フリーランスがターゲットを絞る方法|5つの切り口と4ステップで解説

フリーランスがターゲットを絞る方法|5つの切り口と4ステップで解説

ターゲットを絞ると、受けられる仕事が減るのではないか。そう考えて、「何でも対応します」と打ち出しているフリーランスは少なくありません。結論から言えば、ターゲットを絞るとは、受ける仕事を減らすことではなく、「誰の、どんな課題に応える人か」を前に出すことです。5つの切り口から選び、4つのステップで仮に決め、反応を見て直します。絞る理由、切り口、手順、絞りすぎを防ぐ方法まで、この1ページで整理します。

目次

【結論】ターゲットを絞るとは、前に出す相手を決めること

ターゲットを絞るとは、プロフィールや発信で前に出す相手と課題を、1つに決めることです。決めた相手以外の仕事を、断るという意味ではありません。入口を分かりやすくすることで、求める相手に見つけてもらいやすくなります。次の順で進めます。

  1. 切り口を選ぶ業界、相手の規模、課題、提供する内容、地域の5つから選ぶ
  2. 得意と需要が重なるところで、仮に決める実績を語れる領域で、仕事を頼む相手がいるところを選ぶ
  3. 反応を見て、直す数か月試し、問い合わせや提案の反応で見直す

今日できることは、これまでの取引先を書き出し、業界、規模、依頼された内容に共通する点を探すことです。

ターゲットを決めるときは、その領域に仕事があるかを確かめる必要があります。どんな業界で、どんな経験を求める案件が出ているかを見ることは、需要を確かめる方法の1つです。

なぜ、ターゲットを絞るのか

「何でもできます」という打ち出し方は、発注者から見ると、何が得意な人なのかが分からない状態です。発注者が探しているのは、自分の課題を理解して解決してくれる人です。

比べる点絞らない絞る
相手からの見え方何が得意か分からない自分の課題に合う人だと分かる
比べられ方金額で比べられやすい経験や理解の深さで見てもらえる
発信や資料内容がばらつき、誰にも強く届かない内容がそろい、相手に届きやすい
知識の蓄積案件ごとに一から調べる同じ領域の経験が重なる

絞ることで得られる3つのこと

  • 覚えてもらいやすくなる「この分野ならこの人」と思い出してもらえると、相談や紹介につながる
  • 金額以外の理由で選ばれやすくなるその業界や課題を理解していることが、頼む理由になる
  • 営業にかける手間を集中できるプロフィール、実績、発信を、1つの方向にそろえられる

ただし、絞れば必ず仕事や単価が増える、というものではありません。求める相手がいる領域を選び、実績で裏づけることが前提です。

POINT|絞るのは、受ける仕事ではなく、前に出す看板

前に出す相手を決めても、それ以外の依頼を受けて構いません。看板を1つにすることで、入口が分かりやすくなります。入口から入った相手の依頼が、別の内容に広がることもよくあります。

ターゲットを絞る5つの切り口

何を基準に絞るかには、5つの切り口があります。1つだけでも、2つを組み合わせても構いません。

切り口絞り方例向く人
業界特定の業界の事業者に絞る不動産、飲食、製造などその業界で働いた経験がある
相手の規模や段階事業の大きさや、成長の段階で絞る創業して間もない企業、小規模な店舗特定の規模の相手との仕事が多い
課題相手の困りごとで絞る採用の応募が集まらない、問い合わせが少ない同じ種類の相談を繰り返し受けている
提供する内容特定の技術や手法に絞る採用サイトの制作、業務の自動化得意な技術や工程がはっきりしている
地域特定の地域の事業者に絞る自分が住む地域の事業者対面でのやり取りや、地域のつながりを活かせる

2つを組み合わせる

切り口を2つ組み合わせると、相手がより具体的になります。たとえば、業界と提供する内容を組み合わせて、「不動産業界の事業者に向けた、発信の運用の支援」とする形です。

業界と提供する内容飲食店に向けた、紹介ページの制作
規模と課題小規模な企業の、採用の応募を増やす支援
業界と課題製造業の、技術の説明を分かりやすく伝える記事の執筆
※ 組み合わせ方の例です。

組み合わせを3つ以上に増やすと、当てはまる相手が少なくなります。最初は、1つか2つにとどめてください。

ターゲットを絞る4つのステップ

思いつきで決めるのではなく、実績と需要を確かめながら決めます。

1

実績と強みを書き出す

関わった業界、相手の規模、依頼された内容、うまくいったことを並べます。会社員時代の経験も含めます。

2

需要があるかを確かめる

その領域に、お金を払って依頼する相手がいるかを調べます。興味だけで決めると、仕事になりません。

3

ほかの人と重なりにくい組み合わせを探す

切り口を組み合わせ、同じ打ち出し方をしている人が少ないところを探します。

4

仮に決めて、反応を試す

最初から正解を求めず、プロフィールと発信を変えて、数か月の反応を見ます。

書き出しの記入例

関わった業界製造業が4件、不動産が2件、飲食が1件
相手の規模従業員が50名以下の企業が中心
依頼された内容採用ページの制作が多い。続けて依頼されたのは製造業の2社
見えてきた候補小規模な製造業の、採用ページの制作
※ 記入例です。自分の経験に置き換えて書いてください。

需要を確かめる3つの方法

  • これまでの依頼を振り返る繰り返し頼まれた内容や、続けて依頼された相手は、需要がある証拠
  • 募集されている案件を見るその領域で、どんな仕事が、どんな条件で募集されているかを確かめる
  • 相手に聞く取引先や、その業界の知人に、困っていることを尋ねる
POINT|得意と需要が重なるところで決める

得意でも、依頼する相手がいなければ仕事になりません。需要があっても、実績を示せなければ選ばれません。両方が重なるところが、絞るターゲットの候補です。実績がまだ少ない場合は、前の職場で関わった業界から始めると、理解していることを示しやすくなります。

絞りすぎと、絞り方の誤りを防ぐ

絞り方を誤ると、仕事が減る原因になります。よくある失敗と、対処を整理します。

失敗起きること対処
当てはまる相手が少なすぎる依頼がほとんど来ない切り口を1つ減らし、対象を広げる
興味だけで決めるお金を払う相手がおらず、仕事にならない依頼の実績や、募集の有無で確かめる
一度決めたら変えられないと考える決めること自体をためらう仮の決定として、見直す時期を先に決める
決めた相手以外の依頼を断る収入が減り、経験の幅も狭まる前に出す看板と、受ける仕事を分けて考える
1つの業界や1社に頼りきるその業界の状況が変わると、収入が大きく減る取引先を複数持ち、近い領域にも実績を作る

見直す時期と、判断の目安

仮に決めたら、数か月は続けます。短い期間では、反応が分かりません。そのうえで、次の点を確かめます。

  • 問い合わせの内容が、決めた相手に近づいているか
  • 提案への反応が、以前より具体的になっているか
  • その領域の実績が、増えているか

反応がない場合は、まず切り口を1つ広げます。それでも変わらなければ、別の切り口に替えます。

実績のない領域を、専門と名乗らない

需要がありそうだからと、経験のない領域を専門として打ち出すと、依頼を受けたときに期待に応えられません。名乗る内容は、実績や経験で裏づけられる範囲にとどめてください。これから伸ばしたい領域は、「取り組んでいる分野」として、分けて書きます。

決めたターゲットを、成果につなげる

ターゲットを決めたら、プロフィール、実績、発信、提供する内容をそろえます。ばらばらのままでは、絞った意味が伝わりません。

そろえるものやること
肩書き誰の、どんな課題に応える人かを、1文で書く
実績決めた領域の実績を、最初に置く
発信決めた相手が知りたいことを、テーマにする
提供する内容その相手に多い依頼を、分かりやすい形にまとめる

肩書きの書き換え

書き換える前サイトの制作全般に対応します
書き換えた後小規模な製造業の、採用ページの制作を中心に担当しています
※ 書き方の例です。

続けることで、指名につながる

ターゲットを決めることは、個人のブランドを作る最初の一歩です。同じ相手に向けて、実績と発信を重ねていくと、「この課題ならこの人」と覚えてもらいやすくなります。時間はかかりますが、相手から相談が来る状態に近づきます。

よくある質問(FAQ)

Qフリーランスがターゲットを絞るとは、どういうことですか?
Aプロフィールや発信で前に出す相手と課題を、1つに決めることです。決めた相手以外の仕事を断るという意味ではありません。誰の、どんな課題に応える人かを分かりやすくすることで、求める相手に見つけてもらいやすくなります。
Qターゲットを絞ると、仕事が減りませんか?
A前に出す看板を決めるだけで、ほかの依頼も受けて構いません。そのため、すぐに仕事が減るわけではありません。ただし、当てはまる相手が少なすぎる領域に絞ると、依頼が来にくくなります。需要を確かめ、切り口は1つか2つにとどめてください。
Q何を基準に、絞ればよいですか?
A5つの切り口があります。業界、相手の規模や段階、課題、提供する内容、地域です。1つだけでも、2つを組み合わせても構いません。自分が実績を語れる領域で、仕事を依頼する相手がいるところを選ぶのが基本です。
Qターゲットは、どう決めればよいですか?
A4つのステップで決めます。実績と強みを書き出す、需要があるかを確かめる、ほかの人と重なりにくい組み合わせを探す、仮に決めて反応を試す、の4つです。最初から正解を求めず、数か月試してから見直します。
Q需要があるかどうかは、どう確かめればよいですか?
A3つの方法があります。これまでの依頼を振り返り、繰り返し頼まれた内容を探すこと。その領域で募集されている案件を見ること。取引先や、その業界の知人に、困っていることを尋ねることです。興味だけで決めないことが大切です。
Q実績が少ない場合は、どう絞ればよいですか?
A前の職場で関わった業界や業務から始めると、理解していることを示しやすくなります。経験のない領域を、専門として名乗ることは避けてください。これから伸ばしたい領域は、取り組んでいる分野として、分けて書きます。
Q一度決めたターゲットは、変えてもよいですか?
A変えて構いません。ターゲットは、今の時点での仮の決定です。数か月続けても反応がない場合は、まず切り口を1つ広げます。それでも変わらなければ、別の切り口に替えます。見直す時期を、先に決めておくと判断しやすくなります。
Qターゲットを絞れば、単価は上がりますか?
A金額以外の理由で選ばれやすくなるため、値下げで比べられる場面は減ります。ただし、必ず上がるとは言えません。単価は、需要や取引先の予算にも左右されます。決めた領域で実績を重ね、新しい案件から金額を見直していくのが現実的な進め方です。
Q1つの業界に絞ることに、危険はありませんか?
Aあります。その業界の状況が変わると、収入が大きく減るおそれがあります。前に出す看板は1つにしても、取引先は複数持ち、近い領域にも実績を作っておくと、影響を小さくできます。1社に収入が集中しないようにすることも大切です。
この記事のまとめ

ターゲットを絞るとは、受ける仕事を減らすことではなく、前に出す相手と課題を1つに決めること。入口が分かりやすくなり、覚えてもらいやすくなる

切り口は、業界、相手の規模や段階、課題、提供する内容、地域の5つ。得意と需要が重なるところで、1つか2つを組み合わせて決める

決め方は、仮の決定として数か月試し、反応を見て直す。決めたら、肩書き、実績、発信、提供する内容をそろえる

まずは、これまでの取引先を書き出し、共通する点を探してください。需要を確かめる方法の1つとして、どんな業界や経験を求める案件があるかを見ておくと、候補を選びやすくなります。

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