
はじめに|なぜ今、Web系フリーランスが増えているのか
Web業界では今、フリーランスとして独立する人が年々増えています。
特にWebデザイナー・ディレクター・エンジニアといった職種は、会社員からフリーランスへ転身するハードルが大きく下がりました。
その背景には、いくつかの大きな市場変化があります。
市場が拡大している理由
まず大前提として、Webサービス・アプリ・デジタル広告の市場が右肩上がりで成長しています。
- EC化率の拡大
- SaaSやアプリの爆発的な増加
- 企業のDX推進
- 中小企業・地方企業でもWeb活用が当たり前に
これらの影響で、企業は 「Webで商品を売る力」「オンラインで顧客を増やす力」 を求めるようになりました。
その結果、
Webデザイナー・コーダー・エンジニア・マーケターの需要は安定して高いまま。
会社員だけでなく、外部フリーランスに依頼するケースも増えています。
特にWeb制作のようにプロジェクト単位で仕事が動く業界は、
「必要なときに必要な人だけお願いしたい」
という企業側の意図と相性が良く、フリーランスの需要が自然に増えています。
リモート普及・人材不足という追い風
近年のリモートワーク普及は、Web系フリーランスにとって大きな追い風です。
- 場所を選ばず働ける
- 全国どこに住んでいても東京の案件に参加できる
- 子育て・家族との時間を確保しやすい
こうしたメリットから、働き方の選択肢が一気に広がりました。
さらに、IT業界は慢性的な人材不足。
特にエンジニアは売り手市場が続いており、ディレクターやデザイナーにも同じ傾向があります。
企業側からすると、
「社内で人が育たないなら、外部のプロに頼もう」
という判断が増えており、フリーランスの活躍の場が広がっています。
会社員からフリーランスへの転身が増えている背景
ここ数年、正社員としてWeb職に就いた人が、スキルを生かして独立するケースが急増しています。
その理由は3つあります。
① 会社員で得た経験が“そのまま武器”になるから
- デザイン経験
- サイト運用経験
- HTML/CSS/JS
- UI/UX
- ディレクション
こうしたスキルは、フリーランス案件と直結しています。
特にディレクター経験は最強。
案件数が多く、どの会社も困っているポジションだからです。
② 年収アップが現実的に狙えるから
会社員で年収400万の人が、
フリーランスだと月60〜80万円を狙うのは珍しくありません。
③ 働き方の自由度が手に入るから
- 時間の自由
- 働く場所を選べる
- 仕事を選べる
- 深夜残業から解放される
- 人間関係のストレスが減る
会社員時代には難しかった自由な働き方を実現するために、フリーランスへ転身する人が増えています。
未経験でもフリーランスになれるのか?【結論:実務経験があれば十分】
「フリーランスに興味はあるけれど、未経験でも仕事ってもらえるの?」
多くの人が最初に抱く悩みはここだと思います。
結論から言うと、Web系職種は実務経験が2〜3年あれば問題なし。
まずは、“未経験”という言葉が指す範囲から整理しましょう。
「未経験」の意味の誤解
「未経験フリーランス」という言葉を聞くと、
- デザインもできない
- コーディングもできない
- Webの実務経験がない
こういう“完全未経験”を想像しがちです。
しかし、企業やエージェントが言う「未経験」と、
あなたがイメージする「未経験」はまったく意味が違います。
業界が求める“未経験OK”の意味
- フリーランスとして働くのが未経験
- 独立が初めて
- 業務委託で働いたことがない
実はこのレベルの未経験なら問題なし。
企業は「実務ができるならフリーランス経験がなくてもOK」と考えています。
逆に、
Web制作の実務がほぼゼロの完全未経験状態では、フリーランスはまず難しい。
これは業界全体で共通しています。
正社員の経験は武器になる
会社員として2〜3年以上のWeb実務経験があるなら、それは即戦力の証明です。
- デザインの実務経験
- コーディングや更新業務
- WordPress運用
- ディレクション
- GA4分析やUI改善
- チームでの制作フロー理解
こうした経験はすべて、フリーランス案件と直結しています。
会社員として培ってきた知識は、そのまま市場価値になります。
企業が求めているのは“即戦力スキル”
企業がフリーランスに求めるものはシンプルです。
求められるのは「即戦力」
- 自走できる
- 指示の意図を理解できる
- 最低限のコミュニケーションが取れる
- 納期を守れる
- 会社員時代と同じレベルの品質を出せる
つまり、明日からプロジェクトに参加できるかが判断基準になります。
ここで重要なのは、
「スキルが完璧である必要はない」ということ。
実務経験があれば、
- 案件の空気感
- 調整やコミュニケーション
- データの扱い方
- 業務フロー
こうした暗黙知を理解しているため、
企業としても非常に安心して任せられるのです。
結論:完全未経験は難しいが、実務経験者は十分戦える
- フリーランス経験がないのは全く問題ない
- Web職としての実務経験があれば企業は求めてくる
- 求められるのは「スキル」より「再現できる実務力」
フリーランスに向いているWeb系職種一覧
Web業界ではさまざまな職種がありますが、フリーランスとして独立しやすいのは以下の5つ。
いずれも企業からの需要が高く、案件が継続しやすい職種です。
あなたがこの中のどれかに当てはまるなら、フリーランスとして確実に勝負できます。
Webデザイナー|案件量が安定。副業から始めやすい王道職種
Webデザイナーは、フリーランスの中でも特に独立しやすい職種です。
需要が高い理由
- 企業のWebサイト改善ニーズが継続的にある
- LP制作、バナー制作、ECデザインなど案件が豊富
- リモートで完結しやすい
制作会社・広告代理店・アプリ事業会社など、あらゆる企業から依頼があります。
フリーランスのWebデザイナー相場
- 月40〜70万円(常駐/リモート)
- 単発バナー:3,000〜15,000円
- LP制作:10〜30万円
実務経験が2〜3年あれば十分に案件を取れます。
必要スキル
- Figma / Photoshop / Illustrator
- UI/UXの基礎
- 企業のブランドに合わせたデザイン提案
- HTML/CSSの理解があると強い
特徴
単発案件も多いため、副業→独立の流れを作りやすい職種です。
Webディレクター|人気職種。案件の数と単価が高い
Webディレクターは、実は案件数が多く、単価も高く、フリーランス向きの職種です。
需要が高い理由
- 企業が「ディレクションできる人材」を圧倒的に必要としている
- プロジェクト管理・要件整理ができる人が少ない
- 内製化の流れで一時的に外部Webディレクターが求められている
フリーランスのWebディレクター相場
- 月50〜90万円(リモート可能)
- スキルが高い人は月100万円超えも普通にある
必要スキル
- 要件定義・ワイヤー作成
- スケジュール管理
- メンバーとのコミュニケーション
- アクセス解析(GA4)
- UI/UX改善
特徴
Webディレクターは会社員経験がそのまま武器になる職種の代表格。
制作現場の流れを理解していれば、高単価案件を取りやすいです。
フロントエンドエンジニア|リモート案件が多く、単価も安定
フロントエンドは、フリーランス全体でもトップレベルに需要があります。
需要の理由
- 企業のサービスがWeb/アプリ中心になっている
- Vue / React の案件が爆発的に増えている
- 事業会社の内製化の流れで、一時的に外部エンジニアを求めている
相場
- 月60〜100万円
- React / Next.js / Vue.jsが使えると更に高単価
必要スキル
- HTML / CSS / JavaScript
- React / Vue.js / Next.js
- Git / Docker の基礎
- API連携の理解
特徴
技術が変わるため学習が必要ですが、
スキルさえあれば爆発的に稼げる職種です。
バックエンドエンジニア|高単価で長期案件が多い
バックエンドはフリーランスの中でも特に堅い職種。
常駐・フルリモートどちらも多く、長期案件に入りやすいのが特徴です。
需要の理由
- 企業システム・API開発のニーズが途切れない
- 技術力の高い人材が不足している
- 運用保守も含めて長期案件がほとんど
相場
- 月70〜120万円
- スキル次第で150万以上も現実的
必要スキル
- PHP / Laravel / Ruby / Rails
- Java / Go / Python
- データベース設計
- AWS / インフラの理解
特徴
エンジニア職の中では最も安定感があり、
業務委託でも“社員と同等”の扱いをされやすいのが強み。
マーケター・解析職|データを扱える人材はどこでも不足している
GA4・SEO・広告運用・UI改善などの“マーケ・解析”系の職種は、今後もっと需要が伸びる領域。
需要の理由
- 企業が「データで意思決定」する時代に変わった
- GA4を使いこなせる人が少ない
- UI/UX改善のニーズが増えている
- 中小〜大手までニーズが幅広い
相場
- 月50〜90万円
- 実績があると100万円超えの改善案件も珍しくない
必要スキル
- GA4・Looker Studio
- SEOの知識
- ユーザー分析
- 施策提案・KPI設定
- A/Bテスト(Optimizely、VWO、DLPOなど)
特徴
制作スキルよりも“課題解決力”が重視されるため、
法人経験がある会社員はめちゃくちゃ有利な領域です。
まとめ:5職種はどれも「フリーランスとの相性」が抜群
- Webデザイナー:副業→独立しやすい
- Webディレクター:案件数と単価が最強
- フロントエンド:リモート、単価◎
- バックエンド:安定・高単価・長期
- マーケター/解析:需要が伸び続けている職種
この5職種は、Web業界の中でも特にフリーランスとして成功しやすい分野です。
会社員からフリーランスになるメリット・デメリット
Web系の職種はフリーランスと相性が良く、会社員から独立する人が毎年増えています。
しかし、メリットだけを見ると危険。
しっかり両面を理解したうえで判断することが大切です。
フリーランスになるメリット
年収アップが現実的に狙える
Webディレクター・デザイナー・エンジニアであれば、
会社員年収400万円 → フリーランスで月60〜80万円
は珍しくありません。
スキル×実務経験があれば、成果がそのまま単価に反映されます。
働き方の自由度が圧倒的に上がる
- リモート可能
- 働く時間を調整できる
- 平日昼の買い物や通院も可能
- 満員電車から解放される
会社員には得られない大きなメリットです。
仕事を選べるようになる
合わないプロジェクト・人間関係を避けられるのはフリーランスの特権。
あなたの得意領域に集中しやすくなります。
副業→独立というルートが取りやすい
Web系は「小さく始める」ができます。
バナー制作やLP改善などの単発案件が多いため、
リスクを抑えて独立準備ができます。
フリーランスのデメリット(知っておくべき現実)
メリットだけを語る情報が多いですが、
デメリットこそ事前に理解しておくべきです。
収入が安定しない月がある
初月から安定する人のほうが少数派。
ただしエージェントを使うと、この不安定さはほぼ解消できます。
営業・請求・確定申告も自分でやる
慣れれば大したことはありませんが、最初は少し負担に感じる人もいます。
案件が終われば次を探す必要がある
ただしWeb業界は需要が大きいため、
一度スキルが評価されると継続依頼が多い職種でもあります。
どんな人がフリーランスに向いている?
- 自分でスケジュール管理ができる
- コミュニケーションが苦手ではない
- 学習を続けられる
- Web業界の実務経験がある
- 納期遵守できる
Web系は特に「実務経験×自走力」があれば成功しやすい業種です。
Web系フリーランス独立ロードマップ(手順をゼロから解説)
フリーランスになるには、何から始めればいいのか?
ここでは、会社員がスムーズに独立するためのロードマップを整理します。
Step1|スキルの棚卸しと実績の整理
まずは、これまでのキャリアを棚卸しします。
- どんな案件を経験したか
- 何を担当したか
- どんな成果を出したか
- 使用ツール(Figma・GA4・React など)
- 得意領域
あなたの価値は「作品」だけではなく「実務で解決した課題」も含まれます。
Step2|ポートフォリオを作る
Web系フリーランスの生命線。
企業は「実務レベル」をここで判断します。
必ず入れたい項目
- 自己紹介
- できること(スキルセット)
- 実績(守秘義務がある場合は抽象化)
- 詳細な担当領域
- 使用ツール
- 仕事の進め方
あなたのように守秘義務の案件が多い場合は
「規模」「担当工程」「改善結果」
を抽象化して書くのが効果的です。
Step3|希望単価と働き方を決める
Web系は単価が幅広いので、
あなたの経験値に合わせて価格帯を決めます。
- デザイナー:40〜70万
- ディレクター:50〜90万
- フロント:60〜100万
- バックエンド:70〜120万
- マーケター:50〜90万
週3〜5日などの稼働日数も決めておくと、エージェントの紹介がスムーズです。
Step4|開業届・青色申告の準備
独立後1ヶ月以内に開業届を提出すればOK。
青色申告を選べば、65万円控除が使えます。
freeeやマネーフォワードで自動化してしまえば、
確定申告もそこまで負担にはなりません。
Step5|最初の案件獲得に動く
ここが一番大事。
最初の案件が取れると、不安が一気に消えます。
ここからは、最初の案件の取り方を詳しく見ていきます。
未経験フリーランスが最初の案件を取る方法
エージェントを活用する(最優先)
Web系フリーランスの王道中の王道がエージェント利用。
理由は以下の通り:
- 高単価
- 週3〜5稼働案件が豊富
- リモート多め
- 面談・単価交渉を代行してくれる
- スキルに合う案件だけ紹介される
初案件が最も取りやすく収入も安定するルートです。
企業へ直接営業する
制作会社や事業会社にDM・メールで提案する方法。
ただし時間がかかるため優先度は低め。
クラウドソーシングを使うのはアリ?ナシ?
最初の実績作りにはアリ。
ただし単価は低く、収入も安定しないため、
- 実績1〜2件作る
- すぐ卒業
が良いでしょう。
Web系に強いフリーランスエージェント一覧
レバテック(デザイナー/ディレクター/エンジニア)
- 案件数トップクラス
- 単価が高い
- Webディレクター案件が非常に豊富
- 週3〜5案件が中心
ITプロパートナーズ
- 週2〜3案件が豊富
- 副業→独立の相性が良い
- スタートアップ案件が多い
クラウドテック
- リモート案件が多い
- ワークライフバランス重視の人に◎
Midworks
- 手厚いサポート
- 福利厚生レベルの保証
- 案件も安定感あり
パーソルテクノロジースタッフ
- 大手の安心感
- エンジニア案件多め
- 事務処理が丁寧
その他の選択肢
- ギークスジョブ
- engineer-force
- etc…
エージェント活用のメリット
- 単価が高い
- 営業不要
- 交渉不要
- 案件が途切れにくい
- 案件紹介がスピード早い
複数登録が必須な理由
1社だけだと“紹介幅”が狭くなるため、
最低3社は登録しておくのが鉄則。
実際に、複数(10社以上)のエージェントに登録しているフリーランスも多いです。
同じ案件を複数のエージェントから紹介されることも多いです。
単価が高いエージェントが選べるのも、複数のエージェントに登録する大きなメリットです。
正社員からフリーランスへ切り替えるときの注意点
退職時期の決め方
最重要。
案件が決まってから退職するほうが安心です。
フリーランスは空白期間 = 収入ゼロになるため。
保険・年金まわりの切り替え
- 国民健康保険
- 国民年金
- 会社の厚生年金 → 国民年金へ
手続きは住民票のある市役所で簡単にできます。
税金・確定申告の注意点
青色申告にしておけばOK。
会計ソフトで自動化できます。
収入が不安定になる時期の乗り越え方
- エージェント案件を複数候補キープ
- 副業案件でリスク分散
- 月の支出を固定
初期を乗り越えれば安定します。
よくある質問Q&A(不安を解消)
フリーランス未経験でも本当に案件は取れる?
実務経験があれば取れます。
「フリーランス経験がない」は問題ありません。
最初の月収はどれくらい?
Web系なら50万円〜60万円前後が一般的。
リモート案件は多い?
以前に比べて少なくなってきましたが、
Webディレクター・デザイナー・エンジニアでは、まだまだあります。
ポートフォリオがないと無理?
デザイナーは必須です。
それ以外の方は、案件は取れますが、あったほうが有利です。
守秘義務がある場合は抽象化すればOK。
エージェント何社に登録すべき?
最低3社。
紹介される案件の幅が大きく変わります。
まとめ|失敗しないためには事前準備がすべて
この記事のポイントおさらい
- Web職はフリーランスとの相性が良い
- 実務経験があれば独立は現実的
- 最初の案件はエージェント活用が最短ルート
- ポートフォリオと実績を準備すればOK
最初の一歩は「情報収集」から
いきなり退職しなくても大丈夫。
まずは案件相場を知ることが第一歩です。
無料でできる行動(エージェント登録)
エージェント登録は完全無料。
案件相場・働き方・必要スキルがすべてわかるので、
“独立の迷い”が一気に消えます。
最後に
ここまで読んできて、「自分でもいけるかもしれない」と少しでも感じたなら、
その感覚はかなり正しいです。
すでにあなたは、会社員としてWebの現場で積み上げてきた実務経験という、大きな資産を持っています。
フリーランスになるかどうかは、特別な才能ではなく「準備して、一歩踏み出すかどうか」の違いだけです。
もちろん、不安がゼロになることはありません。
でも、情報を集めてポートフォリオを整え、エージェントに相談してみる。
ここまでは、すべて「無料で・会社員のまま」進められます。
この記事が、あなたが自分のキャリアを主体的に選び直すきっかけになればうれしいです。
次は、あなたの番です。
