
商談で「何かお困りごとはありますか」と聞いて、「特にないですね」で会話が止まってしまった経験はないでしょうか。結論から言えば、ニーズを引き出すには「商談前に仮説を立てる」「状況→問題→影響→解決後の姿の順に質問する(SPIN話法)」「沈黙・言い換え・要約で本音を聞く」の3つが効果的です。相手がまだ言葉にしていない課題(潜在ニーズ)まで引き出せると、提案は「作業の見積もり」から「課題の解決策」に変わり、受注率と単価が上がります。顕在ニーズと潜在ニーズの違い、仮説のつくり方、SPIN話法の質問例、本音を引き出す聞き方、やりがちなNG、提案へのつなげ方までまとめました。
この記事でわかること
【結論】仮説を持ち、順番に質問し、聞き方で本音を引き出す
商談でニーズを引き出すには、次の3つを押さえます。
- 商談前に仮説を立てる相手のサイトや業界を調べ、「こんな課題があるのでは」という仮説を持って臨むと、質問が具体的になります
- 状況→問題→影響→解決後の姿の順に聞くいきなり「困りごとは?」と聞かず、事実から順に質問すると、相手も課題に気づきやすくなります
- 沈黙・言い換え・要約で本音を聞く相手の答えを急がせず、自分の言葉で言い換えて確かめると、言葉になっていない課題が出てきます
言われた作業をそのまま見積もる「御用聞き」ではなく、相手が本当に解決したいことを掘り起こす「相談相手」になることが、受注と単価の両方を上げる近道です。
商談は、案件を獲得するまでの大切な一歩です。案件の獲得方法の全体像も確認して、商談までの流れを整えましょう。
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顕在ニーズと潜在ニーズ、商談前の仮説づくり
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 顕在ニーズ | 相手がすでに言葉にしている要望 | 「サイトをリニューアルしたい」 |
| 潜在ニーズ | 相手がまだ言葉にしていない、本当に解決したい課題 | 「問い合わせが減っていて、営業の数字が落ちている」 |
「リニューアルしたい」という要望だけに応えると、見た目を新しくする作業の提案になります。「問い合わせを増やしたい」という本当の課題に応えると、導線の改善や集客まで含めた提案になり、価格ではなく成果で選ばれやすくなります。
商談の前に何を準備する?
- 相手のサイトやサービスを見る事業の内容、打ち出し方、気になる点を確認します
- 業界の動向を調べる業界でよくある課題や、最近の変化を把握します
- 仮説を2〜3個立てる「採用が難しくなっているのでは」「集客を広告に頼りすぎているのでは」など、確かめたい仮説を用意します
- 聞きたい質問を並べる仮説を確かめるための質問を、SPIN話法の順番で準備します
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SPIN話法の質問の型と例
SPIN話法は、営業の研究者ニール・ラッカム氏が提唱した質問の型で、4種類の質問を順番に重ねてニーズを引き出します。状況(Situation)、問題(Problem)、影響(Implication)、解決(Need-payoff)の頭文字をとった名前です。
| 1.状況質問 | 今の事実を確かめる。例:「現在、問い合わせは月にどのくらいありますか」 |
|---|---|
| 2.問題質問 | 不満や困りごとを聞く。例:「問い合わせの数や質で、気になっていることはありますか」 |
| 3.示唆質問 | 問題を放っておいたときの影響を考えてもらう。例:「このまま問い合わせが減ると、営業の計画にどんな影響がありそうですか」 |
| 4.解決質問 | 解決したあとの姿を話してもらう。例:「問い合わせが今の1.5倍になったら、どんなことができるようになりますか」 |
状況質問ばかりが続くと、相手は「調べれば分かることを聞かれている」と感じます。事前に調べられることは調べておき、状況質問は必要なものに絞るのがコツです。
オープン質問とクローズ質問はどう使い分ける?
- オープン質問で広げる「どのように」「なぜ」など、自由に答えてもらう質問で、相手の考えや背景を引き出します
- クローズ質問で確かめる「〇〇ということでよろしいですか」など、はい・いいえで答えられる質問で、理解が合っているかを確認します
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本音を引き出す聞き方
- 沈黙を怖がらない質問のあと、相手が考えている間は待ちます。沈黙のあとに本音が出てくることが多くあります
- 言い換えて確かめる「つまり、〇〇ということでしょうか」と自分の言葉で言い換えると、相手も考えが整理され、話を深めてくれます
- ときどき要約する話の区切りで「ここまでをまとめると」と要約すると、認識のずれを防げます
- 「なぜ」を重ねすぎない問い詰められているように感じさせないよう、「どんなきっかけで」「どういう背景で」とやわらかく聞きます
やりがちなNGと、提案へのつなげ方
| やりがちなNG | 改善策 |
|---|---|
| いきなり「困りごとはありますか」と聞く | 状況の質問から始め、順番に課題へ近づく |
| 自分の話や提案を先にしてしまう | 商談の前半は聞くことに集中する |
| 相手の答えを途中でさえぎる | 最後まで聞き、言い換えて確かめる |
| 言われた要望だけで見積もる | 要望の背景にある目的を確かめてから提案する |
| 聞いた内容を記録しない | 商談のあとにまとめ、相手と認識を合わせる |
引き出したニーズはどう提案につなげる?
聞いた内容を要約して送る
商談のあとに、課題と目的をまとめてメールで送り、認識が合っているか確かめます。
課題の言葉で提案を組み立てる
相手が商談で話した言葉を使って、課題→解決策→期待できる成果の順に提案します。
選べる案を示す
予算や優先度に合わせて、範囲の違う2〜3つの案を示すと、相手が決めやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
● 顕在ニーズの背景にある潜在ニーズを引き出すと、提案が作業の見積もりから課題の解決策に変わる
● 仮説を持ち、状況→問題→影響→解決後の姿の順に聞き、沈黙・言い換え・要約で本音を聞く
● 聞いた内容を要約して認識を合わせ、相手の言葉で提案を組み立てる

