
自由に働けるはずのフリーランスでも、ストレスはたまります。終わる時刻がなく、休もうと思えば仕事ができてしまい、話す相手も少ないからです。結論から言えば、ストレスへの対処は「たまったものを発散する」と「たまる原因を減らす」の2つを組み合わせることです。発散だけに頼ると、たまる速さに追いつけなくなります。この記事では、日々たまるストレスの解消と予防に絞って解説します。
この記事でわかること
【結論】ストレスは発散と予防を組み合わせて対処する
フリーランスのストレス解消とは、たまった負担を意識して発散することと、負担がたまりにくい働き方に変えることの両方を指します。ストレスは誰にでもたまるもので、弱いから感じるものではありません。問題は、ためたまま放っておくことです。次の3つで対処します。
- サインに早く気づく眠り、気分、体の変化を週に1回確かめる
- 自分に合う発散の方法を、複数持つ5分でできるものと、半日かけるものを用意しておく
- 原因そのものを減らす終える時刻を決める。詰め込みすぎない。合わない取引は見直す
最初にやるのは、仕事を終える時刻を決めることです。区切りができるだけで、休まり方が変わります。
慢性的なストレスの原因が、特定の取引先や稼働時間の長さにある場合は、発散でしのぐより、原因を変えるほうが根本的な対処になります。稼働の条件が合う案件を選び直すことも、その1つです。
フリーランスがストレスをためやすい理由
フリーランスは、ストレスを発散しにくく、ためこみやすい条件の中で働いています。会社員のような終業の時刻や、同僚との雑談がないため、気づかないうちに負担が積み重なります。
| 原因 | 起きること |
|---|---|
| 仕事と休みの境目がない | いつでも働けるため、気持ちが休まる時間を作りにくい |
| 働きすぎる | 収入への不安から受けすぎ、気づくと長時間の稼働になっている |
| 1人で作業する | 悩みを話す相手が少なく、考えが内側で回り続ける |
| 取引先への対応に気を使う | 連絡、修正の依頼、条件の交渉に神経を使う |
| 体を動かす機会が少ない | 通勤がなく、1日中座ったままになりやすい |
先の見通しに対する漠然とした「不安」は、中身を書き出して備えることで小さくなります。日々たまる「ストレス」は、発散することと、原因を減らすことで軽くなります。この記事では後者を扱います。
見逃したくないストレスのサイン
ストレスは、限界が来る前に体や気持ちにサインが出ます。早く気づいて手を打つことが、深刻になるのを防ぎます。週に1回、次の項目を確かめてください。
| 種類 | サイン |
|---|---|
| 眠り | 寝つけない。夜中に目が覚める。朝起きるのがつらい |
| 気分 | いらいらしやすい。落ち込みやすい。楽しめたことを楽しめない |
| 体 | 頭痛、肩こり、胃の不調、食欲の変化が続く |
| 仕事 | 集中できない。誤りが増える。連絡を見るのが怖い |
| 行動 | お酒や間食が増える。人と会うのを避ける |
自分の状態を客観的に確かめたいときは、厚生労働省の働く人向けのサイト「こころの耳」にある、5分でできるストレスのセルフチェックが使えます。質問に答えると、ストレスの状態が表示されます。
こうしたサインが2週間以上続く場合や、生活や仕事に支障が出ている場合は、ストレスの解消法だけで乗り切ろうとせず、心療内科や精神科などの医療機関に相談してください。早めに頼ることは、弱さではありません。
今すぐできるストレス解消法
たまったストレスは、意識して発散します。かけられる時間に合わせて、方法を複数持っておくと、調子が崩れたときにすぐ使えます。
| かける時間 | 方法 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 5分 | 席を立って体を伸ばす。ゆっくり息を吐く。窓の外を見る | 作業の合間、いらいらしたとき |
| 30分 | 外を歩く。湯船につかる。気心の知れた人と話す | 1日の終わり、気持ちを切り替えたいとき |
| 半日 | 趣味に打ち込む。緑のある場所で過ごす。運動する | 週末、疲れがたまったとき |
| 数日 | 仕事を入れない日を続けて取る。場所を変えて過ごす | 案件の区切り、繁忙期の後 |
効果を上げる3つのコツ
- 仕事から完全に離れる通知を切り、仕事の道具を開かない。少しだけ確認する、をやめる
- 先に予定として入れる空いたらやる、では後回しになる。休む時間もカレンダーに入れる
- 体を使うものを1つ入れる画面を見続ける仕事のため、歩く、伸ばすなど体を動かす方法を選ぶ
回復にならない発散に注意する
| やりがちなこと | 理由 | 代わりに |
|---|---|---|
| お酒で気をまぎらわせる | 眠りが浅くなり、翌日に疲れが残る | 湯船につかる。早く寝る |
| 夜更かしして動画やSNSを見る | 睡眠が削られ、他の人と比べて落ち込むこともある | 見る時間を決める。寝室に持ち込まない |
| 休日も少しだけ仕事をする | 気持ちが切り替わらず、休んだ実感が得られない | 仕事をしない日を決める |
あわせて読みたい(発散と回復の方法)
ストレスをためない働き方の工夫
発散と同じくらい大切なのが、ストレスの原因そのものを減らすことです。原因によって、打つ手が変わります。
| 原因 | 工夫 |
|---|---|
| 境目がない | 終える時刻を決める。作業の場所を分ける。終わりの合図を決める |
| 働きすぎ | 週の稼働時間に上限を決める。受ける前に空きを確かめる |
| 休めない | 休む日を先にカレンダーに入れ、依頼が来ても動かさない |
| 取引先への対応 | 連絡を確認する時刻を決める。修正の回数と作業の範囲を契約で決める |
| 孤独 | 同業の人と話す場を持つ。週に1回は外で作業する |
| 作業の環境 | いす、机、照明を見直す。体に負担のかかる姿勢を減らす |
| 情報の浴びすぎ | SNSやニュースを見る時間を決める |
最も効くのは、仕事と休みを切り分けること
自宅で働くフリーランスは、区切りを自分で作る必要があります。小さな区切りでも、気持ちの切り替わり方が変わります。
- 終える時刻を決めるその時刻に、別の予定を入れておくと守りやすい
- 終わりの動作を決める明日やることを書く、パソコンを閉じる、机を片づける
- 場所を分ける作業する場所と、休む場所を別にする。部屋を分けられないなら、机の向きを変える
- 通知を切る終えた後は、仕事の連絡が目に入らないようにする
原因が取引先にあるときは、関係を見直す
特定の取引先とのやり取りが、慢性的なストレスになっている場合は、発散でしのぎ続けるより、関係を変えるほうが根本的です。次の順番で検討してください。
- 連絡と作業のルールを相談する対応する時間帯、返信の目安、修正の回数を決める
- 条件の見直しを相談する作業の範囲、納期、報酬を見直す
- 契約の区切りで終える改善しない場合は、代わりの案件の見通しを立ててから終了を伝える
進行中の案件を途中でやめるときは、契約書の中途解約と予告期間の定めに従ってください。報酬の未払いやハラスメントがある場合は、厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営する「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます。
あわせて読みたい(ためない働き方を作る)
ストレスとの向き合い方|2つの対処を使い分ける
心理学では、ストレスへの対処を大きく2つに分けて考えます。どちらか一方ではなく、原因に合わせて使い分けることが大切です。
| 対処の種類 | 内容 | 向く場合 |
|---|---|---|
| 問題に働きかける | 原因そのものを変える。条件を相談する、作業を減らす、関係を見直す | 自分で変えられる原因のとき |
| 気持ちを整える | 感じ方を和らげる。人に話す、体を動かす、休む | すぐには変えられない原因のとき |
変えられる原因に対して気持ちを整えるだけでは、同じストレスが繰り返されます。変えられない原因に対して問題を解こうとし続けると、消耗します。今のストレスの原因が、自分で変えられるものかどうかを、まず見分けてください。物事の受け止め方の土台については、次の記事で解説しています。
あわせて読みたい(考え方と心の土台を作る)
それでもつらいときの対処
自分でできることを試しても、つらさが和らがないことがあります。そのときは、1人で抱え込まず、外の力を借りてください。
| 頼る先 | 内容 |
|---|---|
| 家族、友人、同業の知人 | 気持ちを言葉にして話す。解決策を求めなくてよい |
| 医療機関 | 心療内科や精神科。眠れない、食べられない状態が続くときは早めに受診する |
| 公的な相談窓口 | こころの健康相談統一ダイヤルは、住んでいる地域の公的な相談機関につながる |
| 休養 | 案件を減らし、続けて休む期間を取る |
気分の落ち込みや体の不調が2週間以上続く、眠れない、食べられない、仕事が手につかない、といった状態のときは、早めに専門家に相談してください。専門家に頼ることは前向きな対処です。この記事は一般的な情報をまとめたもので、医師の診断や治療に代わるものではありません。
よくある質問(FAQ)
ストレスへの対処は、たまったものを発散することと、たまる原因を減らすことの両方を組み合わせる
発散の方法は、5分、30分、半日と、かけられる時間に合わせて複数持つ。仕事から完全に離れる
終える時刻を決め、合わない取引は見直す。サインが2週間以上続くときは医療機関に相談する
ストレスの大きな原因が、合わない取引先や働きすぎにあるなら、案件や働き方を見直すことが根本的な対処になります。エージェントを使うと、希望する働き方に合う案件の紹介を受けられ、無理のない条件を選びやすくなります。

