フリーランスの市場価値の診断方法|測り方とチェック項目

フリーランスの市場価値の診断方法|測り方とチェック項目

「自分の市場価値は今どのくらいなのか」「単価が適正なのか分からない」と迷っていませんか。結論から言えば、単価、案件の取りやすさ、継続と紹介、引き合い、スキルと需要の一致の5つの指標で自分に点数をつけ、相場や他者の評価と照らし合わせて、一番低い指標から手を打つことで、市場価値の現状を把握し、次の一手につなげられます。

目次

【結論】フリーランスの市場価値はどう診断する?

フリーランスの市場価値の診断とは、自分の仕事が市場でどのくらいの条件で、どれだけ選ばれているかを、数字と他者の評価で確かめることです。診断するときは、次の3つを押さえてください。

  1. 5つの指標で点数をつける単価、案件の取りやすさ、継続と紹介、引き合い、スキルと需要の一致を、それぞれ0〜4点で評価する
  2. 外の物差しで確かめる自己評価だけでなく、相場、取引先の声、エージェントの見立てと照らし合わせる
  3. 一番低い指標から手を打つ合計点よりも、どの指標が低いかを見て、次にすることを決める

診断は、点数をつけることではなく、次の一手を決めることが目的です。

なぜフリーランスは市場価値を診断する必要があるの?

会社員のような評価制度や昇給の仕組みがないため、自分から確かめないと、単価が相場からずれていても気づきにくいからです。診断しておくと、次のような判断がしやすくなります。

  • 単価が適正か判断できる安く受けすぎていないか、高すぎて選ばれにくくなっていないかが分かる
  • 単価交渉の根拠になる相場や実績の数字をもとに、見直しを相談できる
  • 伸ばすスキルが決まる求められているのに足りないスキルが見える
  • 取引先への依存に気づける1社の中での評価と、市場全体での評価の差が分かる

市場価値が何で決まるのか、その仕組みと高め方は、需要、希少性、代替困難性の3要素で解説した記事で詳しく扱っています。この記事は、その現在地を測る「診断」に絞っています。

市場価値を測る5つの指標とは?

単価、案件の取りやすさ、継続と紹介、引き合い、スキルと需要の一致の5つです。感覚ではなく、手元の記録で確かめられる数字を使うと、診断の精度が上がります。

指標見る数字や事実集め方
単価時間単価、月額、案件ごとの金額請求の記録から、直近の平均を出す
案件の取りやすさ応募や提案が通る割合、稼働の埋まり方応募と提案の件数、決まった件数を記録する
継続と紹介契約の更新、追加の依頼、紹介の件数取引先ごとの取引期間と依頼の経路を振り返る
引き合い問い合わせや声がけの数直近の数か月で、こちらから営業せずに来た相談を数える
スキルと需要の一致自分のスキルが条件に挙がる案件の多さ案件情報で、自分のスキルを条件にした案件を探す
整理は編集部の作成です。

自己診断シートでどう点数をつける?

5つの指標それぞれを、次の基準で0〜4点の5段階で評価し、合計と一番低い指標を確認します。迷ったときは低いほうの点数をつけると、楽観的な見積もりを防げます。

指標4点の目安2点の目安0点の目安
単価同じスキルの案件の相場より高い相場とおおむね同じ相場より明らかに低い(相場が分からない場合は、まず相場を調べてから点数をつける)
案件の取りやすさ稼働が埋まり、案件を選べている営業すれば決まるが、空く月もある営業しても決まりにくい
継続と紹介多くの取引先が継続し、紹介もある継続はあるが、紹介はほとんどない単発で終わることが多い
引き合い営業しなくても、定期的に相談が来るときどき声がかかる自分から動かないと相談が来ない
スキルと需要の一致自分の主力スキルが条件の案件が多く、伸びている案件はあるが、競合も多い条件に挙がる案件が少ない
診断シートは編集部の作成です。1点と3点は、それぞれ前後の中間として評価します。結果は目安であり、市場価値を正確に示すものではありません。

自己診断の記入例(Webデザイナーの場合)

【単価】2点:同じスキルの案件の相場とおおむね同じ
【案件の取りやすさ】3点:稼働は埋まっているが、案件を選べるほどではない
【継続と紹介】3点:取引先の多くが継続。紹介は年に数件
【引き合い】1点:まれに声がかかるが、ほとんどは自分から営業して得ている
【スキルと需要の一致】2点:案件は多いが、競合も多い
【合計】11点/20点
【一番低い指標】引き合い
【次の一手】実績を発信し、ポートフォリオを更新して、問い合わせの入り口を増やす

例は編集部の作成です。

診断結果はどう読み、何をする?

合計点で全体の状態をつかみ、一番低い指標に効く行動を1つ選びます。合計点が高くても、どれか1つが極端に低ければ、そこが伸び悩みの原因になっていることがあります。

合計点状態の目安まずすること
15〜20点市場から選ばれている状態単価の見直しや、より上流の案件への挑戦を検討する
8〜14点一定の評価はあるが、伸びしろがある状態一番低い指標を1段上げる行動に集中する
0〜7点需要や見せ方に課題がある状態スキルと需要の一致から見直し、強みの伝え方を整える
点数の区切りは編集部の目安です。
一番低い指標考えられる原因次の一手
単価相場を知らない、安く受け続けている相場を調べ、新しい案件から見積もりを見直す
案件の取りやすさ強みが伝わっていない、応募先が合っていないスキルシートと提案文を見直し、応募先を絞る
継続と紹介納品後の関係づくりが弱い納品時に改善提案を1つ添え、次の依頼につなげる
引き合い外から見える情報が少ない実績の発信とポートフォリオの更新を続ける
スキルと需要の一致需要の少ない領域にいる、競合が多い求められるスキルを学ぶか、今のスキルとの掛け合わせを作る
整理は編集部の作成です。

相場と比べるにはどうする?

自分のスキルや経験に近い案件の単価を複数集め、自分の単価と比べます。相場という物差しがあると、単価の点数を根拠を持ってつけられます。

  1. 比べる条件をそろえる職種、経験年数、担当工程、稼働の形(常駐か在宅か、週何日か)を書き出す
  2. 近い案件の単価を集める案件情報サイトやエージェントの公開案件から、条件の近いものを複数集める
  3. 幅で捉える1件だけで判断せず、下限と上限、よくある金額の帯を見る
  4. 自分の位置を確かめる自分の単価が帯のどこにあるかを見て、単価の点数をつける
手順は編集部の整理です。
POINT|公開されている単価は「条件込み」で見る

案件情報の単価は、稼働の日数、常駐か在宅か、求められる経験などの条件で大きく変わります。金額だけを比べず、条件がどれだけ近いかを確かめてから比べましょう。

他者の評価はどう取り入れる?

取引先や同業の仲間に、自分の強みと改善点を具体的に聞きます。自分では強みと思っていたことが評価されていなかったり、当たり前と思っていたことが高く評価されていたりと、自己評価とのずれに気づけます。

  • 取引先に感想を聞く案件の区切りに、助かった点と改善してほしい点を聞く
  • 同業の仲間と見せ合うポートフォリオやスキルシートを見てもらい、伝わり方を確かめる
  • 求められているスキルを聞く取引先に、今後どんなスキルがあると助かるかを尋ねる
  • 反応の数字を見る発信やポートフォリオへの反応、問い合わせの数を参考にする

取引先に評価を聞くメッセージ(例文)

いつもお世話になっております。今後のサービス向上のため、これまでのお仕事について率直なご意見をいただけますと幸いです。「助かった点」と「もっとこうしてほしい点」を、一言ずつで構いませんので教えていただけますか。あわせて、今後あると助かるスキルや対応範囲があれば参考にさせてください。

例文は編集部の作成です。

診断ツールやエージェントはどう使う?

診断ツールは手軽な目安として、エージェントへの相談は第三者の見立てとして使い、自己診断や相場の比較と組み合わせて判断します。どれか1つの結果だけで決めないことが大切です。

方法分かること注意点
市場価値の診断ツールスキルや経験を入力したときの、おおよその位置づけ推定値であり、案件や企業によって評価の基準は異なる
エージェントへの相談紹介される案件の数と単価帯、伸ばすべき点扱う案件の分野や条件は、エージェントによって異なる
自己診断シート指標ごとの強みと弱み自己評価に偏りやすいため、外の物差しと照らす
整理は編集部の作成です。
診断の数字を絶対視しない

診断ツールの結果や点数は、あくまで目安です。実際の評価は、案件の内容や取引先によって基準が異なります。複数の方法を組み合わせ、結果は次にすることを決める材料として使いましょう。

いつ、どのくらいの頻度で診断する?

半年に1回の定期診断を基本に、契約更新の前や、新しいスキルを身につけた節目にも行うと、変化に気づきやすくなります。前回の点数と比べることで、打った手の効果も確かめられます。

  1. 半年に1回の定期診断5つの指標に点数をつけ、前回と比べる
  2. 契約更新や単価交渉の前相場と自分の単価を比べ、見直しを相談する根拠をそろえる
  3. 新しいスキルを身につけたときスキルと需要の一致の点数を見直し、応募先を広げる
  4. 案件が途切れたときどの指標が下がったかを確かめ、原因に手を打つ
頻度は編集部の目安です。

診断の前に、自分のスキルを棚卸しし、スキルマップで習熟度を整理しておくと、スキルと需要の一致を判断しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスの市場価値はどうやって診断すればいいですか?
A単価、案件の取りやすさ、継続と紹介、引き合い、スキルと需要の一致の5つの指標に、それぞれ0〜4点で点数をつけます。そのうえで、相場や取引先の声、エージェントの見立てと照らし合わせ、一番低い指標から手を打ちます。
Q市場価値を測る指標には何がありますか?
A単価、案件の取りやすさ、継続と紹介、引き合い、スキルと需要の一致の5つが目安です。請求の記録や応募の件数、取引期間など、手元の記録で確かめられる数字を使うと精度が上がります。
Q診断の点数はどう読めばいいですか?
A合計点で全体の状態をつかみ、一番低い指標に効く行動を1つ選びます。合計点が高くても、どれか1つが極端に低ければ、そこが伸び悩みの原因になっていることがあります。点数はあくまで目安です。
Q自分の単価が相場と比べて高いか低いか、どう調べればいいですか?
A職種、経験年数、担当工程、稼働の形などの条件をそろえ、近い条件の案件の単価を複数集めます。1件だけで判断せず、下限と上限、よくある金額の帯を見て、自分の単価がどこにあるかを確かめます。
Q無料で市場価値を診断できますか?
Aできます。この記事の自己診断シートで点数をつけるほか、公開されている案件情報で相場を調べたり、取引先や同業の仲間に評価を聞いたりする方法があります。無料の診断ツールやエージェントへの相談もあわせて使えます。
Q診断ツールの結果は信用していいですか?
Aおおよその位置づけを知る目安としては役立ちますが、推定値であり、実際の評価は案件や取引先によって基準が異なります。自己診断や相場の比較、他者の評価と組み合わせて判断しましょう。
Q診断結果が低かったらどうすればいいですか?
A一番低い指標を1つ選び、そこに効く行動から始めます。単価が低ければ見積もりの見直し、案件が取りにくければスキルシートと提案文の見直し、引き合いが少なければ実績の発信など、原因に合った手を打ちましょう。
Qどのくらいの頻度で診断すればいいですか?
A半年に1回の定期診断が目安です。あわせて、契約更新や単価交渉の前、新しいスキルを身につけたとき、案件が途切れたときにも診断すると、変化に気づきやすくなります。
Q前回の診断より点数が下がったらどうすればいいですか?
Aどの指標が下がったかを確かめ、その指標に効く行動を1つ選びます。単価が下がったなら見積もりと相場の比較を、引き合いが減ったなら発信やポートフォリオの更新を見直しましょう。一時的な案件の切れ目による変動もあるため、次の診断で傾向を確かめることも大切です。
この記事のまとめ

市場価値は、単価、案件の取りやすさ、継続と紹介、引き合い、スキルと需要の一致の5指標を0〜4点で診断する

合計点で状態をつかみ、一番低い指標に効く一手を1つ選ぶ。点数は目安で、次の行動を決める材料として使う

条件をそろえて相場と比べ、取引先や仲間の声も取り入れる。半年に1回と契約更新の前に診断し直す

市場価値の診断は、現在地を知り、次の一手を決めるための道具です。まずは5つの指標に点数をつけ、一番低い指標を1つ選んで、そこに効く行動を決めることから始めてみてください。

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