フリーランス(個人事業主)になる手続きの一覧|提出先・期限・順番

フリーランス(個人事業主)になる手続きの流れ|期限・順番を解説

会社員からフリーランス(個人事業主)になると、これまで会社がしてくれていた手続きを自分で行う必要があります。結論から言えば、必要な手続きは「保険と年金の切り替え(14日以内)」「開業届と青色申告の申請(1〜2か月以内)」「都道府県への事業開始の申告」の3つが中心で、期限の近いものから順に進めれば迷いません。この記事では、手続きの全体像を提出先・期限つきの一覧にまとめ、会社員から・副業から・無職からといった状況別の違い、窓口に持っていくもの、あとでやる手続きまで整理しました。

目次

【結論】期限の近い「保険・年金」→「開業届・青色申告」→「都道府県」の順

個人事業主になる手続きは、次の3段階で進めます。

  1. 退職後14日以内|健康保険と国民年金の切り替え国民健康保険と国民年金は市区町村で手続きします。任意継続を選ぶなら20日以内に申請します
  2. 開業から1〜2か月以内|開業届と青色申告承認申請書どちらも税務署へ。開業届は罰則なしですが、青色申告の申請は2か月以内に出さないと65万円控除が使えません
  3. 都道府県の期限内|事業開始等申告書個人事業税のための申告です。期限や様式は都道府県ごとに違います

手続きそのものは難しくありません。期限を一覧で把握し、近いものから片づけるのがいちばんの近道です。

手続きのほかにも、お金の準備や案件の確保など、独立前にやっておきたいことがあります。準備リストで、手続き以外も含めて確認しておきましょう。

手続きの一覧(提出先・期限)

手続き提出先期限の目安
国民健康保険への加入市区町村退職日の翌日から14日以内
健康保険の任意継続(選ぶ場合)協会けんぽ・健康保険組合退職日の翌日から20日以内
国民年金への切り替え市区町村(オンラインも可)退職日の翌日から14日以内
開業届税務署・e-Tax事業を始めた年分の確定申告期限まで
青色申告承認申請書税務署・e-Tax開業から2か月以内(1月1日〜15日の開業はその年の3月15日まで)
事業開始等申告書都道府県税事務所都道府県が定める期限
インボイス登録(必要な場合)税務署・e-Tax取引先の状況を見て判断
給与支払事務所等の開設届出書(人を雇う場合)税務署給与を払い始めてから1か月以内
出典:国税庁、日本年金機構、全国健康保険協会(2026年9月確認)
POINT|開業届と青色申告は同時に出す

開業届と青色申告承認申請書は、どちらも税務署に出す書類です。一緒に出せば手間が1回で済み、青色申告の期限を逃す心配もありません。e-Taxなら自宅から同時に提出できます。

開業届と青色申告の書き方のポイント

職業欄「フリーランス」ではなく「Webデザイナー」などの具体的な職種名
事業の概要「誰に・何を・どうやって提供するか」を1〜2行で
屋号任意。空欄でもよく、あとから確定申告書に書けば使える
青色申告の簿記の方法65万円控除を受けるなら「複式簿記」を選ぶ
控え2025年1月から控えに受付印が押されなくなった。提出の記録が必要ならe-Taxの受信通知が便利

状況別の違いと、持ち物・あとでやる手続き

状況必要な手続き注意点
会社員を辞めて独立保険・年金の切り替え、開業届、青色申告、都道府県への申告失業保険を受けるなら、開業届の前にハローワークで手続きする
会社員のまま副業で開業開業届、青色申告、都道府県への申告保険と年金は会社のまま。就業規則で副業が認められているか確認する
無職・学生・家族の扶養から開業開業届、青色申告、都道府県への申告。扶養から外れる場合は保険・年金の手続き収入によって扶養から外れることがあるため、家族の勤務先の健康保険に確認する

窓口に持っていくものは?

  • 本人確認書類とマイナンバーが分かるものマイナンバーカードがあれば1枚で済みます
  • 健康保険の資格喪失証明書国民健康保険に加入するときに求められることがあります
  • 基礎年金番号が分かるもの国民年金への切り替えで使います
  • 記入済みの開業届と青色申告承認申請書控えが必要なら、写しも用意します

開業したあとにやる手続きは?

  • 事業用の口座とカードを分ける事業と生活のお金を分けると、記帳と確定申告がラクになります
  • 小規模企業共済やiDeCoを検討する掛金が全額所得控除になり、将来への備えにもなります
  • 翌年の確定申告翌年2月16日〜3月15日に申告します。退職した年は会社員時代の給与もあわせて申告します

よくある質問(FAQ)

Q個人事業主になるにはどんな手続きが必要ですか?
A会社を辞めた場合は、健康保険と国民年金の切り替え、開業届、青色申告承認申請書、都道府県への事業開始等申告書が中心です。副業で開業する場合は、保険と年金の切り替えは不要です。
Q手続きはどの順番で進めればいいですか?
A期限の近い順に、退職後14日以内の保険と年金、開業から1〜2か月以内の開業届と青色申告、都道府県への申告の順で進めます。
Q開業届を出さないと個人事業主になれませんか?
A事業を始めれば個人事業主として扱われます。開業届の期限は、事業を始めた年分の確定申告期限までです。罰則はありませんが、青色申告や屋号付きの口座のためにも出しておきましょう。
Q開業届と青色申告承認申請書は一緒に出せますか?
A出せます。どちらも税務署に出す書類なので、一緒に出すと手間が1回で済み、青色申告の期限を逃す心配もありません。
Q健康保険の切り替えはいつまでにすればいいですか?
A国民健康保険は退職日の翌日から14日以内、任意継続は20日以内です。遅れると、その間に病院にかかったときにいったん全額を払うことになります。
Q副業で開業する場合も同じ手続きが必要ですか?
A開業届、青色申告、都道府県への申告は同じです。健康保険と年金は会社のままなので、切り替えは必要ありません。
Q都道府県への事業開始等申告書は必要ですか?
A個人事業税のための申告で、提出が求められています。期限や様式は都道府県ごとに違うため、住んでいる都道府県の税事務所の案内を確認しましょう。
Q手続きの窓口には何を持っていけばいいですか?
A本人確認書類とマイナンバーが分かるもの、健康保険の資格喪失証明書、基礎年金番号が分かるもの、記入済みの開業届などです。マイナンバーカードがあると便利です。
Qインボイス登録はすぐにしたほうがいいですか?
A取引先の状況によります。企業との取引が中心で登録を求められるなら検討し、個人との取引が中心なら急がなくてもよい場合があります。
Q手続きが終わったら次に何をすればいいですか?
A事業用の口座とカードを分け、会計ソフトで記帳を始めます。小規模企業共済やiDeCoも検討し、翌年の確定申告に備えましょう。
手続きは各窓口で確認を

本記事は2026年9月時点の一般的な情報です。都道府県への申告の期限や様式、健康保険の扶養の基準は、自治体や保険者によって異なります。判断に迷う場合は、税務署や市区町村などの窓口に確認してください。

この記事のまとめ

● 手続きの中心は保険・年金の切り替え、開業届と青色申告、都道府県への事業開始等申告書の3つ

● 期限の近い順に進める。開業届と青色申告は同時に出すのが確実

● 副業での開業は保険・年金の切り替えが不要。開業後は口座・記帳・確定申告の準備を

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