
開業届を書くとき、「職業」欄と並んで迷いやすいのが「事業の概要」欄です。「どこまで具体的に書けばいいの?」「職業欄と何が違うの?」と手が止まる人も多いはずです。結論から言えば、事業の概要欄には「誰に・何を・どうやって提供するか」を1〜2行で具体的に書けば十分で、厳密な決まりはありません。ただし、屋号付きの口座の開設や融資の審査で事業の中身を確かめる資料として見られることがあり、個人事業税の判断の材料のひとつにもなります。書き方の型、職種別の記入例12パターン、複数の仕事や予定している事業の書き方、注意点までまとめました。
【結論】1〜2行で「誰に・何を・どうやって」を具体的に
事業の概要欄は、次の3点を押さえれば数分で書けます。
- 職業欄の「中身」を書く職業欄は業種名をひとこと、事業の概要欄はその仕事の内容を具体的に書く欄です
- 「誰に・何を・どうやって」を入れる例:「企業向けに、Webサイトのデザイン制作とコーディングを行う」
- 実態に合わせ、職業欄と食い違わないようにする主な仕事を先に書き、ほかの仕事や予定している事業は後ろに並べます
第三者が読んで「どんな仕事で収入を得ているのか」が分かることがいちばん大切です。
開業届は、独立の準備の中のひとつです。お金や保険の手続きもあわせて、準備リストで確認しておきましょう。
あわせて読みたい(独立前の準備)
職業欄との違いと、書き方の型
| 欄 | 書く内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 職業 | 業種名をひとこと | Webデザイナー |
| 事業の概要 | 仕事の内容を具体的に | 企業向けのWebサイトのデザイン制作、LP制作、コーディング |
どんな型で書けばいい?
| 基本の型 | 「(誰)向けに、(何)を(どうやって)提供する」 |
|---|---|
| 例 | 中小企業向けに、Web広告の運用と改善の提案を行う |
| 複数の仕事 | 主な仕事を先に書き、「、」でほかの仕事を並べる |
| 予定している事業 | 「〇〇、ほか△△(予定)」のように、始める予定の事業も書いておける |
エンジニアなどで、稼働に対して報酬を受ける仕事が中心なら「システム開発の技術支援」、成果物を納める仕事なら「システムの設計・開発・納品」のように、実際の契約の形に合う言葉を選ぶと、仕事の実態が伝わりやすくなります。
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職種別の記入例12パターン
| 職業欄 | 事業の概要の記入例 |
|---|---|
| システムエンジニア | 企業向けの業務システムの設計・開発・保守、技術支援 |
| プログラマー | Webアプリケーションの開発、既存システムの改修 |
| Webデザイナー | 企業向けのWebサイトのデザイン制作、LP制作、コーディング |
| グラフィックデザイナー | ロゴ、名刺、チラシ、パンフレットなど印刷物のデザイン制作 |
| イラストレーター | 書籍・広告・Webサイト向けのイラスト制作 |
| ライター | Webメディア・企業サイト向けの記事の執筆、取材、編集 |
| 動画編集者 | 企業・個人の動画の編集、字幕やテロップの制作 |
| Webマーケター | Web広告の運用、SNSアカウントの運用支援、アクセス解析と改善の提案 |
| 経営コンサルタント | 中小企業向けの経営・業務改善の助言、事業計画の作成支援 |
| 翻訳者 | 英語の技術文書・契約書・Webサイトの翻訳 |
| カメラマン | 企業の商品撮影、イベント・人物の撮影、写真の編集 |
| オンライン秘書 | 経営者向けのスケジュール管理、メール対応、資料作成の代行 |
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事業の概要が見られる場面と、書くときの注意点
| 場面 | 見られること |
|---|---|
| 屋号付きの口座の開設 | 開業届の控えで、事業の実態を確かめられることがある |
| 創業時の融資の審査 | 開業届の控えの提出を求められ、事業計画書の内容と照らし合わせられることがある |
| 個人事業税の判断 | 確定申告の内容とあわせて、法定業種に当たるかを判断する材料のひとつになる |
| 小規模企業共済などの加入 | 個人事業主であることを示す書類として使われる |
- 実態と違う内容を書かない節税や審査のために実態と違う仕事を書くと、あとで説明を求められたときに困ります
- 抽象的な言葉だけにしない「IT関連業務」「コンサルティング」だけでは、何をしているか伝わりません
- 書きすぎない欄は小さいため、1〜2行に収まるよう主な仕事に絞ります
- 職業欄と食い違わないようにする職業欄に書いた仕事が、概要欄の先頭に来ているか確認します
開業後に仕事の内容が変わっても、開業届を出し直す必要はありません。確定申告書の職業欄などを、その年の実態に合わせて書けば足ります。個人事業税の扱いに不安があるときは、都道府県の税事務所に確認しましょう。
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提出前のチェックリスト
- 「誰に・何を・どうやって」が入っている第三者が読んで仕事の内容が分かるか確認します
- 職業欄の仕事が先頭に来ている複数の仕事は、主な仕事から順に並べます
- 実態と合っている実際にしている、またはすぐに始める仕事だけを書きます
- 青色申告承認申請書も用意した開業から2か月以内が期限です。開業届と一緒に出すのが確実です
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よくある質問(FAQ)
● 事業の概要は職業欄の中身。「誰に・何を・どうやって提供するか」を1〜2行で具体的に書く
● 複数の仕事は主な仕事から並べ、予定の事業も書ける。職業欄と食い違わないようにする
● 口座の開設や融資の審査で見られることもある。実態に合わせて書き、変わっても出し直しは不要

