備えが重要です。

Q. 所得補償保険の保険料は経費になりますか?

所得補償保険の保険料は、原則として事業の経費にはできません(生命保険料控除等の対象になるかは商品・契約形態により異なります)。詳しくは保険会社や税理士に確認しましょう。

Q. 何から備えればいいですか?

まずは生活防衛資金(数か月分の生活費)を貯めておくことが基本です。そのうえで、長期間働けなくなるリスクに対して、所得補償保険や就業不能保険を検討すると安心です。貯蓄と保険の両輪で備えましょう。

まとめ:もらえない前提で備えておく

フリーランスは傷病手当金がもらえないからこそ、自分で備えることが何より大切です。最後に要点を振り返っておきましょう。

✅ この記事のまとめ

① フリーランスは原則、傷病手当金をもらえない(国保に制度がない)
② 働けない=即収入減のリスクを自分で抱えることになる
③ 公的には障害年金・労災特別加入・高額療養費などがあるが保障は限定的
④ 所得補償保険・就業不能保険が傷病手当金の代わりの中心的な備え
⑤ 副業フリーランスは本業の傷病手当金対象でも、副業収入分は対象外

「フリーランスは傷病手当金がもらえない」という事実は、決して脅すための話ではなく、備えのスタート地点です。会社員のような収入の受け皿がないぶん、生活防衛資金の確保と、所得補償保険などの民間保険による備えが重要になります。元気なうちに、働けなくなったときのことを一度考えておきましょう。具体的な保険選びに迷う場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。

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