
「自分の実績をどう数字にすればいいのかわからない」「数字にできる成果がない」と迷っていませんか。結論から言えば、実績は「成果・規模・効率・期間・品質の5つの切り口で数え、改善の前後と自分の担当範囲をセットにし、場面に合わせて相手の課題に近いものを選んで見せる」と、伝わる自己PRになります。数字が強い理由、職種別の例、数字がない・出せないときの工夫、伝わる実績文の型と書き換え例、スキルシートや提案書など場面別のまとめ方、注意点、日々の記録の仕方まで、このページで整理しました。
【結論】フリーランスの実績はどう数字でまとめればいい?
実績を数字でまとめるとは、自分の仕事の成果や規模、効率、期間、品質を数で表し、「この人に頼むとどんな結果が返ってくるか」を相手が具体的に想像できる形にすることです。次の3つを押さえてください。
- 5つの切り口で数える成果(売上、問い合わせ)だけでなく、規模、効率、期間、品質の切り口で、自分の仕事を数えられるところから探す
- 変化と担当範囲をセットにする「月20件から35件に」のように前後で示し、期間と自分が担当した範囲を短く添える
- 相手の課題に近い実績を選ぶすべてを並べず、応募する案件や提案先の課題に合う数字を厳選して見せる
数字は盛るためではなく、正確に伝えるために使います。
数字でまとめた実績は、案件探しや条件の交渉の材料になります。整理した実績を活かせる案件を探すなら、エージェントで比べる方法もあります。
なぜ実績は数字でまとめると伝わる?
数字で示した実績は、客観的で、具体的で、「自分の案件でも同じような成果が出そうだ」と相手に想像してもらいやすいため、言葉だけの実績より伝わります。
| 理由 | 言葉だけの場合 | 数字がある場合 |
|---|---|---|
| 客観的に伝わる | サイトの改善を頑張りました | 問い合わせを月20件から35件に増やしました |
| 何ができる人かがわかる | 大きなサイトを担当しました | 約300ページのサイトの移行を担当しました |
| 自社での成果を想像できる | 作業を効率化しました | 週5時間かかっていた集計を自動化し、30分にしました |
発注する側が知りたいのは、「この人に頼むと、うちにどんな結果が返ってくるか」です。数字は、その問いに短く答えるための言葉だと考えましょう。
何を数字にできる?5つの切り口と職種別の例
実績は「成果」「規模」「効率」「期間」「品質・信頼」の5つの切り口で数えられ、売上などの成果が出しにくい職種でも、規模や効率なら数字にできることが多くあります。
| 切り口 | 数字にできるもの |
|---|---|
| 成果 | 売上、問い合わせの数、コンバージョン率、アクセス数、検索順位、登録者数 |
| 規模 | 案件の予算、担当したページ数や機能の数、チームの人数、対応した件数 |
| 効率 | 短縮した作業時間、減らした工数、自動化した作業の量 |
| 期間 | 納期、改善までにかかった期間、継続している契約の年数 |
| 品質・信頼 | 不具合の件数、修正の回数、リピートの割合、継続して依頼を受けている社数 |
職種ごとの例は次のとおりです。
| 職種 | 数字にした実績の例 |
|---|---|
| エンジニア | ページの表示時間を4秒から2秒に短縮、月間10万人が使うサービスの決済機能を開発 |
| デザイナー | LPの改修で問い合わせ率を0.8%から1.2%に改善、3年間で40社のバナーを制作 |
| ライター | 担当した記事のうち15本が狙った語句で検索10位以内、月20本の記事を1年間継続して納品 |
| マーケター | 広告の獲得単価を3か月で2割削減、メールの開封率を改善して申し込みを月30件増加 |
| ディレクター | 5人のチームで50ページのサイトを3か月で公開、進行の見直しで修正の回数を半分に削減 |
数字がない・出せないときはどうする?
数字が手元にないときは「前後で比べられる指標を探す」「概算や幅で示す」、守秘義務で出せないときは「具体性の粒度を落とす」の3つの方法で表します。
| 状況 | 方法 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 成果の数字を測っていなかった | 前後で比べられる指標を探す。当時のデータや関係者に確認する | フォームの改修後、問い合わせが前月より増加(クライアントの報告による) |
| 正確な数字を覚えていない | 「約」「〜程度」「前年比で」など概算や幅で示す | 月間数万回の閲覧があるサイトの運用を担当 |
| 守秘義務で社名や数値を出せない | 業種や規模で表し、固有の情報を伏せる | 大手の通販サイトで、購入手続きの画面を改善し、購入率を改修前の1.1倍以上に改善 |
| 成果の数字がそもそも出ない仕事 | 規模、効率、期間、品質の切り口に切り替える | 約200件の問い合わせ対応の手順書を作成し、新人の研修期間を2週間短縮 |
社名を伏せても、業界や時期、数字の組み合わせからクライアントが特定できる場合があります。秘密保持契約(NDA)や業務委託契約で公開してよい範囲を確認し、判断に迷う場合はクライアントに許可を取ってから使いましょう。
伝わる実績の文はどう書く?型と書き換え例
伝わる実績の文は「どんな課題に、何をして、どう変わったか(数字)、自分はどこを担当したか」の順で書き、変化を前後の数字で示します。
| 課題 | どんな状況で、何が問題だったか |
|---|---|
| 行動 | 自分が何をしたか。考えたことや工夫も短く添える |
| 結果(数字) | 前後の数字、期間、比べた条件 |
| 担当範囲 | チームで取り組んだ場合、自分が担当した部分 |
書き換えの例は次のとおりです。
| 比べる点 | 伝わりにくい例 | 伝わる例 |
|---|---|---|
| 数字の有無 | LPの改善を担当しました | LPの改善で、問い合わせを月20件から35件に増やしました |
| 変化の見せ方 | 問い合わせ35件を獲得 | 問い合わせを月20件から35件へ、1.75倍に改善 |
| 条件の添え方 | 問い合わせを1.75倍に | 3か月で問い合わせを1.75倍に(広告の予算は同じ条件で比較) |
| 担当範囲 | チームで問い合わせを1.75倍にしました | チームで問い合わせを1.75倍に。自分はファーストビューの文言とCTAの設計を担当 |
割合や倍率は、計算の仕方をそろえて書きます。20件から35件なら、増えた数は15件、増加率は15÷20で75%、倍率は35÷20で1.75倍です。「75%増」と「1.75倍」は同じ変化の表し方の違いで、「175%増」とは書きません。
場面ごとにどうまとめる?スキルシート・ポートフォリオ・提案書・面談
数字の見せ方は場面によって変わり、スキルシートは簡潔に並べ、ポートフォリオは過程も見せ、提案書は相手の課題に近い実績を選び、面談では代表的な1〜2個に絞って話します。
| 場面 | まとめ方 | 選ぶ実績 |
|---|---|---|
| スキルシート | 案件ごとに、期間、役割、規模、成果を短い文と数字で並べる | 応募する案件に近い技術や業務の実績を上に置く |
| ポートフォリオ | 成果の数字に加え、課題、行動、結果の過程を見せる | 許可を得て公開できる、自分の強みが最も伝わる事例 |
| 提案書 | 相手の課題に近い実績を示し、同じ進め方で何ができるかを書く | 業種、課題、規模が相手に近い実績 |
| 面談・商談 | 代表的な実績を1〜2個に絞り、口頭で1分ほどで話せるようにする | 質問されても詳しく説明できる実績 |
どの場面でも、すべての実績を並べるより、相手の課題に合う数字を選ぶほうが伝わります。
あわせて読みたい(場面ごとの書き方)
数字を扱うときに気をつけることは?
実績の数字は、誇張しない、守秘義務を守る、自分の貢献を切り分ける、出どころを説明できる、の4つを守らないと、かえって信頼を失います。
- 面談で詳しく聞かれても説明できる数字だけを使っている
- 秘密保持契約や業務委託契約で、公開してよい範囲を確認している
- チームの成果を自分だけの手柄にせず、担当範囲を書いている
- 「どのツールで、いつからいつまでの数字か」を答えられる
- 季節や広告の予算の変化など、ほかの要因の影響も考えている
- 割合や倍率の計算をもう一度確かめている
一度でも「話を大きくする人」と思われると、ほかの実績まで疑われてしまいます。等身大の数字を、正直に、わかりやすく示すことが、長く選ばれるための基本です。
あわせて読みたい(実績の公開と作り方)
実績の数字はどう記録しておく?
実績の数字は、案件が終わるたびに同じ項目で記録しておくと、あとからスキルシートやポートフォリオを作るときに困りません。
| 案件の概要 | 業種、規模、期間、公開してよい範囲 |
|---|---|
| 担当範囲と役割 | 自分が担当した工程、チームの人数、使ったツールや技術 |
| 課題と行動 | 何が問題で、何をしたか、どんな工夫をしたか |
| 数字 | 前後の数字、測ったツール、期間、比べた条件 |
| 評価の声 | クライアントからの感想(公開してよいかも確認) |
記録はスプレッドシートやメモアプリで十分です。成果の数字は、案件の途中からクライアントと一緒に測っておくと、終わったあとに確認する手間も減ります。KPIの設計から関わると、成果を数字で示しやすくなります。
あわせて読みたい(成果を測れる仕事にする)
よくある質問(FAQ)
実績は数字で示すと客観的で具体的に伝わる。成果、規模、効率、期間、品質・信頼の5つの切り口で数えれば、成果の数字が出にくい職種でも数字にできる
数字がなければ指標を探すか概算や幅で示し、守秘義務があれば粒度を落とす。実績の文は課題、行動、結果(前後の数字)、担当範囲の順に書く
場面に合わせて相手の課題に近い実績を選び、誇張せず、出どころを説明できる数字だけを使う。案件が終わるたびに同じ項目で記録しておく
数字でまとめた実績は、案件探しや条件の交渉でそのまま材料になります。整理した実績を活かして次の案件につなげたい方は、エージェントを複数比べて、自分の強みに合う案件を探してみてください。

