
「常駐案件はリモートより稼げる?」「偽装請負にならないか不安」——こんな疑問を持つフリーランスエンジニアは多い。常駐案件は、リモート限定案件より月10〜15万円高くなるケースもある反面、契約形態や指揮命令系統を誤ると法的リスクも生じる。この記事では2026年最新データをもとに、常駐案件に強いエージェント6選・業界別の単価相場・偽装請負の回避策まで詳しく解説する。
常駐案件とは?リモートとの違い【2026年版】
常駐案件とは、フリーランスがクライアント企業のオフィスや開発拠点に一定期間出向いて業務を行う案件のこと。週3〜5日の出社が求められるケースが多く、SIer・大手メーカー・金融機関などのシステム開発プロジェクトで広く採用されている。
常駐案件の契約形態(準委任 vs 請負)
フリーランスの常駐案件は、主に以下の2つの契約形態で結ばれる。どちらであるかによって、責任の範囲・リスクが大きく変わる。
| 契約形態 | 成果物の責任 | 業務の性質 | フリーランスへの適合性 |
|---|---|---|---|
| 準委任契約 | なし(業務遂行責任のみ) | 特定業務の遂行(設計・開発・テスト等) | ★ フリーランスに多い |
| 請負契約 | あり(完成責任・瑕疵担保) | 成果物の完成・納品 | ☆ リスクが高いため注意 |
フリーランスの場合、準委任契約が主流。ただし、準委任契約であっても現場で「指揮命令」を受けると偽装請負の問題が生じる(詳細は第5章参照)。
常駐 vs リモート:単価・条件を比較
🏢 常駐案件
- 月単価:70〜130万円が主要レンジ
- リモートより月10〜15万円高いケースも
- 週3〜5日の出社が基本
- チームに溶け込みやすく、スキルアップが速い
- 交通費は経費計上可能(自己負担)
- 大手SIer・金融系で多い
💻 リモート案件
- 月単価:60〜100万円が主要レンジ
- スキルが高いほどリモート条件を引き出せる
- 全国どこからでも働ける
- 交通費・移動時間がゼロ
- 自己管理力が求められる
- スタートアップ・Web系で多い
2026年現在、大企業中心に「出社回帰」の動きはあるが、フリーランスへの影響は正社員より限定的。「スキルが高い人ほどリモート条件を引き出せる」構造が定着しており、常駐かリモートかは二択ではなくスキル依存の構造に変化している。
常駐案件を多く扱うエージェント6選
常駐案件を安定して受注するには、案件数・マージン率・サポート体制の揃ったエージェントへの複数登録が有効だ。以下、常駐案件に強い6社を詳しく紹介する。
1. レバテックフリーランス
首都圏常駐案件最多水準 高単価 担当者サポート充実- 案件数
- 公開案件だけで数万件(常駐・リモート含む)
- マージン率
- 非公開(業界平均水準)
- 対応地域
- 首都圏中心・一部地方・リモートも豊富
- 支払いサイト
- 月末締め翌月末払い
2. PE-BANK
業界最低水準のマージン率 製造業・インフラ系に強い 全国12拠点- 案件数
- 数千件(常駐案件の比率が高い)
- マージン率
- 約8%(業界最低水準)
- 対応地域
- 全国12拠点(地方常駐案件にも対応)
- 支払いサイト
- 月末締め翌月15日払い(最速水準)
3. ギークスジョブ
12,000件超の公開案件 週3日〜OK リモート82%以上- 案件数
- 公開案件10,000件超(2026年時点)
- マージン率
- 非公開(業界平均程度)
- 対応地域
- 全国・リモート率82%以上
- 支払いサイト
- 月末締め翌月末払い
4. Midworks(ミッドワークス)
低マージン+福利厚生 案件継続率90%- 案件数
- 数千件(常駐・リモート両方)
- マージン率
- 約20%前後(福利厚生込み)
- 対応地域
- 首都圏・関西圏中心
- 支払いサイト
- 月末締め翌月25日払い
5. クラウドワークス テック
リモート率93.3% 常駐案件も保有- 案件数
- 数千件(リモート中心・常駐も保有)
- マージン率
- 非公開(直案件型)
- 対応地域
- 全国・フルリモートが主力
- 支払いサイト
- 月末締め翌月末払い
6. coconalaテック
直請け100% エンド直取引- 案件数
- 数百〜数千件(直請けのみ)
- マージン率
- 非公開(直請けのため低め)
- 対応地域
- 首都圏・リモート含む
- 支払いサイト
- 月末締め翌月末払い
👉 常駐案件を探すなら、まず2〜3社に同時登録するのがコツ。各エージェントで保有案件が異なるため、複数比較することで好条件の案件を見つけやすくなる。
▶ 常駐案件対応エージェント比較ページを見る常駐案件の業界別・職種別 単価相場【2026年6月版】
フリーランスボードの集計によると、フリーランスエンジニアの月額平均単価は76.3万円(2026年6月)。常駐案件の単価は職種・業界・経験年数によって大きく変わる。以下に常駐案件が多い5大業界と職種別の目安を示す。
常駐案件が多い5大業界と主な職種・単価
大手SIer・DXプロジェクト
富士通・NTTデータ・NEC・日立等の大型開発プロジェクトへの常駐。SAP・ERP・基幹系システムの設計・開発・保守が中心。
金融・証券・保険システム
メガバンク・証券会社・生損保のコアシステム開発・バッチ処理・勘定系改修。セキュリティ要件が厳しく常駐が必須のケースが多い。
通信・インフラ系
NTT・KDDI・ソフトバンクのネットワークインフラ構築・クラウド移行。常駐での設備確認・ラック作業が発生するため出社必須の場合が多い。
コンサルティング・PMO
アクセンチュア・デロイト・PwC等へのPMO支援・BPR・システム企画。プロジェクト管理・要件定義フェーズは常駐での対面打ち合わせが前提。
ゲーム・エンタメ・メディア
任天堂・カプコン・DeNA・サイバーエージェント等の開発スタジオへの常駐。チーム開発との連携が密で、週4〜5日の常駐が基本。スマホゲーム・コンシューマゲームを問わず需要が高い。
マージン率別の手取り額シミュレーション
エージェントのマージン率によって、同じ案件単価でも手取りは大きく変わる。以下の表で自分の状況に照らし合わせてほしい。
| 案件単価(月額) | マージン8% (PE-BANK水準) |
マージン15% (業界平均下限) |
マージン20% (業界平均) |
マージン25% (高めの設定) |
|---|---|---|---|---|
| 60万円 | 55.2万円 | 51.0万円 | 48.0万円 | 45.0万円 |
| 80万円 | 73.6万円 | 68.0万円 | 64.0万円 | 60.0万円 |
| 100万円 | 92.0万円 | 85.0万円 | 80.0万円 | 75.0万円 |
| 120万円 | 110.4万円 | 102.0万円 | 96.0万円 | 90.0万円 |
月100万円の案件でも、マージン率が8%か25%かで手取りは約17万円の差が生じる。マージン率は必ず事前に確認することが重要だ。また、常駐案件では交通費が別途かかることも念頭に置いておきたい。
常駐案件のメリット・デメリット
常駐案件の強み・向いている人
- 単価が高い:リモート限定案件と比べて月10〜15万円高くなるケースもあり、年収ベースで大きな差になる
- スキルアップが速い:現場のエンジニアと密にコミュニケーションを取れるため、技術・業務知識の習得スピードが上がる
- 長期継続しやすい:チームに馴染むほど継続発注されやすく、数年単位の安定した収入につながる
- 大手案件にアクセスしやすい:SIer・金融・通信系の大手プロジェクトは常駐前提が多く、高難度・高単価の案件に携われる
- ネットワークが広がる:現場の正社員・他フリーランスとのつながりが次の案件紹介にもつながる
常駐案件のデメリット・注意点
- 交通費・移動時間が自己負担:常駐先が遠い場合、交通費が月数万円になることも。移動時間も含めると実質の時間単価が下がる場合がある
- 居住地の制約:毎日または週複数日の通勤が必要なため、クライアント企業の近くに住んでいることが前提になる
- 複数案件の掛け持ちがしにくい:週5日常駐の場合、副業案件を入れる余裕が少なくなる
- 偽装請負リスク:準委任契約であっても、現場で指揮命令を受けると偽装請負になる可能性があり、法的リスクが生じる(詳細は次章)
👉 常駐・リモート両対応のエージェントを比較して、自分に合った案件スタイルを見つけよう。
▶ フリーランスエージェント比較ページを見る法的注意点:偽装請負とフリーランス新法【2026年版】
偽装請負とは?準委任契約でも起きるリスク
偽装請負とは、形式上は業務委託(請負・準委任)契約なのに、実態としてクライアント企業が直接指揮命令を行っている状態を指す。これは労働者派遣法・職業安定法に違反するリスクがあり、発注者(クライアント企業)だけでなく、エージェント側も処罰の対象となり得る。
● クライアントの社員から直接「〇〇を今日中にやってほしい」と指示を受ける
● 勤怠管理(出退勤・休憩)をクライアント企業が行っている
● クライアントの社員と同じチャットツール・席で業務している(形式だけ委託)
● 業務の優先順位・進め方をクライアント側が決めている
対面・常駐でもオンラインでも、指示系統が誰に属するかが判断のポイントとなる。
常駐案件で偽装請負を避けるには、①契約書に業務の範囲・指示系統を明記 ②エージェントを通じた指示体制の整備 ③日常の業務記録の3点が重要。疑問がある場合はエージェントの担当者や弁護士に相談すること。
フリーランス新法・2026年取適法で何が変わったか
60日以内の報酬支払い義務:常駐案件を含むすべての業務委託で、成果物の受領から60日以内に報酬を支払う義務がクライアントに課された。違反した場合、行政指導・公表の対象に。
取引条件の書面明示義務:業務内容・報酬額・支払い期日・成果物の条件を書面(メール可)で明示することが義務化。口約束での常駐案件は法的リスクがある。
育児配慮義務:子の急病などによる納期変更について、発注者に配慮義務が課された。
一方的な報酬決定の禁止:クライアントがフリーランスの意見を聞かずに一方的に単価を決めることが禁止された。常駐単価の交渉において、フリーランス側の発言権が法的に強化されている。
常駐案件でこれまで「言いなりになっていた」という状況は、2026年以降は法的に問題がある可能性がある。単価交渉の際はエージェントを通じて適切に主張しよう。
交通費は原則として経費計上できる:常駐案件への通勤交通費は、業務に必要な費用として「旅費交通費」に計上できる。ただし、生活の本拠地から常駐先までの通勤費であることが前提。
注意点:同一のクライアントに長期常駐している場合、税務署から「実質的な給与所得」と指摘されるリスクがある。複数の取引先から収入を得ていることを示す記録を保持しておくことが重要。
確定申告・税務処理については、必ず税理士や専門家に相談のうえ対応してほしい。
エージェント選び5つのポイント
👉 エージェント選びに迷ったら、まず比較ページをチェック。常駐・リモート両対応の6社を一覧で確認できる。
▶ エージェント比較ページを見る- 常駐案件の保有数を確認する:エージェントによって「リモート特化」「常駐特化」と傾向が異なる。登録前に担当者に「常駐案件は何件くらいありますか?」と直接聞くのが最も確実。
- マージン率(仲介手数料)を確認する:非公開のエージェントも多いが、複数社に登録して提示単価を比較することで実質マージン率を把握できる。PE-BANKのように公開しているエージェントは信頼度が高い。
- 対応地域・通勤可能エリアを確認する:常駐案件は現地への出社が前提。首都圏外在住の場合は、地方拠点を持つエージェント(PE-BANKなど)や、リモート可能な常駐案件を保有するエージェントを選ぶ。
- 契約・法的サポートの有無を確認する:偽装請負・フリーランス新法対応など、法的トラブルを予防・対処してくれるサポートがあるエージェントは心強い。大手(レバテック・ギークスジョブ)は法務サポートが整っていることが多い。
- 支払いサイト(支払いの速さ)を確認する:常駐案件は交通費など前払いコストが発生するため、報酬の入金が速いほど資金繰りが楽になる。PE-BANKの翌月15日払いは業界最速水準のひとつ。
よくある質問(FAQ)
まとめ:常駐案件で高単価を実現するために
① 常駐案件はリモートより月10〜15万円高くなるケースがあり、SIer・金融・コンサル・通信系で特に単価が高い(月70〜150万円の幅)
② フリーランスエンジニア平均月単価は76.3万円(フリーランスボード2026年6月)。マージン率8%のPE-BANKなら月100万案件で92万円の手取りが可能
③ 偽装請負に注意:準委任契約でも「指揮命令」を受けると法的リスクが生じる。契約書の確認・日常記録・エージェントへの相談が重要
④ フリーランス新法(2024年11月施行)・取適法(2026年1月施行)により、常駐案件でも60日以内支払い・書面明示・一方的単価決定禁止が法的に保護される
⑤ 常駐案件の交通費は原則として経費計上できる。領収書・乗車履歴を保存し、確定申告に備えよう(詳細は税理士へ)
⑥ エージェントは2〜3社に同時登録するのが基本。常駐案件に強いレバテック・PE-BANK・ギークスジョブの組み合わせが特に効果的

