
ポートフォリオサイトを作りたいが、何を載せ、どう構成し、何で作ればよいのか分からない。結論から言えば、ポートフォリオサイトは、「5つの要素をそろえ、作品を数点に絞り、1点ごとに課題と担当範囲と結果を書く」ことで、案件につながる資料になります。最初から作り込む必要はありません。ページの構成、作品ページの書き方、作る方法の選び方、公開前の確認、公開後の運用まで、この1ページで整理します。
【結論】ポートフォリオサイトに載せる5つの要素
ポートフォリオサイトとは、自分の作品や実績をまとめて見せるウェブサイトです。アドレスを伝えるだけで、相手が自分の都合のよいときに実力を確かめられます。載せる要素は、次の5つです。
- プロフィール何の専門家か、得意な分野、対応できる範囲
- 作品数点に絞り、画像と説明をあわせて載せる
- 制作の過程課題、狙い、工夫、結果。考え方が伝わる部分
- 発信へのリンクブログや発信のアカウントなど、活動が分かるもの
- 連絡先問い合わせフォームやメール。どのページからも行けるようにする
中心は作品です。ほかの4つは、作品の内容を補い、問い合わせにつなげる役割を持ちます。今日できることは、載せる作品を3点選ぶことです。
サイトは、自分で営業するときにも、エージェントに相談するときにも、実力を伝える資料として使えます。作った後に、どこで使うかも考えておくと、載せる内容が決まりやすくなります。
ポートフォリオサイトが役立つ理由
発注者が知りたいのは、この人が何を作れるのか、どう考えて作るのかです。言葉で説明するより、作品と説明を見てもらうほうが、早く正確に伝わります。
- アドレスを伝えるだけで見てもらえる応募文、名刺、発信のプロフィールに載せられる
- いつでも更新できる新しい作品を足し、古いものを入れ替えられる
- サイトそのものが実力を表すデザインやサイト制作の仕事では、作りそのものが評価の対象になる
資料のファイルとの使い分け
| 形 | 強み | 向く場面 |
|---|---|---|
| サイト | 誰でもすぐ見られる。更新しやすい | プロフィールからの案内、初めての相手への紹介 |
| 資料のファイル | 相手ごとに内容を選べる。公開できない実績も、相手を限って見せられる場合がある | 個別の提案、エージェントへの提出 |
どちらか一方ではなく、サイトを基本にして、必要なときにファイルを添えるのが使いやすい形です。公開できない実績を相手に見せる場合も、契約で認められているかは先に確かめてください。
サイトの構成|ページごとの役割
5つの要素を、ページにどう分けるかを決めます。最初は1ページにまとめても構いません。作品が増えたら、ページを分けていきます。
| ページ | 役割 | 入れるもの |
|---|---|---|
| 最初のページ | 何の専門家かを、すぐに伝える | 1文の自己紹介、代表的な作品、連絡先への導線 |
| 作品の一覧 | 全体を見渡してもらう | 作品の画像、題名、種類や業界の分類 |
| 作品の詳細 | 考え方と担当範囲を伝える | 課題、担当した範囲、工夫、結果、使った道具 |
| プロフィール | 任せられる人かを判断してもらう | 経歴、得意な分野、対応できる範囲と時間 |
| 問い合わせ | 連絡のきっかけを作る | フォームかメール、返信までの目安 |
最初の画面で伝える3つのこと
訪れた人は、最初の画面で続きを読むかを決めます。次の3つが、画面を動かさずに目に入るようにします。
- 何の専門家か職種だけでなく、得意な業界や用途まで書く
- 代表的な作品最も見てほしいものを1〜3点
- 連絡の方法問い合わせへのボタンやリンク
案件につながる作品ページの書き方
サイトの価値は、作品の見せ方で変わります。並べるだけでなく、相手が判断しやすい形に整えます。
数を絞る
作品は、多ければよいわけではありません。今の実力を表し、今後受けたい仕事に近いものを選びます。古いものや、説明できないものを混ぜると、全体の印象が弱くなります。
1点ごとに書く項目
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 相手と課題 | どんな相手の、どんな課題だったか |
| 担当した範囲 | 全体のうち、自分が何をしたか |
| 狙いと工夫 | 何を考えて、どう作ったか |
| 結果 | 数字、相手の反応、その後の継続の有無 |
| 使った道具と期間 | 使った道具や技術、制作にかけた期間 |
記入例
| 相手と課題 | 地域で教室を運営する事業者。紹介ページが古く、料金と申し込みの方法が分かりにくかった |
|---|---|
| 担当した範囲 | 構成、デザイン、文章の調整、問い合わせフォームの設置 |
| 狙いと工夫 | 初めて訪れた人が迷わないよう、料金と体験の流れを最初の画面に置いた |
| 結果 | フォームから問い合わせが届くようになり、続けて案内用の資料の制作を依頼された |
| 使った道具と期間 | サイトを作成できるサービスを使用。制作期間は2週間 |
制作の過程で、考え方を見せる
「どんな課題を、どう考えて、どう解決したか」を書くと、作れるだけでなく、考えて作る人だと伝わります。途中の案や、採用しなかった案とその理由を1つ載せるだけでも、判断の進め方が伝わります。
チームで作ったものは、自分がどこを担当したかを分けて書いてください。全体を自分が作ったように見える書き方は、面談や取引の中で説明がつかなくなります。担当した範囲が狭くても、その部分で何を考えたかを書けば、十分に判断材料になります。
あわせて読みたい(実績の書き方と、載せる内容)
作る方法の選び方と、公開までの6ステップ
作る方法は、かけられる手間と、サイトで何を見せたいかで選びます。
| 方法 | 特徴 | 向く人 |
|---|---|---|
| 作品を公開できるサービス | 作品を登録するだけで、早く公開できる。見た目の自由度は高くない | まず公開したい。サイト作りに時間をかけられない |
| サイトを作成できるサービス | ひな形を使い、専門の知識がなくても見た目を整えられる | 見た目も含めて見せたい。自分で更新したい |
| 自分で用意するサイト | 自由度が高い。設定と保守に知識と手間が要る | サイト制作や開発の仕事で、作りそのものを見せたい |
料金や機能は、サービスごとに違い、変更されることもあります。無料の範囲では、広告が表示される、独自のアドレスを使えない、といった制限がある場合があります。選ぶ前に、公式の案内で確かめてください。
状況別の選び方
| 早く公開したい | 作品を公開できるサービスで始め、後から移す |
|---|---|
| デザインの仕事をしている | サイトを作成できるサービスで、見た目も整える |
| サイト制作や開発の仕事をしている | 自分で作る。作りそのものが、実力を示す材料になる |
| 執筆や企画の仕事をしている | 読みやすさを優先し、手間の少ない方法を選ぶ |
公開までの6ステップ
見せる相手を決める
どんな業界の、どんな依頼を受けたいかを決めます。載せる作品と言葉が決まります。
載せる作品を選び、許可を確かめる
受けた仕事は、公開してよいかを相手に確かめます。
作品ごとの説明を書く
課題、担当した範囲、工夫、結果を、先に文章で用意します。
作る方法を選び、形にする
最初は1ページで構いません。5つの要素がそろえば公開できます。
公開の前に確かめる
スマホでの表示、リンク、誤字、連絡先の動作を確かめます。
公開し、案内する
発信のプロフィール、名刺、応募文にアドレスを載せます。
時間がかかるのは、サイトを作る作業より、3つ目の説明を書く作業です。ここを先に済ませておくと、どの方法を選んでも早く公開できます。
独自のアドレスは必要か
独自のアドレス(ドメイン)は、必須ではありません。使うと、サービスを移してもアドレスを変えずに済み、名刺や資料に載せたアドレスがそのまま使えます。取得と更新には、費用がかかります。まずサービスのアドレスで公開し、続けて使うと決めてから取得しても遅くありません。
見やすいサイトにするコツと、公開前の確認
作品の質に加えて、サイトの見やすさも、仕事の丁寧さとして見られます。
- どこに何があるかが、すぐ分かるメニューの項目を少なくし、名前を分かりやすくする
- スマホで読みやすい文字の大きさ、画像の幅、ボタンの押しやすさを確かめる
- 表示が遅くない画像の容量を小さくしてから載せる
- 連絡先が、どのページからも見えるページの上か下に、問い合わせへのリンクを置く
- 更新した時期が分かる作品に制作した年を添える
公開前の確認表
| 確かめる点 | 内容 |
|---|---|
| 表示 | スマホとパソコンの両方で、崩れやはみ出しがないか |
| リンク | すべてのリンクが、正しいページを開くか |
| 連絡先 | フォームから送った内容が、自分に届くか |
| 文章 | 誤字や、古い情報が残っていないか |
| 許可 | 載せた作品すべてについて、公開の許可を得ているか |
| 他の人の目 | 何の専門家か、何を頼めるかが、すぐ伝わるかを聞く |
作るときの注意点
サイトは、誰でも見られる場所に公開されます。公開してよいものかどうかを、3つの面から確かめます。
| 確かめること | 内容 | 対処 |
|---|---|---|
| 取引先の許可 | 秘密保持の約束や、成果物の権利の定めがある | 公開の可否と範囲を、相手に確かめる |
| 素材の権利 | 写真、イラスト、書体などに、使える範囲の決まりがある | 利用の条件を確かめ、条件に合うものだけを使う |
| 自分の個人情報 | 自宅の住所や個人の電話番号を載せると、不特定の人に知られる | 連絡はフォームか、仕事用のメールにまとめる |
無断で公開すると、信頼を失うだけでなく、契約違反になるおそれがあります。許可が得られない場合は、作品そのものは載せず、業種と担当した内容だけを相手が特定できない形で書くか、自主制作で実力を示します。会社員時代に作ったものも、権利は原則として会社にあります。契約の解釈で迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。
作り込みすぎない
完成度を上げようとして、公開が遅れることがよくあります。まず見せられる状態にして公開し、使いながら直すほうが、早く役立ちます。自主制作を載せる場合は、その旨を明記してください。
公開した後の運用
サイトは、作って終わりではなく、育てていくものです。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 見てもらう | 発信のプロフィール、名刺、応募文、メールの署名にアドレスを載せる |
| 作品を入れ替える | 案件が終わるたびに、載せられるかを確かめ、古いものと入れ替える |
| 定期的に点検する | 数か月に1度、リンク、連絡先、プロフィールの内容を確かめる |
| 反応を記録する | 問い合わせで、どの作品を見たと言われたかを書き留める |
サイトを、指名される入口にする
得意な分野を決め、その分野の作品を前に出すと、サイト全体から「何の専門家か」が伝わります。プロフィールの言葉、作品の選び方、発信の内容がそろっているほど、「この課題ならこの人」と覚えてもらいやすくなります。サイトは、相手から相談が来る状態を作るための土台になります。
あわせて読みたい(選ばれる理由を作り、案件につなげる)
よくある質問(FAQ)
ポートフォリオサイトは、プロフィール、作品、制作の過程、発信へのリンク、連絡先の5つの要素で構成する。中心は作品で、最初は1ページにまとめてもよい
作品は数を絞り、1点ごとに、相手と課題、担当した範囲、狙いと工夫、結果を書く。作る方法は、かけられる手間と、見せたいもので選ぶ
受けた仕事は許可を得てから載せ、公開の前にスマホでの表示と連絡先を確かめる。公開した後は、作品を入れ替えながら育てる
まずは、載せる作品を3点選び、説明を書くところから始めてください。サイトが形になったら、応募や相談の場面で使っていきます。

