
書き始めてから「この話、さっきも書いた」と手が止まる。納品後に「想定と違います」と全面修正を頼まれる。こうした事故の多くは、本文ではなく構成の段階で防げます。結論から言えば、記事構成は「検索意図・読者の知識・ゴール・差別化の4つを決めてから、基本テンプレートを記事タイプに合わせて変形し、構成案で依頼者と合意する」のが基本です。そのまま使える基本テンプレート、記事タイプ別の4つの型、構成を作る手順、依頼者に出す構成案の記入例、契約で確認することまで、このページで整理しました。
【結論】記事構成はどう作ればいい?
記事構成とは、本文を書く前に、記事で扱う論点と見出しの順番、各見出しに入れる要素を決めた設計図です。次の3つを押さえてください。
- 書く前に4つの前提を決めるキーワードと検索意図、読者の知識の現在地、読了後のゴール、競合との差別化の軸を言葉にする
- 基本テンプレートを記事タイプに合わせて変形するリード・結論・導入・本論・補足とまとめの骨格を、悩み解決・比較・手順・体験談の型に当てはめる
- 構成案で依頼者と合意してから書く見出しだけでなく、意図・ゴール・差別化・文字数まで添えて承認をもらい、修正回数や報酬の範囲も確認する
構成は、書く準備というより「何を書かないか」を決める作業です。
構成まで任される記事案件や、Webマーケティングに関わる案件を探すなら、案件の幅や単価、サポートの違いをエージェントで比べる方法もあります。
なぜ記事構成のテンプレートが必要なの?
記事の価値と作業時間は、構成の段階で大きく左右されるからです。構成を決めずに書き始めると、次のような事故が起きやすくなります。
- 話が脱線する読者が求めていない情報が膨らみ、答えが埋もれる
- 内容が重複する別の見出しで同じことを繰り返し、文字数だけが増える
- 論点が抜ける検索されている大事な疑問に答えないまま終わる
- 書いてから並べ替える実質2回書くことになり、時間単価が下がる
構成案を出して承認をもらう工程は、何を書き、何を書かないかを事前に依頼者と合意する場でもあります。この一手間で、納品後の「イメージと違った」という手戻りを減らせます。また、構成の型をいくつか持っておくと、キーワードを見た時点で「これは比較型」と当たりがつき、ゼロから考える時間を減らせます。
構成を作る前に何を決める?4つの前提
構成の前に、検索意図・読者の知識の現在地・記事のゴール・差別化の軸の4つを決めます。ここがあいまいなままだと、どのテンプレートを使っても中身の薄い見出しが並ぶだけになります。
| 1 検索意図 | 検索されている言葉の裏にある、読者の欲求を読み取る。知りたいのか、やりたいのか、選びたいのか、解決したいのかで構成が変わる |
|---|---|
| 2 読者の段階 | 「30代会社員」のような属性より、「その言葉を初めて聞いた人」「一度試して失敗した人」のような知識の段階で決める |
| 3 ゴール | 読み終えた読者にとってほしい行動(理解して満足する、関連記事を読む、問い合わせるなど)。ゴールが決まると、後半に置くものが決まる |
| 4 差別化の軸 | 上位の記事が共通して押さえている論点(最低ライン)を確認し、その上に自分の経験や一次情報など何を積むかを決める |
| 意図のタイプ | 読者の状態 | 構成の方向性 |
|---|---|---|
| 知りたい | 言葉の意味や全体像をつかみたい | 定義 → 分類 → 具体例 → 注意点 |
| やりたい | 手順を知って今すぐ動きたい | 準備 → 手順 → つまずきやすい点 |
| 選びたい | 複数の選択肢から決めたい | 選び方の軸 → 比較表 → タイプ別のおすすめ |
| 解決したい | 困りごとを今すぐ解消したい | 対処法 → 原因 → 再発防止 |
そのまま使える記事構成テンプレートは?基本の7ブロック
基本テンプレートは「リード文・結論・導入・本論1(核心)・本論2(実行)・本論3(注意点)・補足とまとめ」の7ブロックです。どの記事タイプにも土台として使えるため、まずこれを書き出してから変形させます。
- リード文読者の状況 → 記事の結論 → 読むと何が得られるか
- 結論検索意図への直球の答えを、定義の一文と要点で先に示す
- 導入前提の共有。用語の定義や、なぜ今これが問題なのか
- 本論1(核心)読者が最も知りたいことを詳しく説明する
- 本論2(実行)核心を実行に移すための手順・具体策・比較
- 本論3(注意点)つまずきやすい点、失敗例、例外
- 補足とまとめよくある質問で残った疑問に答え、要点と次にとる行動を1つ示す
見出しの数は、テーマの広さと文字数に合わせて決めます。1つの見出しに1つの問いと答えを置き、目次だけを読んで全体像と結論がつかめるかを基準にすると、多すぎも少なすぎも防げます。
記事タイプ別の構成の型は?4パターンの見出しの並び
よく使われる型は「悩み解決型」「比較・ランキング型」「手順・ノウハウ型」「体験談・レビュー型」の4つで、それぞれ見出しの並べ方の定石があります。
| 記事タイプ | 見出しの並び | 必ず入れる要素 | よくある失敗 |
|---|---|---|---|
| 悩み解決型 | 結論 → 対処法 → 原因 → 再発防止 | 今すぐできる対処を先頭に置く | 原因の説明から始めて、急いでいる読者を待たせる |
| 比較・ランキング型 | 選び方の軸 → 比較表 → 個別解説 → タイプ別のおすすめ | 横並びの比較表と、選んだ基準の明示 | 軸を示さずに比較表を出し、読者が判断できない |
| 手順・ノウハウ型 | 準備 → 手順 → つまずきやすい点 → 応用 | 番号付きの手順、画像、所要時間の目安 | 文章で長く説明し、手順の区切りがわからない |
| 体験談・レビュー型 | 結論 → 使った経緯 → 良い点 → 合わなかった点 | 実物の写真や具体的な数字などの一次情報 | 良い点だけを並べ、信頼を失う |
1本の記事で複数のタイプが混ざることもあります。その場合は、検索意図のうち最も強いものを主の型にし、ほかは1つの見出しにまとめると、構成がぶれにくくなります。
リード文・見出し・まとめはどう書く?パーツごとのルール
リード文は結論を先に示し、見出しは単体で意味が通る問いか答えにし、まとめは要点と次の行動1つで締めます。パーツの役割が混ざると、読者はどこを読めばいいかわからなくなります。
| リード文 | 読者の状況を読者の言葉で描く → 結論を先に示す → 読む価値を一文で → 読み終えて得られるものを約束する。結論を出し惜しみしない |
|---|---|
| H2 | 読者の疑問そのもの、またはその答え。単体で読んでも意味が通る文にし、直後の一文で答えを書く |
| H3 | H2を要素に分解したもの。並列の関係をそろえる(原因と対策を混ぜない) |
| H4 | H3の中の細目や具体例。使いすぎず、基本はH3までで完結させる |
| まとめ | 本文の繰り返しで終わらせず、要点と、読者が次にとる行動を1つだけ示す |
見出しを問いの形にし、直後に答えを書く構成にすると、読者は目的の情報にすぐたどり着けます。Googleは、生成AI検索のためだけに特別な書き方をする必要はないとしており、人が読みやすい構成がそのまま土台になります。
記事構成はどんな手順で作る?6つのステップ
構成は「前提を決める、上位記事を調べる、論点を洗い出す、捨てる、並べる、見出しにする」の順で作ります。いきなり見出しを考えるより、論点を先に並べるほうが抜けと重複を防げます。
4つの前提を書き出す
検索意図、読者の知識、ゴール、差別化の軸を、それぞれ一文にします。
上位の記事と関連する検索を調べる
上位の記事が共通して扱う論点と、手薄な論点を確認します。関連する検索語や、よくある質問も集めます。
論点を洗い出す
読者が持ちそうな疑問を、見出しの形にこだわらず箇条書きで並べます。自分の経験や一次情報で答えられる論点に印を付けます。
入れない論点を決める
ゴールに関係の薄い論点は外すか、別の記事に回します。調べたことを全部入れようとすると、読者にとっての価値が薄まります。
記事タイプの型に並べる
残った論点を、基本テンプレートと記事タイプの型に沿って並べ、各見出しに入れる表・手順・事例などの要素を決めます。
見出しの文にして点検する
目次だけで全体と結論がつかめるか、見出しどうしで内容が重なっていないかを確認します。
論点の洗い出しに生成AIを使うのも一つの方法です。ただし、出てきた論点や事実は必ず自分で確かめ、他の記事の言い換えではない一次情報や経験を足すことが欠かせません。読者の役に立つことではなく検索順位の操作を主な目的に大量のページを作ることは、AIで作ったか人が書いたかを問わず、Googleのスパムポリシー(大量生成されたコンテンツの不正使用)に違反します。
あわせて読みたい(SEOと構成の設計)
依頼者に出す構成案には何を書く?項目と記入例
構成案には、見出しの一覧だけでなく、キーワード・検索意図・読者・ゴール・差別化・一次情報・文字数まで書きます。根拠を添えると依頼者が判断しやすくなり、承認までの往復が減ります。
| 項目 | 書く内容 | 入れる目的 |
|---|---|---|
| 対策キーワード | 主となる言葉と、あわせて答える関連語 | 狙いのずれを最初になくす |
| 検索意図と想定読者 | 読者の知識の段階と知りたいこと | 文章のトーンと深さを合意する |
| 記事のゴール | 読み終えた後にとってほしい行動 | 記事の後半の流れを先に共有する |
| 見出し一覧 | H2とH3、各見出しの要旨を1行ずつ | 抜けと重複を見つけてもらう |
| 差別化のポイント | 上位の記事にない情報や切り口 | 提案としての価値を示す |
| 参考にする一次情報 | 公的資料、公式の発表、自分の経験 | 根拠の出どころを明らかにする |
| 想定文字数 | 全体と、見出しごとの配分 | 報酬と工数の前提をそろえる |
たとえば「ポートフォリオ 作り方」というキーワードなら、構成案は次のようになります。
| キーワード | ポートフォリオ 作り方(関連語:載せる内容、見本、無料ツール) |
|---|---|
| 検索意図 | やりたい:案件の獲得に使えるポートフォリオを、今から作りたい |
| 想定読者 | 実績が少なく、何を載せればいいかわからない駆け出しのWebデザイナー |
| ゴール | 載せる作品と構成を決め、1ページ目を作り始める |
| 見出し一覧 | H2 結論 → H2 載せる内容は? → H2 作り方の手順は? → H2 実績が少ないときは? → H2 よくある失敗は? → H2 FAQ |
| 差別化 | 採用する側が見るポイントを、自分が依頼者として見た経験から具体的に書く |
| 一次情報 | 自分のポートフォリオの改善前後の問い合わせ数(公開できる範囲) |
| 想定文字数 | 全体6,000字(手順の見出しに2,000字を配分) |
構成案の作成は報酬に含まれる?受注前に確認すること
構成案の作成は、それ自体が工数のかかる作業です。執筆の報酬に含まれるのか別の報酬になるのか、修正は何回までかを、受注前に確認しておきます。「構成案の修正は2回まで」と最初に決めておくだけで、際限のない差し戻しを防ぎやすくなります。
- 構成案の作成が報酬の対象に含まれているか
- 構成案と本文それぞれの修正回数の上限
- 構成案の段階で中止になった場合の報酬の扱い
- 納品物の著作権と、二次利用の範囲
- 報酬の支払期日と支払い方法
2024年11月1日に施行されたフリーランス法では、発注する事業者に、業務の内容や報酬の額、支払期日などの取引条件を書面やメールなどで明示する義務があります。さらに、従業員を使う発注者など(特定業務委託事業者)には、原則として成果物を受け取った日(役務の場合は提供を受けた日)から60日以内のできるだけ早い日を支払期日とすること、6か月以上の継続的な業務委託を解除したり更新しなかったりする場合に原則30日前までに予告することなどが求められます。
上位の記事は、読者が何を期待しているかを知るための参考資料です。本文の表現をそのまま使うと、著作権の侵害にあたるおそれがあります。著作権法が保護するのは「思想又は感情を創作的に表現したもの」(第2条第1項第1号)で、事実やアイデアそのものは保護されません。ありふれた短い見出しも著作物にあたらないことが多いとされますが、丸写しは避けましょう。どこまでが保護される表現かの線引きは、個別の事情によって変わります。法律の適用や判断に迷う場合は、弁護士やフリーランス・トラブル110番などの窓口に確認してください。
あわせて読みたい(契約と条件の確認)
よくある質問(FAQ)
記事の価値と作業時間は構成で大きく左右される。書く前に、検索意図・読者の知識の現在地・ゴール・差別化の軸の4つを言葉にする
基本テンプレートはリード・結論・導入・本論3つ・補足とまとめの7ブロック。悩み解決・比較・手順・体験談の型に変形し、H2は問いか答え、直後の一文で答える
構成案には見出しに加え、意図・ゴール・差別化・一次情報・文字数を書く。構成案が報酬に含まれるか、修正回数の上限は受注前に確認する
構成の型が身につくと、次に効いてくるのは案件そのものの質です。構成から任される案件や、編集・ディレクションに関われる案件に移ると、身につくものも報酬も変わってきます。案件の探し方から見直してみましょう。

