
この記事の内容
- フリーランスとして活動を始めたいけど、開業届っていつ出すのが正解?
- 副業でも出した方がいい?
- 屋号や開業日、どう決めたらいいの?
この記事では、開業届の「書き方」ではなく、迷いやすいポイントを整理しながら、出すべきかの判断と出した後にやることを1本にまとめます。
「フリーランス」「個人事業主」「開業届」の関係

フリーランス=働き方、個人事業主=税務上の区分
フリーランスは「会社に属さず、案件ごとに仕事をする」などの働き方の呼び方です。
一方、個人事業主は税務上の立場(区分)で、税務署に開業届を提出することで「個人事業を始めた人」として扱われます。
開業届を出すと何が変わる?
開業届を出すと、ざっくり言うと以下が進めやすくなります。
- 事業としての体裁が整う(取引先・口座・請求書などが作りやすい)
- 青色申告を狙う土台ができる(※青色申告は別紙提出が必要)
- 経費や帳簿管理を「事業として」整備しやすい
逆に、開業届を出した瞬間に「必ず税金が増える」わけではありません。
税金は、収入・経費・所得の状態によって決まります。
開業届の基本:いつ/どこへ出す?
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、所轄の税務署へ提出します。
原則として「事業開始から1か月以内」とされています。
開業届は出すべき?迷ったときの判断フロー

ここが一番大事です。
「出す/出さない」は、いまの状況で最適解が変わります。
判断フロー(簡易版)
次のうち「Yes」が多いほど、開業届を出すメリットが大きいです。
【チェック】今のあなたはどれ?
- すでに案件があり、今後も継続する予定がある
- 取引先に「個人事業としての体裁」を求められそう(口座・請求書など)
- 今年(または来年)から青色申告をしたい
- 経費がそれなりに発生し、帳簿管理をちゃんとしたい
- 仕事の入口を増やすため、エージェント登録なども進めたい
→ 3つ以上当てはまるなら:開業届を“出す”方向でOKです。
「青色申告したい」なら、開業届は早めが安心
節税目的で青色申告を考えているなら、開業届と合わせて
青色申告承認申請書の提出期限を意識してください。
- 原則:青色申告したい年の 3月15日まで
- その年の1月16日以後に新規開業した場合:開業日から2か月以内
期限を過ぎると、その年は青色申告が使えず、翌年からになることがあります。
「副業だけど…」出す/出さないの分かれ目
副業でも、継続的に事業として取り組むなら、開業届を出す選択は普通にありです。
ただし、判断はここで分かれます。
出すのが向いているケース
- 受注が継続しそう/売上が立ち始めた
- 事業用の口座や請求書を整えていきたい
- 経費や帳簿を整備して「事業化」したい
まだ出さなくてもよいケース
- 単発・短期のテスト稼働(まずは続くか不明)
- 収入が不安定で、事務負担を最小化したい
- 会社の副業規定がグレーで、まず確認が必要
※会社員の副業は、勤務先の就業規則(副業可否)を先に確認しましょう。
提出前に決める3点|ここで詰まる人が多い

「書類の書き方」より、実はここで止まります。
先に「決め方」を知っておくとスムーズです。
① 開業日:いちばん迷わない決め方
開業日は、基本的にあなたが「事業を開始した日」です。
迷うなら、実務的にはこのどれかが決めやすいです。
- 初めて案件を受注した日
- 初めて請求書を出した日
- 屋号付きで活動を始めると決めた日
- 事業用の準備(サイト公開、サービス開始)をした日
ポイントは、あとで説明できる日付にすること。
「なんとなく」より「この日から始めました」と言える方がラクです。
② 屋号:つける?つけない?
屋号は、なくても困りません。
ただ、次に当てはまるなら、つけるメリットがあります。
屋号があると便利な場面
- 請求書・見積書に“屋号”を載せたい
- 名刺やサイトで“活動名”を統一したい
- 事業用口座などで見た目を整えたい
迷うなら結論
- まずは屋号なしで開始 → 必要になったら整える、でもOK
- すでにサイト名や活動名があるなら、それを屋号に寄せるのもアリ
③ 事業内容(職業):どう書くとラク?
事業内容は、背伸びせず、取引先が見てわかる日本語が正解です。
例)
- Webディレクション業
- Webサイト制作・運用支援
- アプリ運用支援、アクセス解析
- コンテンツ制作(記事作成・編集) など
「将来やりたいこと」を盛り込みすぎるとブレやすいので、
まずは 「今、受注していること」中心でまとめるのが無難です。
提出方法は3つ|結局どれがラク?
開業届は、提出方法が3つあります。
1)税務署に持参(早い・安心)
- その場で提出できる
- 不備があればすぐ直せる
- 控えが必要なら、その場で確認しやすい
「手続きが苦手」「最短で終わらせたい」人向きです。
2)郵送(移動がいらない)
- 税務署へ行かなくていい
- ただし、控えが必要なら返送用の手配が発生しがち
「平日に時間が取れない」人向きです。
3)e-Tax(オンライン提出)
- 自宅から提出できる
- 今後の確定申告もオンラインで進めやすい
「紙のやり取りを減らしたい」人向きです。
開業届を出した直後にやることチェックリスト(ここが一番重要)
開業届は「ゴール」ではなく、「スタートの書類」です。
提出後の動きで、来年の確定申告のラクさが決まります。
1)青色申告をするなら「青色申告承認申請書」もセットで
青色申告を狙うなら、期限があるので注意してください。
- 原則:その年の 3月15日まで
- 新規開業のタイミングによっては 開業日から2か月以内
2)会計の“型”を決める(ここで9割ラクになる)
おすすめは、最初から最低限の型を作ることです。
- 事業用の口座(または口座を分けるルール)
- 事業用クレカ(または支払いを分けるルール)
- レシート・領収書の保管ルール(紙→月1整理、など)
- 会計ソフトを使うなら、最初の1回だけ初期設定
完璧にやらなくてOK。
「分ける」「貯める」「月1で処理」だけで十分前に進めます。
3)請求書・見積書のテンプレを作る
独立直後は「書類のテンプレ」で消耗しがちです。
最低限、これだけ作っておけば安心です。
- 見積書テンプレ
- 請求書テンプレ
- 送付メール(定型文)
- 振込先情報の定型
屋号あり/なし、どちらのパターンでも作れる形にしておくと運用がラクです。
4)仕事の入口を固める(最短で案件化するなら)
独立直後は「営業が苦手」で止まる人が多いです。
その場合、まずはフリーランスエージェントを入口にするのが堅実です。
- 案件探しの時間を短縮しやすい
- 条件交渉の負担が軽くなることがある
- 相性の良い担当に当たると継続しやすい
よくある質問(Q&A)
Q. 会社員のまま開業届を出してもいい?
可能です。ただし、まずは 勤務先の就業規則(副業規定)を確認してください。
会社によっては申請が必要な場合もあります。
Q. 開業届を出し忘れたらどうなる?
一般的には「罰則が怖い」というより、実務上は
青色申告の申請タイミングを逃すほうがダメージになりやすいです。
Q. 屋号ってあとから変えられる?
屋号は運用上は変更できます。
ただし、口座や請求書、名刺・サイトなどの表記とセットで影響が出るので、最初はシンプルに始めるのがラクです。
Q. いつ法人化を考えるべき?
売上だけで決めるより、次の目的が出たら検討タイミングです。
- 採用したい
- 社会的信用を強くしたい
- 事業を拡大する投資をしたい
- 取引先から法人を求められる
まずは個人事業で「継続して稼げる型」を作ってからでOKです。
まとめ|今日やる最短アクション
迷っている人は、まずこれだけやればOKです。
- 「青色申告をしたいか?」を決める
- 開業日/屋号/事業内容の“決め方”を当てはめる
- 提出方法(持参/郵送/e-Tax)を決める
- 提出後チェックリスト(口座・請求書・会計の型)を最小で作る
