フリーランスのタスク優先順位の付け方|緊急度×重要度で整理

フリーランスのタスク優先順位の付け方|緊急度×重要度で整理

複数の案件、迫る納期、合間の事務作業――フリーランスは、やるべきことが常に積み上がっています。しかも、何を先にやるかはすべて自分で決めなければなりません。結論から言えば、タスクの優先順位は全部書き出して、緊急度と重要度の2つで4つに分けるだけで、今やることとやらなくてよいことがはっきりします。

目次

【結論】タスクの優先順位の付け方

タスクの優先順位づけとは、限られた時間を、価値の高い仕事から順に割り当てることです。やることは次の4つです。

  1. 抱えているタスクをすべて書き出す締め切りと、おおよその所要時間を添える
  2. 緊急度と重要度で、4つの領域に分けるすぐやる、予定する、手間を減らす、やめる
  3. 「重要だが緊急でない」仕事を、先に予定へ入れる学習、営業、実績の整理などは、締め切りがないため後回しになる
  4. その日に終わらせる作業を3つまで決めるいちばん重いものを、最初に片づける

優先順位をつけるとは、やらないことを決めることでもあります。すべてをこなそうとせず、重要でも緊急でもない作業は手放してください。

仕分けをしても、すぐやるべき作業だけで時間が埋まってしまうなら、原因はタスクの順番ではなく量にあります。単価の低い案件を数多く抱えていると、こなす作業の総量が増え、どう並べても余裕は生まれません。時間あたりの報酬が高い案件に少しずつ入れ替えると、タスクの数そのものを減らせます。

なぜフリーランスに優先順位づけが欠かせないのか

会社員なら、上司や周囲が仕事の優先度をある程度示してくれます。フリーランスは、何を、いつ、どの順でやるかを、すべて自分で判断しなければなりません。優先順位がないまま働くと、次のことが起きます。

  • 目の前の急ぎの用件ばかりに追われる連絡への返信や細かい修正で1日が終わる
  • 収入や成長につながる仕事が後回しになる学習や営業に手がつかず、次の案件につながらない
  • 締め切りの直前に慌てる重い作業が最後に残り、品質が下がる

「緊急」と「重要」は別のもの

優先順位づけでつまずく最大の原因は、緊急なものと重要なものを混同していることです。緊急な用件はつい先にやりたくなりますが、そのなかには重要でないものも多く含まれます。

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区分意味見分ける問い
緊急期限が迫っている、すぐ対応を求められている今日やらないと、明日困るか
重要収入、信頼、将来の成長に影響するやらなかったら、3か月後に困るか

まずタスクを全部書き出す

優先順位は、頭の中だけでは決められません。最初にやるのは、抱えているタスクをすべて書き出して見える形にすることです。

  • 大小を問わず、頭にあるタスクをすべて書き出す紙でも、アプリでも構わない
  • 締め切りと、おおよその所要時間を添える「30分」「2時間」のように大まかでよい
  • 案件ごとではなく、1つの一覧にまとめる全体を見渡せないと、順番を比べられない
  • 大きすぎるタスクは、2時間以内の単位に分ける「提案書を作る」ではなく「構成を作る」「本文を書く」
POINT|書き出すだけで、頭が軽くなる

頭の中では大量に感じていたタスクも、書き出してみると数が限られていることに気づく場合があります。落ち着かない感覚の原因は、量そのものより、整理されていないことにあります。

緊急度×重要度の4つの領域と、仕分けの例

優先順位づけで最もよく知られた型が、緊急度と重要度の2つでタスクを4つに分ける方法です。第34代アメリカ大統領の名前からアイゼンハワー・マトリクスと呼ばれ、スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』では「時間管理のマトリックス」として紹介されています。

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区分緊急度が高い緊急度が低い
重要度が高い第1領域
すぐやる
第2領域
予定に入れる
重要度が低い第3領域
手間を減らす
第4領域
やめる

フリーランスのタスクを仕分けた例

領域タスクの例対応
第1領域(緊急で重要)納期が迫った納品物、障害への対応、契約に関わる返信最優先で、すぐ自分で取り組む
第2領域(重要だが緊急でない)学習、営業、実績の整理、単価の見直し、体調の管理日時を決めて、予定表に入れる
第3領域(緊急だが重要でない)定型の返信、日程の調整、請求書の発行、経費の入力ひな形や自動化で手間を減らす。まとめて処理する
第4領域(緊急でも重要でもない)目的のない情報収集、必要以上の体裁づくり、惰性で続けている作業やめる。または回数を減らす
※ 仕分けの例です。同じ作業でも、状況によって領域は変わります。

この表にタスクを当てはめると、今やるべきことと、やらなくてよいことが分かれます。感覚で決めていた順番が、同じ基準で整理されます。

4つの領域への対応と「しない仕事」の決め方

仕分けたら、領域ごとに対応を変えます。すべてを自分で、同じ力でやろうとしないことが要点です。

成長の鍵は第2領域にある

多くの人が後回しにするのが、重要だが緊急でない第2領域です。学習、営業、発信、体調の管理には締め切りがないため、放っておくといつまでも手がつきません。ここに時間を割けるかどうかが、数か月後の単価や案件の質に影響します。「火曜の午前は営業」「金曜の午後は学習」のように、案件の予定より先に予定表へ入れてください。

第3領域は、仕組みで小さくする

定型の返信、請求書の発行、経費の入力といった第3領域の作業は、やらないわけにはいきませんが、毎回考えながら行う必要もありません。ひな形と手順を決めておけば短い時間で終わり、会計ソフトなどに任せられる部分は自動化できます。第3領域が小さくなれば、第1領域と第2領域に使える時間が増えます。

「しない仕事」を決める

優先順位をつけるとは、やらないことを決めることです。第4領域の作業を手放さない限り、時間は空きません。すべてを完璧にこなそうとせず、価値の低い作業はやめる、と決めてください。断りにくい依頼も、受ける前に領域を確かめると判断しやすくなります。

迷ったときの判断の問いと、1日の組み立て方

実際には、どの領域か迷うタスクや、同じ領域のなかで順番に迷うタスクが出てきます。決まった問いを順に当てはめると、迷う時間を減らせます。

どの領域か迷ったときの3つの問い

  1. やらなかったら、何が起きるか大きな問題が起きないなら、重要度は低い
  2. 期限は、相手との約束か、自分で決めたものか相手との約束は動かしにくい。自分で決めた期限は調整できる
  3. 自分がやる必要があるかひな形や道具で済むなら、手間を減らす対象にする

同じ領域のなかで順番を決める基準

1. 締め切り相手との約束の期日が近いものを先にする
2. 影響自分が止まると、相手の作業も止まるものを先にする
3. 重さ考える仕事を、頭が働く時間帯に置く
4. 所要時間数分で終わるものは、細切れの時間にまとめる

1日の組み立て方

1

朝、その日に終わらせる作業を3つまで決める

第1領域から選び、少なくとも1つは第2領域から入れます。3つを超えると、どれも中途半端になります。

2

いちばん重い作業から始める

取りかかりやすい作業から始めると、重い作業が夕方に残ります。連絡を開く前に、最初の1つに着手します。

3

第3領域の作業は、時間を決めてまとめる

返信や事務は、昼前と夕方のように時間を決めて一度に処理します。来るたびに対応すると、集中が途切れます。

4

終業時に、一覧を更新して翌日の最初の作業を決める

終わったものを消し、新しく入ったものを足します。翌朝、何から始めるかで迷わなくなります。

複数案件のタスク管理と、道具の選び方

複数のクライアントを抱えると、タスクが案件ごとに散らばり、全体を把握しにくくなります。すべての案件のタスクを1か所で管理することが、混乱を防ぐ基本です。

納期から逆算して、予定に入れる

優先順位を決めたら、各タスクを納期から逆算し、いつ着手するかを予定表に置きます。「やることの一覧」を「いつやるか」まで落とすことで、漏れと締め切りの遅れを防げます。

管理の道具は、型で選ぶ

型特徴向いている人
紙・ノートすぐ書ける。一覧性が高い案件が少ない人。まず試したい人
リスト型のアプリ締め切りや優先度で並べ替えられる細かいタスクが多い人
ボード型のアプリ「未着手・作業中・完了」のように、進み具合を列で見られる案件ごとの進行を見渡したい人
予定表いつやるかを時間で確保できる着手が遅れがちな人

どの道具でも構いませんが、1つに決めて使い続けることが大切です。複数の道具にタスクが分かれると、全体を見渡せなくなります。クライアントから指定された管理の道具がある場合も、自分用の一覧には全案件のタスクをまとめておきましょう。

優先順位づけでやりがちな失敗と対策

優先順位づけには、はまりやすい失敗があります。当てはまるものがあれば、対策を1つだけ試してください。

失敗起きること対策
緊急なものばかり優先する第2領域がいつまでも手つかずになる第2領域の時間を、週の予定に先に入れる
簡単なものから手をつける達成感はあるが、重要な仕事が進まないその日の最重要の作業を、最初に片づける
すべてが重要に見える仕分けができず、結局来た順にこなす「やらなかったら何が起きるか」を1つずつ確かめる
一覧を作って満足する書き出しただけで、予定に入っていないその日の3つを決め、時間まで予定表に入れる
一覧を更新しない古いタスクが残り、一覧を見なくなる終業時に毎日更新し、週に1回全体を見直す

よくある質問(FAQ)

Qタスクの優先順位は、どうやって決めればいいですか?
A抱えているタスクをすべて書き出し、緊急度と重要度の2つで4つの領域に分けてください。緊急で重要なものはすぐやる、重要だが緊急でないものは日時を決めて予定に入れる、緊急だが重要でないものは手間を減らす、どちらでもないものはやめる、が基本です。
Q緊急と重要は、どう見分ければいいですか?
A緊急は「今日やらないと明日困るか」、重要は「やらなかったら3か月後に困るか」で見分けます。期限が迫っているだけで、収入や信頼、将来の成長に影響しないものは、緊急でも重要ではありません。
Qアイゼンハワー・マトリクスとは何ですか?
Aタスクを緊急度と重要度の2軸で4つの領域に分ける方法です。第34代アメリカ大統領の名前にちなんで呼ばれ、スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』では時間管理のマトリックスとして紹介されています。重要だが緊急でない第2領域に時間を割くことが要点です。
Q全部が重要に見えて、仕分けができません。
A1つずつ「やらなかったら何が起きるか」を確かめてください。大きな問題が起きないものは、重要度が低いタスクです。あわせて、期限が相手との約束か自分で決めたものかを分けると、動かせるタスクが見えてきます。
Q重要だが緊急でない仕事に、どうしても時間が取れません。
A案件の予定より先に、予定表へ時間の枠を入れてください。「火曜の午前は営業」「金曜の午後は学習」のように曜日と時間を固定します。空いた時間にやろうとすると、締め切りのある作業に押されて手がつきません。
Q1日にいくつのタスクをこなすのが適切ですか?
Aその日に必ず終わらせる作業は、3つまでに絞るのがおすすめです。3つを超えると、どれも中途半端になりやすくなります。いちばん重い作業を最初に片づけ、返信や事務などの軽い作業は時間を決めてまとめて処理します。
Qタスク管理の道具は、何を使えばいいですか?
A紙、リスト型のアプリ、ボード型のアプリ、予定表のどれでも構いません。大切なのは、1つに決めて全案件のタスクをまとめることです。細かいタスクが多い人はリスト型、案件ごとの進み具合を見たい人はボード型が向いています。
Q優先順位をつけても、タスクが多すぎて終わりません。
A順番ではなく、量に原因がある可能性があります。定型の返信や請求などの作業は、ひな形や自動化で時間を減らしてください。それでも収まらない場合は、受ける量を減らすか、時間あたりの報酬が高い案件に入れ替えることを検討します。
この記事のまとめ

タスクはすべて書き出し、緊急度と重要度で4つの領域に分ける

第2領域は先に予定へ入れ、第3領域はひな形や自動化で小さくし、第4領域はやめる

迷ったら3つの問いで判断し、その日に終わらせる作業を3つまでに絞る

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