
在宅で1日中座ったまま、気づけば肩こりと午後の集中力の低下に悩んでいる。通勤のないフリーランスは、意識しなければほとんど歩かずに1日が終わります。結論から言えば、運動は時間を奪うものではなく、残りの時間の仕事の質を上げる投資です。まずは「30分ごとに立つ、毎日10分歩く」の2つから始めれば十分です。
この記事でわかること
【結論】フリーランスの運動の目安と始め方
フリーランスに運動が必要なのは、通勤や社内の移動がなく、座ったままの時間が長くなりやすいからです。厚生労働省が成人に勧める目安は、歩行と同じ強さ以上の活動を1日60分以上(約8,000歩以上)、息が弾む程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2日から3日です。始めるときは、次の順番で増やします。
- 30分ごとに立つ座りっぱなしを中断する。立って伸びをするだけでよい
- 毎日10分歩く昼休みや仕事の前に、時刻を決めて外を歩く
- 週に2回、自宅で筋力トレーニングをするスクワットなど、道具のいらないものを5分から
最初から目安の量を満たす必要はありません。今より少しでも多く体を動かすことに意味があります。
運動の時間が取れない原因が、稼働時間の長さや不規則な対応にあることもあります。稼働日数や時間の条件が決まっている案件を選ぶと、体を動かす時間を先に確保しやすくなります。
フリーランスが運動不足になりやすい理由
会社員は、通勤、社内の移動、昼食の外出で自然に歩いています。在宅が中心のフリーランスには、この「意識しなくても動く時間」がありません。
- 通勤がない往復で歩いていた時間が、そのままなくなる
- 家の中ですべてが済む仕事、食事、休憩の移動が数歩で終わる
- 区切りがない会議や声かけによる中断がなく、何時間も座り続けてしまう
- 運動より仕事を優先する働いた分だけ収入になるため、運動の時間を削りやすい
- 健康診断の機会がない体の変化に気づくきっかけが少ない
世界保健機関(WHO)と厚生労働省は、どちらも座ったままの時間を減らすことを勧めています。厚生労働省のガイドは、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することを求めています。
運動不足のサイン
次のうち3つ以上当てはまるなら、体を動かす時間を増やす時期です。
- 1日の歩数が、目安の半分(約4,000歩)に届かない日が多い
- 気づくと、2時間以上座り続けている
- 午後になると、集中力が大きく落ちる
- 肩こりや腰の重さが続いている
- 寝つきが悪い、朝起きても疲れが残っている
- 階段を上ると、息が切れる
運動が仕事のパフォーマンスを高める4つの理由
「運動する時間があるなら、仕事を進めたい」と考えるのは自然なことです。それでも運動を勧めるのは、体を動かすことが、仕事を支える土台に関わるからです。WHOは、成人の身体活動の効果として、こころの健康、認知機能、睡眠の改善を挙げています。
| 理由 | 内容 | 仕事への影響 |
|---|---|---|
| 頭の働きを保つ | 身体活動は、認知機能によい影響があるとされる | 午後の集中力の落ち込みに気づいたとき、歩いて切り替えられる |
| 気分が安定する | 不安や気分の落ち込みを和らげる効果があるとされる | 1人で抱えがちな不安や焦りを、ため込みにくくなる |
| 眠りやすくなる | 日中に体を動かす習慣は、睡眠の改善につながるとされる | 翌日の作業を、疲れを残さずに始められる |
| 体力が続く | 体力と筋力が保たれ、肩や腰の負担が減る | 働けなくなる期間を減らし、収入を長く保てる |
会社員には有給休暇や傷病手当金がありますが、フリーランスは働けない日の収入がそのままなくなります。体調を崩さないための運動は、技術の習得と同じく、収入を守るための投資です。効果の出方には個人差があるため、数週間続けて自分の変化を確かめてください。
どのくらい運動すればよいか|目安の量
成人向けの目安の量は、国内と海外の両方で示されています。どちらも「少しでも動くことに意味がある」としている点は共通です。
| 項目 | 厚生労働省 | WHO |
|---|---|---|
| 日常の活動と有酸素運動 | 歩行と同じ強さ以上の活動を1日60分以上(約8,000歩以上)。息が弾む程度の運動を週60分以上 | 中強度の有酸素運動を週150分から300分、または高強度を週75分から150分 |
| 筋力トレーニング | 週2日から3日 | 週2日以上 |
| 座ったままの時間 | 長くなりすぎないよう注意する | 減らし、体を動かす時間に置き換える |
1日60分の活動には、買い物、掃除、階段の上り下りなど、生活の中の動きも含まれます。運動の時間だけで60分を作る必要はありません。
今の状態別の始め方
| 今の状態 | 最初の目標 | 次の目標 |
|---|---|---|
| ほとんど動いていない | 30分ごとに立つ。1日に10分歩く | 歩く時間を20分に延ばす |
| ときどき歩いている | 毎日20分から30分歩く | 週に2回、筋力トレーニングを足す |
| 毎日歩いている | 週に2回の筋力トレーニングを続ける | 息が弾む運動を、週に合計60分行う |
持病がある、治療中である、関節や腰に痛みがある、長いあいだ運動をしていない、といった場合は、運動を始める前に医師に相談してください。運動の途中で胸の痛み、強い息切れ、めまいを感じたら、すぐに中止します。この記事は一般的な情報をまとめたもので、医師の診断や指導に代わるものではありません。
仕事の1日に運動を組み込む方法
まとまった時間を取ろうとすると、忙しい日に続きません。仕事の流れの中に、短い運動を差し込みます。
| 場面 | やること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 仕事を始める前 | 家の周りを歩く。通勤の代わりにする | 10分 |
| 作業の合間(30分ごと) | 立ち上がる。伸びをする。肩を回す | 1分 |
| 休憩 | スクワットを10回。かかとの上げ下げを20回 | 3分 |
| 昼休み | 早歩きで外を歩く | 20分 |
| 通話だけの打ち合わせ | 立ったまま、または歩きながら参加する | 打ち合わせの時間 |
| 仕事を終えた後 | 体を伸ばす運動をして、仕事を区切る | 5分 |
この表をすべて行うと、歩く時間だけで1日30分になります。週5日続ければ150分で、WHOの目安の下限に届きます。
厚生労働省の情報機器作業のガイドラインは、1回の連続した作業が1時間を超えないようにし、次の作業までに10分から15分の休止を入れることを求めています。この休止を、立って体を動かす時間にあてると、休憩と運動を同時に確保できます。
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自宅で道具なしでできる運動
着替えも道具もいらない運動から始めると、「やらない理由」がなくなります。仕事の合間に、その場でできるものを選びました。
| 運動 | やり方 | 目安 |
|---|---|---|
| スクワット | 足を肩の幅に開き、いすに座るように腰を下ろして戻す | 10回を1回から2回 |
| かかとの上げ下げ | 机やいすに手を添え、かかとをゆっくり上げて下ろす | 20回 |
| 肩回し | 両手を肩に置き、ひじで大きな円を描く | 前と後ろに10回ずつ |
| 壁を使った腕立て | 壁に両手をつき、ひじを曲げて体を近づけ、押し戻す | 10回 |
| その場での足踏み | ひざを高めに上げ、腕を振って足踏みをする | 1分 |
回数は目安です。痛みが出ない範囲で行い、きついと感じたら回数を減らしてください。慣れてきたら、回数ではなく行う日を増やします。
運動が続かない原因と対処法
運動は、始めるよりも続けるほうが難しいものです。意志の強さではなく、続く形にしてあるかどうかで決まります。
| つまずき | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 3日でやめてしまう | 最初の目標が大きすぎる | 1日10分の散歩だけに絞る |
| 忙しい日に飛ばし、そのままやめる | できない日の決まりがない | 忙しい日は「1分だけ」と決めておく |
| やる時間が決まらない | 空いた時間にやろうとしている | 時刻を決め、仕事の予定と同じようにカレンダーに入れる |
| 準備が面倒になる | 着替えや移動が必要な運動を選んでいる | その場でできる運動に替える。靴を玄関に出しておく |
| 効果を感じられない | 変化を記録していない | 歩数と行った日を記録し、週に1回見返す |
続けるための4つの工夫
- すでにある習慣の直後に置く「朝のコーヒーの後に歩く」のように、きっかけを決める
- 時刻をカレンダーに入れる打ち合わせと同じ扱いにして、ほかの予定を入れない
- 歩数を記録するスマートフォンの歩数計で十分。数字が見えると続けやすい
- ゼロの日を作らない1分でも動けば「続いている」ことにする
運動を後回しにしてしまう背景には、「働いていない時間は無駄だ」という考え方があることが少なくありません。長く働き続けるために自分の体を守ることは、フリーランスに必要な心構えの1つです。
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よくある質問(FAQ)
在宅のフリーランスは通勤がなく、座ったままの時間が長くなりやすい。運動は仕事の質と収入を守る投資になる
目安は、1日60分以上の活動(約8,000歩以上)、週60分以上の運動、週2日から3日の筋力トレーニング
30分ごとに立つ、毎日10分歩く、から始める。時刻を決めて予定に入れ、ゼロの日を作らない

