フリーランスのポートフォリオはどう作る?職種別の必須項目・実績ゼロからの作り方を徹底解説

フリーランスのポートフォリオはどう作る?職種別の必須項目・実績ゼロからの作り方を徹底解説

ポートフォリオに何を載せればよいのか。実績が少ない場合はどうするのか。職種によって違いはあるのか。結論から言えば、フリーランスのポートフォリオは、「基本の6項目をそろえ、実績を課題、行ったこと、結果の流れで書き、応募先に合わせて見せる順番を変える」ことで、判断材料として働きます。職種別に載せるもの、実績が少ないときの作り方、避けたい失敗、作る方法の選び方まで、この1ページで整理します。

目次

【結論】ポートフォリオに載せる基本の6項目

ポートフォリオとは、自分の技術、実績、仕事の進め方を、発注者に伝えるための資料です。作品を並べるだけのものではありません。発注者が「この人に任せて大丈夫か」を判断できるよう、次の6項目をそろえます。

  1. プロフィール名前または屋号、何の専門家か、対応できる時間
  2. 技術と使える道具実務で使った期間と、どの程度まで任せられるか
  3. 実績課題、担当した範囲、行ったこと、結果をあわせて書く
  4. 得意な分野業界や用途を絞り、誰のどんな課題に合うかを示す
  5. 料金の目安載せるかどうかは任意。載せる場合は、条件や幅を添える
  6. 連絡先問い合わせの方法を、見つけやすい場所に置く

今日できることは、直近の仕事を1つ選び、「相手は何に困っていたか、自分は何をしたか、どうなったか」を3文で書くことです。これが、実績の欄の最初の1件になります。

ポートフォリオは、自分で営業するときにも、エージェントに相談するときにも使えます。エージェントを通じた案件では、職務の経歴をまとめたスキルシートが中心になり、ポートフォリオはそれを補う資料として役立ちます。

ポートフォリオが必要な理由と、スキルシートとの違い

フリーランスは、初めての相手と取引を始める機会が多くあります。口頭の説明だけでは伝わりにくい実力を、見える形で示すのがポートフォリオです。

  • 任せられる水準かを、相手が自分で確かめられる成果物と説明があれば、面談の前に判断の材料がそろう
  • 単価の話をするときの根拠になる似た案件の経験と結果を示せると、金額の理由を説明しやすい
  • 相手とのずれを減らせる得意な分野と対応できる範囲が伝わり、合わない依頼が減る

スキルシートとの違い

資料中身伝わる点使う場面
ポートフォリオ成果物と、その課題や工夫の説明作れる水準と、考え方自分での営業、制作や執筆の仕事
スキルシート担当した案件ごとの期間、役割、使った技術の一覧経験の幅と長さエージェントへの登録、企業との面談

エンジニアなど、成果物を公開しにくい職種では、スキルシートが中心になります。デザインや執筆など、成果物を見せられる職種では、ポートフォリオが中心です。両方を用意し、相手に合わせて使い分けると確実です。

6項目を書くときの注意

項目書き方避けたい例
プロフィール何の専門家かを、最初の1文で伝える経歴を年代順に長く並べる
技術と道具実務で使った期間と、任せられる範囲を書く触れたことがある程度のものまで並べる
実績課題、担当した範囲、行ったこと、結果を書く「制作しました」だけで終わる
得意な分野業界か用途を絞って書く「何でも対応できます」と書く
料金の目安条件によって変わることを添える最低の金額だけを書く
連絡先方法を1〜2つに絞り、目立つ場所に置く使っていない連絡先を残す
実績を載せる前に、許可と権利を確認する

過去の仕事を載せる場合は、取引先の許可が必要です。秘密保持の約束があったり、成果物の権利が発注者に移っていたりするためです。納品のときに、掲載してよいか、どこまで出してよいかを確かめる習慣をつけてください。許可が得られない場合は、業種と課題、担当した範囲だけを、相手が特定できない形で書く方法があります。その場合も、契約の内容は先に確認します。

職種別に載せるもの

載せるものは、職種によって変わります。発注者が確かめたい点が、職種ごとに違うためです。

職種載せるもの見られる点
エンジニア公開できるコード、作ったものの画面と説明、使った技術の構成、担当した工程と役割設計の考え方、説明の分かりやすさ、チームでの役割
デザイナー制作物の画像やリンク、目的と対象、担当した範囲、使った道具目的に合った設計か、判断の理由を説明できるか
ライター公開された記事のリンク、得意な分野、取材や構成の経験、対応できる本数読みやすさ、専門性、納期を守れる量
マーケター担当した施策と結果、扱った手法、使った道具、予算の規模仮説から改善までの進め方、数字の読み方
動画の制作公開された動画のリンク、動画の種類、担当した工程、使った道具目的に合った構成か、対応できる範囲
コンサルタント支援した業界と規模、支援の内容、結果、登壇や執筆の実績課題の捉え方、支援の進め方

数字を載せるときの注意

閲覧数や改善の割合などの数字は、伝わりやすい材料です。ただし、取引先の数字は、相手の許可なく公開できないことがあります。載せる場合は、公開してよいかを確かめ、自分が担当した範囲と、数字の出どころを添えてください。数字を出せない場合は、取り組む前と後の変化を言葉で書きます。

どの職種でも共通すること

  • 担当した範囲を明記するチームの成果のうち、自分が何をしたかを分けて書く
  • 応募先に近いものを前に出す相手の業界や課題に近い実績を、最初に置く
  • 数を絞るすべてを並べず、今後受けたい仕事に近いものを選ぶ

実績が少ないときの作り方

実績がまだ少ない段階でも、ポートフォリオは作れます。次の4つを組み合わせて、見せられる材料をそろえます。

方法内容注意点
自主制作相手と課題を想定して作り、狙いと工夫を添える自主制作と明記する。実在する企業の名前やロゴは使わない
知人や団体の依頼小さな依頼を受け、掲載の許可を得る無償や低い金額は、件数か期間を区切る
クラウドソーシング小さな案件で、実際の取引と評価を得る単価は低めになりやすい。続けすぎない
前の職場での経験業界、規模、担当した範囲を、経験として書く成果物そのものは、許可なく公開しない

自主制作は、仕事と同じ条件で作る

好きなものを作るだけでは、判断材料としては弱くなります。相手、課題、狙い、期限を決め、実際の仕事と同じように作ります。そのうえで、なぜその構成や設計にしたのかを説明に書きます。完成度だけでなく、考え方が伝わることが大切です。

できることより、誰の課題を解決できるかを書く

実績が少ない段階では、対象を絞るほうが伝わります。「何でも対応できます」より、「小規模な店舗の紹介ページを作れます」「医療分野の記事を書けます」のように、相手と用途を限定すると、少ない実績でも頼む理由が見えやすくなります。

発注者が見ている6つの点

発注者の立場で見ると、確かめたい点は限られています。それぞれに対して、何を用意すればよいかを整理します。

見る点確認点用意
自社の案件との近さ似た業界や課題の経験があるか業界や用途ごとに、実績を分けて載せる
成果物の水準求める水準に届いているか数を絞り、今の実力を表すものを選ぶ
考え方なぜそうしたかを説明できるか課題、行ったこと、結果の流れで書く
伝え方説明が分かりやすいか短い文で書き、専門用語を減らす
新しさ今も活動しているか更新した時期を示し、定期的に見直す
連絡のしやすさすぐに問い合わせられるか連絡先を、どのページからも見える場所に置く

実績1件の書き方

課題小規模な教室の紹介ページ。問い合わせの方法が電話のみで、受付の時間外に取りこぼしがあった
担当した範囲ページの構成、文章、デザイン、問い合わせフォームの設置
行ったこと料金と体験の流れを最初の画面に置き、フォームの入力項目を必要なものだけに絞った
結果フォームから問い合わせが届くようになり、続けて案内用の資料の制作を依頼された
※ 記入例です。実際の実績に置き換えて書いてください。

避けたい5つの失敗

内容がよくても、次の点に当てはまると、信頼を損ねます。公開の前に確かめてください。

失敗起きること対処
許可なく実績を載せる契約違反になり、トラブルにつながるおそれがある納品のときに、掲載の可否と範囲を確かめる
情報が古いまま今も活動しているのか、疑われる定期的に見直し、連絡先と実績を更新する
「作りました」で終わる相手が判断できない課題、行ったこと、結果を添える
何でもできると書く何が得意な人なのかが伝わらない前に出す分野を決める
スマホで見にくい文字が小さい、横にはみ出すなどで、読まれない公開の前に、スマホの画面で確かめる
ほかの人のポートフォリオを参考にするときの注意

構成や見せ方を参考にするのは問題ありません。文章、デザイン、画像をそのまま使うことは、著作権の侵害になるおそれがあります。内容は、自分の経験と言葉で作ってください。成果を実際より大きく見せることも避けます。面談で経緯を尋ねられたときに、説明がつかなくなります。

作る方法の選び方

ポートフォリオを作る方法は、いくつかあります。職種、かけられる手間、どう使うかで選びます。

方法特徴向く場合
文書を公開できるサービス早く作れる。見た目の自由度は高くないまず1ページを公開したい
コードを公開できるサービスコードそのものと、その説明を見せられるエンジニア
作品を公開できるサービス画像や動画を見せやすい。同じ職種の人の作品も見られるデザイナー、イラスト、動画の制作
サイトを作成できるサービス専門の知識がなくても、見た目を整えたサイトを作れるデザインも含めて見せたい
自分で用意するサイト自由度が高く、長く運用できる。設定に知識が要る発信も続けて、育てていきたい
資料のファイルメールに添えやすい。応募先ごとに作り分けられるエージェントへの提出、個別の提案

料金や機能は、サービスごとに違い、変更されることもあります。無料の範囲では、広告が表示される、独自のアドレスを使えない、といった制限がある場合があります。選ぶ前に、公式の案内で確かめてください。

状況別の選び方

まず早く公開したい文書を公開できるサービスで、1ページにまとめる
見た目も評価の対象になるサイトを作成できるサービスか、作品を公開できるサービス
コードを見せたいコードを公開できるサービスに、説明を添える
長く育てたい自分で用意するサイト
応募先ごとに出し分けたい資料のファイルを、あわせて用意する

公開する形と、送る形の両方を持っておくと便利です。普段は公開したページを案内し、応募や提案のときは、相手に合わせて実績を選んだ資料を添えます。

公開した後にやること

1

スマホで表示を確かめる

画面の大きさを変えて、文字や画像が崩れていないかを見ます。

2

他の人に見てもらう

何の専門家か、何を頼めるのかが、すぐに伝わるかを尋ねます。

3

プロフィールや応募文から案内する

発信のプロフィール、名刺、応募文に、ページのアドレスを載せます。

4

定期的に見直す

数か月に1度、実績の追加、古いものの入れ替え、連絡先と料金の確認を行います。

ポートフォリオを、指名される入口にする

ポートフォリオは、応募のときに見せるだけの資料ではありません。得意な分野を決め、その分野の実績を前に出し、プロフィールや発信の内容とそろえていくと、「この課題ならこの人」と覚えてもらいやすくなります。相手から相談が来る状態を作るための、入口になります。

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスのポートフォリオには、何を載せればよいですか?
A基本は6項目です。プロフィール、技術と使える道具、実績、得意な分野、料金の目安、連絡先です。実績は、相手の課題、自分が担当した範囲、行ったこと、結果の流れで書きます。料金の目安を載せるかどうかは任意です。
Q実績が少なくても、ポートフォリオは作れますか?
A作れます。相手と課題を想定した自主制作、知人や団体からの小さな依頼、クラウドソーシングの小さな案件、前の職場での経験の4つを組み合わせます。自主制作は、その旨を明記し、狙いと工夫を説明に添えてください。
Qポートフォリオは、すべての職種に必要ですか?
A成果物を見せられる職種では、特に役立ちます。デザイン、執筆、動画の制作などです。エンジニアやコンサルタントなど、成果物を公開しにくい職種では、職務の経歴をまとめたスキルシートが中心になります。その場合も、実績の説明をまとめた資料があると、補う材料になります。
Q実績は、何件くらい載せればよいですか?
A決まった件数はありません。数より、今後受けたい仕事に近いものを選ぶことが大切です。説明のない実績を多く並べるより、課題、行ったこと、結果を書いた実績を数件に絞るほうが伝わります。応募先に近いものを、最初に置いてください。
Q過去の仕事を、許可なく載せてもよいですか?
A載せる前に、取引先の許可を確かめてください。秘密保持の約束があったり、成果物の権利が発注者に移っていたりするためです。許可が得られない場合は、業種と課題、担当した範囲だけを、相手が特定できない形で書く方法があります。迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。
Qポートフォリオは、資料のファイルでもよいですか?
A用途によります。エージェントへの提出や、応募のメールに添える場合は、ファイルが便利です。プロフィールから案内する場合は、公開したページのほうが見てもらいやすく、更新も簡単です。公開するページと、送るファイルの両方を用意しておくと使い分けられます。
Q顔写真や本名は、載せる必要がありますか?
A必須ではありません。載せるかどうかは、自分で決めて構いません。顔や本名を出さない場合は、屋号やアイコンを使い、実績と説明、連絡先をしっかり書くことで、判断の材料を補えます。取引を始めるときには、契約のために氏名を伝える場面があります。
Q料金は、載せたほうがよいですか?
A任意です。載せると、予算が合わない問い合わせを減らせます。一方で、案件の内容によって金額が変わる仕事では、目安だけが伝わってしまうことがあります。載せる場合は、条件によって変わることと、金額の幅を添えてください。
Qポートフォリオは、いつ作り始めればよいですか?
A独立の前から準備しておくと、独立した後すぐに応募や相談に使えます。在職中は、担当した仕事の課題、範囲、結果を記録しておくことから始めてください。公開した後は、数か月に1度、実績の追加と、連絡先の確認を行います。
この記事のまとめ

ポートフォリオの基本は、プロフィール、技術と道具、実績、得意な分野、料金の目安、連絡先の6項目。実績は、課題、担当した範囲、行ったこと、結果の流れで書く

載せるものは職種で変わる。実績が少ないときは、自主制作、小さな依頼、前の職場での経験を組み合わせ、対象を絞って伝える

載せる前に、取引先の許可と権利を確かめる。公開した後は、スマホでの表示を確かめ、数か月に1度見直す

ポートフォリオが形になったら、応募や相談に使っていきます。自分での営業に加えて、エージェントを通じた案件を検討する場合は、サービスごとに扱う職種や案件の種類が違うため、比べて確かめておくと選びやすくなります。

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